伊奈正晴スペシャルインタビュー

  • 学位:修士(経営学)
  • 博士前期課程
  • 新宿キャンパス
  • 募集人員 100人程度

経営学的創造力は夢を見るのか。

再編が加速する世界のコンテンツ業界。
必要なのは権利を識り、時に武器として闘う力。

伊奈正晴

一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)
エンフォースメント担当部長
桜美林大学大学院客員教授

デジタル技術、そしてネットワーク技術によって、エンターテインメント・コンテンツを取り巻く世界も激変している。国境は溶け始め加速するさらなるグローバル化。「だからこそ、これからもっともっと海外に出ていかなければだめ。そのためにはきちんと交渉ができ、そして攻めのビジネスができることがとても重要。」と伊奈氏。
とにかく子供の頃から映画が好きで、日本を代表する映画会社である東宝に入社。以来、世界を相手に映画や演劇、様々なエンターテイメントコンテンツとそれにまつわる膨大な「交渉」を経験してきたいわば強者。
「例えば映画なら、制作前から興行後まで全てのビジネスシーンに関わってきました。もちろんいろいろなケースがあって状況も様々で、その体験、ひとつひとつの現場が自分を育ててくれた。交渉には実にいろいろなテクニックがあるんですよ。」
盗まれる、騙されるといったことからコンテンツや制作者の権利を護り、正当に、そして優位にビジネスを展開するために必要なことは何か。世界を相手にしたコンテンツビジネスの舞台裏のお話から見えてきそうです。

「今とても大きな節目に来ていると思うんです。」
これまでは、ディストリビューターなど中間者のノウハウが大きくビジネスを左右していたが、デジタル・オンラインの時代にはその存在価値が限定的になってきた。UGCが当たり前になり、スピードも劇的に上がり、たとえば、映像著作物の世界も急速に間口が広がっている。
「その時代に合ったビジネスの形が必要だと思います。また、ただ勝てば良いということではなく、WIN-WINになるというか。そういう交渉術がビジネスには大切だと思います。」
現在は日本のコンテンツの海外へ向けた新興とその保護がメインの仕事。「私が体験してきたことを、ぜひ伝えて新しい時代のビジネスに生かして欲しいです。」

伊奈正晴
一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)
エンフォースメント担当部長
桜美林大学大学院客員教授

1985年上智大学文学部英文学科卒業。東宝株式会社入社。1985 - 1987映画館勤務(京都・大阪)。1988 - 1993ロンドン、1995 - 1996ニューヨーク、1996 - 2002ロスアンゼルス駐在。ロンドンでは「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」などのミュージカルの買い付けやカンヌ映画祭他へ参加しての映画セールス、ニューヨークでは「マイ・フェア・レディ」「ラ・マンチャの男」などの再演契約、ロスアンゼルスでは1998年の初のハリウッド製「ゴジラ」の製作・公開に携わる。また、2002年の帰国後ヴァージンシネマズ・ジャパンの買収交渉に携わり、買収後TOHOシネマズの経営に参加、映画館のデジタル化、3D、4D、IMAXや業界初の自動券売機の導入、営業、映画館開発、ロイヤルティ・プラグラム、システム開発、法務など経営の全般に関わり、赤字企業を営業利益100億円超の大企業に成長させることに寄与した。1996年東宝国際株式会社取締役、国際東宝株式会社CFO。2006年TOHOシネマズ取締役。2014年TOHOシネマズ常務取締役。2015年TOWAピクチャーズ常務取締役。2017年一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構海外担当部長、2019年一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構エンフォースメント担当部長。

夢見る、経営学的創造力。

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