1月11日(日)、八王子織物工業組合が主催するオリジナルブランド「マルベリーシティ」のネクタイデザインコンペ表彰式が行われ、芸術文化学群ビジュアル・アーツ専修の学生4人が入選、1人が審査員特別賞を受賞しました。
同組合では、八王子織物の発展と普及を目的に、オリジナルブランド「マルベリーシティ」として毎年新たなジャカード織ネクタイを制作・発表しています。本コンペはその取り組みの一環として実施され、テキスタイルなどを学ぶ学生を対象に作品を募集。優れた作品は製品化され、実際に販売されます。
今年は全国から542点(昨年274点)の応募があり、そのうち16点が入選。ビジュアル・アーツ専修からは4点が入選するという快挙を成し遂げました。
今回のテーマは「自然の美 ~ How beautiful nature is ! ~」。
猪山淳啓さん(2年)は、「小さな働き者」と題し、微生物とペイズリー柄を組み合わせたデザインを制作しました。広大な自然や大きな動物たちも、微生物の存在なしには成り立たないという視点から、「見えない存在こそ美しい」という思いを表現。ペイズリー柄が持つ「生命」や「繁栄」の意味を重ね、顕微鏡で覗いたような微生物の広がりをデザインに落とし込みました。
猪山さんは、「二十歳という節目の年に挑戦したコンテストだったので、成人式で自分のデザインしたネクタイを締めたいという思いで制作しました。入選できたこと、そして自分の作品が実際にネクタイとして形になったことが本当に嬉しいです。今後は課題解決につながるデザインを追求し、誰かのためになる作品づくりに挑戦していきたい」と抱負を語りました。
中山朔さん(2年)は、緻密な描画を得意とし、パターンデザインの技法に着目して本コンペに挑戦しました。「呼吸する水」と題した作品では、雨や滝、河川へと姿を変えながらゆっくりと循環する水の営みを、“水が呼吸している”ようなイメージで表現。変幻自在に表情を変えていく水の流動に崇高な美を見いだし、流動の行き先と方向が柄に表れないよう注意してデザインしました。
入選を受け、中山さんは「驚きの気持ちが大きいです。評価をいただきましたが、まだ改善できる点も多いと感じています。大学生活も折り返しを迎えました。最終的には自分の作品を心から好きだと言えるよう、さらに表現を追求していきたい」と今後の目標を述べました。
本取り組みは、学生にとって実社会とつながる実践的な学びの機会となりました。今後もビジュアル・アーツ専修では、社会と連携した制作活動を通じて、専門性と創造性を高めていきます。
入選した学生の作品
4年 川久保裕毅さん

タイトル「紫陽花が美しく咲く季節」。紫陽花を選び、花弁と葉のみで構成するシンプルなパターンを制作した。隙間を丁寧に埋め、違和感のないデザインになるよう意識。ファインアートを専門に学んでおり、デザインを専門としていない立場での挑戦だったが、自分の純粋な表現が評価されたことを嬉しく思う。今後も芸術活動を続け、表現者として力を高めていきたい。
4年 馬越凜人さん

タイトル「輪」。川や海など水のある場所に生まれるコミュニティの「輪」をモチーフに、水の流れを表現した。本専修で幅広い分野を学んできた経験を生かし、服飾を専門に学ぶ学生と同じ舞台に立てたことが嬉しい。将来は一つの領域にとどまらず、分野を横断した表現ができるアーティストを目指したい。
審査員特別賞:4年 岩本萌依さん

タイトル「ななくさ」。七草をモチーフに、普段制作しているパステル調とは異なる落ち着いた色合いに挑戦した。パターンデザインには苦手意識があったが、受賞できたことに驚いている。製品化されたネクタイを実際に見て、画面上とは異なる見え方の面白さを実感した。今後は柄から制作する衣装づくりにも挑戦し、自分で描いた柄の服を形にしてみたい。

左から藤田茂先生、馬越凜人さん(4年)、中川朔さん(2年)、猪山淳啓さん(2年)、岩本萌依さん(4年)、川久保祐毅さん(4年)
今回、コンテストに入賞した学生たちの作品は、八王子織物工業組合ベネック店頭、下記オンラインショップにて展示・販売されています。
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