11月26日(水)、健康福祉学群の若松健太ゼミにて、冬季オリンピック3大会(長野・ソルトレークシティ・トリノ)に出場した元ショートトラックスピードスケート日本代表、勅使川原郁恵さんをお招きし、特別講演を行いました。
現在、勅使川原さんはJOCオリンピック・ムーブメントOM事業専門部会員としてオリンピズムの普及に携わるほか、一般社団法人ナチュラルボディバランス協会代表理事、一般社団法人あそび庁副長官などとして幅広く活動しています。「健康」をキーワードとした27もの資格を取得し、競技引退後も挑戦を続けています。
講演では、「毎日氷の上に立ちたい」という思いからショートトラックに転向し、日本代表・オリンピアンへとなるまでの歩み、3度のオリンピックで得た経験と学びについてお話しいただきました。その道のりは決して平坦ではなく、代表メンバーから外れる悔しさや、チーム内の人間関係に苦しんだ時期もあったといいます。それでも、「悪いことはしていないと言える自分でいたい」と、あいさつや準備といった当たり前のことを丁寧に続けることで、自らの道を切り開いてきました。
また、3度のオリンピックを通して学んだのは、「日々の準備が、自信となって大舞台で自分を支えてくれる」ということ。
「皆さんは今日何を口にしますか。大会当日の自分を“人生で一番良い自分”にするために、そこから逆算して今日をどう生きるか、細かいところにこだわり積み重ねることが大切」という言葉は、競技者としてだけでなく、将来スポーツ現場を支える立場をめざす学生たちにも強く響きました。
さらに、競技者を支えるコーチ、スタッフ、家族、友人など「見えないチーム」の存在にも触れ「支え合いと感謝の心を忘れないでほしい」と呼びかけました。
質疑応答では、数多くの資格取得の理由や、今後取り組みたい学び、オリンピックの重圧との向き合い方など、多岐にわたる質問が寄せられました。勅使川原さんは一つひとつの質問に丁寧に答えながら、「努力と継続は必ず自分の力になる。失敗を恐れず、困難だと思う道にもぜひ挑戦してほしい」と、学生たちにエールを送りました。
今回の講演は、スポーツを「する側」「支える側」の両方の視点から、これからの学びやキャリアを考える大きなきっかけとなりました。
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