違和感は放置しない。
探究はふとした「問い」から始めよう

教育探究科学群 2年生

卯木 遥奈 さん

違和感を原動力に、教育を探究する道へ

高校生のときに出場した弁論大会の様子

教育のあり方について深く考えるようになったのは、中学生のときのことです。もともと人前に出ることが苦手なタイプでしたが、学級委員や生徒会長を任されたことで、生徒や教員と対話を重ねる機会が多くありました。しかし対話は一筋縄ではいかず、私の意見を一方的に否定されてしまうことも。学校という組織の中で、ひとりの生徒として教育現場のあり方に違和感を抱いたことが、教育への強い課題意識を持つきっかけとなりました。

不満や疑念をそのままにせず、私は「弁論」という手段で自分の思いを伝えることにしました。高校では独学で話の構成や表現方法を学び、「全国大会での7位入賞」という結果を残すことができました。

大学進学にあたり、当初は教育学部を検討していました。ただ私は必ずしも教員になりたかったわけではなく、「教育そのもの」について学びを深めたいと考えていたんです。迷っていたときに、桜美林大学に教育探究科学群が新設されるという情報を入手しました。教育学を軸にしながら、社会学や経済学など多様な隣接する学問を学ぶことができる。あらゆる視点から自分の探究テーマや社会課題を見つめ直していけると感じ、桜美林大学への入学を決めました。

フィールドワークで「聞く」ことの意義を実感する

教育探究科学群は、教員と学生の距離が近いことが特徴です。大学1年のとき、インクルーシブ教育に関する探究でアンケート調査を実施した際、私は実施プロセスや手法に不安を感じていました。しかし先生はすぐに答えを提示するのでなく、手法の利点や改善点を私と一緒に捉え直したうえで、納得のいく結論にたどり着けるようサポートしてくれました。

また、大学1年の夏に履修した実践科目「福島県浜通りフィールドワーク」も、学びの多い経験でした。この科目は、震災や原子力発電所事故の実態、そして復興・復旧の歩みを学ぶものです。私は5歳のときに地元で被災しましたが、当時は幼く、震災の背景や詳細な事実について知らないことが多々ありました。実際に帰還困難区域に入り、被災された方々の声を聞いたことで、改めて東日本大震災の被害の凄まじさを目の当たりにしました。

同時に、現場で相手の本音や深い回答を引き出すための「インタビュー手法」の難しさにも直面しました。学術的な調査としていかにして声を拾い上げるか。この経験から得た改善点を、今後の研究にもしっかりと生かしていきたいです。

政策の力で、子どもの学びをサポートしたい

議員インターンシップに参加した際の様子。

現在は、高校時代から継続している「非認知能力の評価」に関する研究に注力しています。3・4年次では、心理学的・社会学的知見も取り入れながら、非認知能力をどう計測し、その妥当性をいかに担保するかという「尺度開発」に本格的に取り組む予定です。

卒業後は、政治や行政に関わる職に就くことを目標としています。教育をめぐる葛藤に悩んできた私だからこそ、政策や制度の観点から、子どもたちの学びをサポートしたいと考えています。

まだ私は、大学生活の2年間しか経験していません。それでも、「問いを持ち続けること」の意義を実感しています。社会課題においても、日々のコミュニケーションにおいても、「なぜこの問題が起きているのか」「なぜこの人はそう考えるのか」と本質を突き詰める姿勢が大切です。

桜美林大学には、個人のチャレンジを真剣に受け止め、背中を押してくれる環境があります。これからも自分の中にある違和感や問いを妥協せずに追求し、悔いのない大学生活を送りたいと思います。

※この取材は2025年12月に行われたものです。

関連記事

ページの先頭へ