桜美林大学の「落」として
責任を果たす

リベラルアーツ学群 2年生
弓道部
富山県立高岡工芸高等学校 出身

中嶋 一郎 さん

同級生の活躍に刺激を受け、弓道に打ち込んだ高校時代

中学までは器械体操に打ち込んでいました。「やりきった」という感覚があったので、高校からは別の競技をすることに。弓道を選んだのは、激しく体を動かさない競技というイメージがあったから。当時は、主体的に弓道を選んだというわけではありませんでした。

私の出身地である富山県には、中学校に弓道部がある学校は多くありません。そのため、同級生のほとんどが高校から弓道を始めました。県内では強豪校として知られた高岡工芸高等学校ですが、校内に弓道場を有していません。近隣にある市営の道場を借りて練習に臨んでいました。顧問の先生の熱心な指導のおかげで、少しずつ弓道の楽しさに気付くことができました。

弓道への意識が大きく変わったのは、高校1年生のとき。県大会で同級生が個人優勝を果たしたんです。彼は中学のときから弓道を経験しており、真剣に弓道に向き合っていました。そんな姿勢を目の当たりにして、「自分も本気で弓道をやってみよう」と思えました。自分が思っていた以上に、私は負けず嫌いな性格だったのかもしれません。練習に打ち込み、翌年の全国大会の個人戦で入賞を収めることができました。

当たり前のことを、淡々と確実にこなしていく

全国大会に出場したことをきっかけに、富山県出身の先輩から「桜美林大学に来てみないか?」と声を掛けてもらいました。桜美林大学の弓道部が強豪であることは知っていましたが、実際に大学に足を運ぶと、競技環境がとても魅力的でしたね。「この立派な弓道場で、弓道に打ち込みたい」と、すぐに入学を決意しました。

入学後は、同級生や先輩方のレベルの高さに驚きました。なかなか1年生のときは目立った成績を残せませんでしたが、彼らの存在は大きな刺激になったと感じます。

とはいえ、周囲に上手い人がいてもいなくても、私の弓道への向き合い方は変わりません。特に決まったルーティンを設けてはいないのですが、自分に課した練習メニューを淡々と、確実にこなすことを常に意識しています。大学生になると生活リズムが乱れがちですが、体調不良で欠席した1回を除き、遅刻・欠席なく練習に臨めています。桜美林大学の恵まれた環境を最大限生かし、ひたすら自分の技を磨くことに努めていますね。

「落」を任される競技者でありたい

5月に出場した第63回百射会では3位の成績を収めることができました。入学以来、当たり前のことをコツコツ続けてきた成果もあり、少しずつ的中率を高められていると感じています。

現在、私は団体戦で最後の射手である「落」を任されています。いわゆる“花形”の役割で、素晴らしい競技者の先輩たちが落を務めてきました。落というのは、技術面だけでなく、精神的な強さも求められます。伝統を汚すことなく、できるだけ長く落を務められるよう精進していきたいと考えています。

桜美林大学弓道部の魅力は、全国各地から高いレベルの競技者が集まっていること。それぞれが異なる価値観や練習方法を持っていて、そんな個性豊かな仲間と切磋琢磨できるのは、私にとって大きなプラスになっています。

今はまだ、卒業後のことは考えていません。ただ、まずは目の前の部活動に全力で取り組み、落に恥じない実力を身につけたいと考えています。実力と品格を兼ね備えた弓道家として、そして人として成長していきたいです。応援のほど、よろしくお願いいたします。

※この取材は2025年6月に「桜美林のスポーツ」サイトのために行われたものです。

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