全国の子どもたちに
ストレスマネジメントの
輪を広げたい

大学院 国際学術研究科 卒業生
国際学術研究学位プログラム 博士後期課程 修了

杉山智風 さん

研究テーマは子どもたちの健康な心を育むストレスマネジメント

ストレスマネジメント授業の様子

小関俊祐研究室で、主に高校生を対象に、認知行動療法という心理療法を基盤とした「ストレスマネジメント」に関する研究に取り組んでいます。人生のより早い段階で、ストレスについての正しい知識と上手な付き合い方を身に付けてもらうことで、子どもたちの現在と未来の心の健康に貢献することを目指しています。

研究では、実際に学校を訪問してストレスマネジメントの授業を行い、短期間でストレスの悪化の「予防」を実証するという課題に取り組んでいます。子どもたちそれぞれの日々の健康につながる実践はもちろんですが、「自分たち自身が子どもたちと楽しんで関わること」も大切にしながら、研究室のメンバーと和気あいあいと取り組んでいます。このように第一線で活躍する先生方から学びつつ、実践的な学びも得られるのが桜美林の良さではないでしょうか。子どもたちから「今日勉強したことを普段の生活でも使ってみたい」「自分に合ったストレスとの付き合い方を見つけられてうれしい」といった声を聞くと、大きなやりがいを感じます。

主所属の石川利江教授には、同じ女性研究者の大先輩として、日々の研究活動から人生の相談まで乗っていただき、いつも温かいお言葉で背中を押していただいています。

恵まれた人間関係とフィールドで研究に没頭できた

小関研究室のメンバーとの写真

中学・高校時代に友人の悩み相談に乗っているうちに、「学校にソーシャルスキル(他者とうまく人間関係を築きながらともに生きていくための技能)を学べる授業があったらいいのに」と思ったのが現在の研究テーマに興味を持ったきっかけです。
 
桜美林大学大学院を選んだのは、臨床心理士や公認心理師の受験資格が取れることと、実際に学校現場で介入研究ができるフィールドを持つ研究室があったからです。入学前に「キャンパスが広くてきれい、教授や事務の方がとても優しくて親切」という印象を持っていましたが、入学してからもその印象はまったく変わりませんでした。教授や事務の方だけでなく、学生も心優しく真面目な方が多いなと感じますね。おかげで、やりたい研究を思う存分やることができました。
 
舞台演劇の演出助手として入学前に、下北沢や中野の小劇場に少しだけ携わったことがあります。俳優の仕事は自分には向かないと感じましたが(笑)、このときにチームで一つの作品を作り上げることの感動や、目標に向かって一所懸命にひたむきに頑張ることの楽しさを学び、それは現在の研究活動にも生かされているように思います。
 

たくさんの人と出会える大学時代、「楽しい経験をたくさん積もう!」

すでに博士論文も提出し、卒業後は京都の大学に拠点を移し、研究活動を続ける予定です。大学院では教育現場でのストレスマジメント授業や海外での学会発表、国内外で論文の採択など、数えきれないほど多くの貴重な経験を積むことができました。こうした桜美林大学での経験を最大限に生かして、予防的心理教育というテーマに、臨床実践と研究の両面からより一層励んでいきます。将来的には自分の研究室を持ち、一緒に取り組んでくれる仲間を増やして、日本にストレスマネジメントを広げ、日本の子どもたち全員が「ストレスマネジメントができます!」と言えるような未来を夢見ています。
 
桜美林大学は、自分の関心を広げるチャンスがたくさんあるのも魅力の一つ。私もさまざまな場所で実習も積むうちに、高校生だけでなく、小学生や中学生、障がいのある子どもや大人のストレスマネジメントにまで興味の幅が広がりました。こんなにもたくさんの人と出会え、さまざまな経験ができるのは大学時代だけ。学生の皆さんはぜひ、自分が興味を持ったものにはどんどんチャレンジしてください。
 
友達と楽しく大学生活を送りたい、いろいろな分野の専門家の先生と話してみたい、自分の関心を広げたいという方に桜美林はおすすめの大学だと思います。

 


【編集後記】

自分の研究テーマについて、熱く語る姿が印象的な杉山さん。熱心な研究活動が実を結んで、全国の学校にストレスマネジメントの輪が広がる日が楽しみです。

※この取材は2023年1月に行われたものです。

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