追い求めるのは、ワクワクする道。 夢を叶え、ボールパークで躍動。/山口 瑠伽 さん
- 百花繚乱
- 【Future Landscape】8. 山本卓卓
範宙遊泳の舞台に
世界への祈りを込める
総合文化学群(現 芸術文化学群) 演劇専修 卒業生
演劇集団 範宙遊泳 代表/劇作家/演出家
山本卓卓 さん
またもや桜美林卒業生の快挙だ。劇作家・演出家の山本卓卓さんが、2022年2月『バナナの花は食べられる』で第66回岸田國士戯曲賞を受賞した。11月には、やはり桜美林出身のダンサー北尾亘さんとのタッグで『となり街の知らない踊り子』の公演も決まっている。
「大学に入ったら、すぐに劇団をつくろうと決めていました。人とのつながりを求めていたんです。当時は、周りの誰よりも演劇を知っているという自信と、絶対に何かをやってやるという野心がありました。図書館に通いつめ本やDVDや資料を借りあさって、現代演劇の歴史を学ぶ日々でした」
学生劇団は順調だったが、卒業と同時に主要メンバーが全員就職。ひとりになってしまった山本さんだったが、2011年から新メンバーたちと活動を本格化させた。
「ひとりになったときは寂しかったですが、演劇を辞める気は全くありませんでした。大きな転機は2014年。海外演劇人から評価していただいて以来、定期的に海外公演を行っています。海外の影響は大きいですね。例えば、今年6月に上演した『ディグ・ディグ・フレイミング!』では、差別や死といった重い問題をあえて軽やかなトーンで表現しました。日本と違って、海外ではそうした方法やスタイルもありうるんです」
範宙遊泳の舞台に、山本さんは世界への祈りや願いを込めている。
「ともすれば、ばかにされがちな人々のピュアな気持ちを守り抜くような作品をつくりたいと思っています。同時に、仲間たちと芝居づくりを楽しむことも大切にしています。みんなが楽しんでいると、芝居も楽しい顔をしていますから。本当は、楽しいというピュアな気持ちを持ち続けることはすごく難しい。だからこそ、楽しむことにこだわり続けたいんです」
山本さんをつくるもの
※この取材は大学広報誌「J. F. Oberlin Tokyo No. 9」のため2021年7月に行われたものです。
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