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シラバス詳細情報

開講年度 2018年度
開講学期 2018年度 春学期
授業コード 35206
科目 大学アドミッション
教員氏名 出光 直樹
授業種別 集中講義
授業方法 講義
授業概要  高等教育ユニバーサル化の時代を迎え、入試広報を担当するスタッフは、単に入学試験とそれに付帯する広報活動を事務的に処理するだけでなく、アドミッションズ・オフィサーとして、各大学のミッションと学生の実態を理解し、適切な入学者選抜・学生募集の仕組みを戦略的に構想し、実行していく役割が求められている。
 この科目は、我が国の入学者選抜と高大接続をめぐる課題を国際的な視点も踏まえて概観した上で、(1)入試制度、(2)広報活動、(3)学生の視点から見る高大接続、についての課題報告とディスカッションを中心とする授業展開を行い、各受講者の固有の文脈における課題の発見と具体的な解決の道筋を探る。
到達目標 ●我が国の入学者選抜制度の現状と課題を、国際的な比較も含めて理解する。
●入学者選抜や高大接続の多様な現状と課題を理解する。
●ケーススタディー、インタビュー等の具体的な事例分析と、それに基づく課題発見、企画立案が出来るようになる。
●アドミッションに関わるスタッフの専門性と課題を自覚する。 
授業計画 1回4コマ×4日間の集中講義で行う。

第1回 入学者選抜と高大接続をめぐる課題  4/15(日)10:00~17:00
 我が国の入学者選抜制度の現状と課題を、歴史的経緯をふまえつつ理解・整理するとともに、高等教育ユニバーサル化とともにクローズアップされてきた高大接続の課題について、国際的な動向も視野に入れて検討する。
(1) 制度と法令 - 学校教育法、大学入学者選抜要項、諸外国の高大接続
(2) 一般選抜と特別選抜(推薦・AO・帰国生・社会人・留学生・etc)
(3) 入学者選抜のインフラ - 大学入試センター試験、国際バカロレア、各種の外部検定試験
(4) 高大接続に関わる新たな課題と改革動向
★初回の授業には、各自の自己紹介レジュメの提出やリーディング課題(詳細下記)があります。

第2回 入学者選抜制度運用の実際 5/20(日)10:00~17:00
 課題1として、各受講者において具体的な入学者選抜制度を取り上げて報告を行なってもらい、入試制度運用に関わる実務上の課題について以下のポイントを交えながら検討を行う。
(1) アドミッションポリシーや制度上の位置づけ
(2) 当該大学のミッションやカリキュラムとの適合性
(3) 実施上の環境とリソース

第3回 入試広報活動の実践と課題 6/17(日)10:00~17:00
 課題2として、関係者へのインタビューを含めた入試広報活動の実例について報告を行ってもらい、入試広報活動の課題について以下のポイントを交えながら検討を行う。
(1) 入試広報制作物の機能と位置づけ
(2) 進学相談会やオープンキャンパスの役割
(3) 入試広報施策のマネジメントとSD

第4回 学生の目から見る入試広報と大学選び 7/15(日)10:00~17:00
 課題3として、学生に対してインタビュー調査を行い、入学前の大学選びに関する意識や行動、受験のプロセス、大学入学後の適応について報告を行ってもらい、高大接続の課題について以下のポイントを交えながら検討を行う。
(1) 大学進学をめぐる学生の成長と課題
(2) 各大学のポジショニング
(3) 担当職員の教育的役割 
授業時間外学習  第1回目の授業には、各自の自己紹介レジュメ(A4版片面1枚に、略歴・職務内容・大学院での研究課題・本科目での問題関心等をまとめたもの)を持参してください。印刷はこちらでしますので、原紙1枚で構いませんが、あわせて事前に電子ファイルをメール等で送っていただけると助かります。

 また、テキスト(1)第4章と(2)、および以下の資料を通読しておいてください。

・文部科学省高等教育局 「平成30年度大学入学者選抜実施要項」,http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1346785.htm}

・出光 直樹 {「『高大接続改革』の忘れ物」,http://n-idemitsu.seesaa.net/article/455788444.html} 『FMICS BigEgg』2018.1

・上田 千尋 {「決定権がスタッフの意欲を支えるアメリカのアドミッションズ・オフィス」,http://berd.benesse.jp/berd/center/open/dai/between/2002/0708/bet18618.html}『Between』2002.7・8

・出光 直樹 {「オピニオン アメリカの入学者選抜の本質は専門職の合議による多面的視点」
『Between』2015.6・7

 第2回目の授業では、各受講者が関係する大学やその他の大学における具体的な入学者選抜制度を取り上げてまとめ、各15分~20分程度の報告を行ないます。

 第3回目の授業では、各受講者が関係する大学やその他の大学における具体的な広報活動や制作物について取り上げ、関係者に対するインタビューを含めてまとめ、各15分~20分程度の報告を行ないます。

 第4回目の授業では、3名以上の学生に対してインタビュー調査を行い、入学前の大学選びに関する意識や行動、受験のプロセス、大学入学後の適応などについてまとめ、各15分~20分程度の報告を行ないます。

 全ての授業終了後、科目全体の学習内容や気づきを、総括レポートにまとめて提出します。 
テキスト (1) 渡邊一雄 編(2010) 『大学の制度と機能』 玉川大学出版部 (特に第4章「高等学校と大学の接続」) ISBN-13: 978-4472404047 

(2) 山本 廣基(2017) 「高大接続改革に係る大学入試センターの取り組み」 『大学マネジメント』2017.10

※(1)の第4章と(2)については、Facebookの非公開グループ内にスキャンデータを用意してます。
参考書 (3) 佐々木 隆生(2012) 『大学入試の終焉: 高大接続テストによる再生』 北海道大学出版会 ISBN-13: 978-4832933798

(4) 繁桝 算男 (2014) 『新しい時代の大学入試』 金子書房 ISBN-13: 978-4760821709

(5) 東北大学高等教育開発推進センター 編(2013) 『大学入試と高校現場: 進学指導の教育的意義』 東北大学出版会 ISBN-13: 978-4861632228

(6) 倉部 史記(2011) 『文学部がなくなる日』 主婦の友新書 ISBN-13: 978-4072758953

(7) 冷泉 彰彦 (2014) 『アイビーリーグの入り方: アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』 CCCメディアハウス ISBN-13: 978-4484142234

(8) 後藤健夫 (2016) 「インターナショナル・バカロレア(I B)、日本での現状を探る」,http://souken.shingakunet.com/college_m/2017_RCM202_32.pdf} 『カレッジマネジメント』Vol.202 Jan.-Feb.2017

(9) {『Between』2016年6-7月号 特集:今の入試方式は最適解か?,http://between.shinken-ad.co.jp/between/2016/06/20166-7.html}

(10) 中原 淳(2016) {「大学院サバイバル!? : 先行研究のまとめ方、陥りやすい3つの罠!?」
評価基準  講義参加と討議、課題報告そして総括レポートの内容により、以下の基準で評価します。

A 特に優秀
●課題を通じて、様々な入試制度や広報活動および学生意識についての深い洞察と気づきを得るとともに、他大学の事例もふまえたより普遍的な課題の把握がなされている。
●科目の学習内容について、参考文献の知見もふまえて整理・展開されているとともに、受講者自身の文脈、および我が国における入学者選抜と高大接続の課題への深い洞察が得られている。

B 優秀
●課題を通じて取り上げた事例と他大学の事例の双方から、洞察と気づきを得ている。
●科目の学習内容について、良く整理されているとともに、受講者自身の文脈における入学者選抜と高大接続の課題への洞察が得られている。

C 良好
●課題で取り上げた事例について、具体的な洞察と気づきを得ている。
科目の学習内容について、良く整理されている。

D 最低ライン
●3つの課題は、一通り行っている。
●科目の学習内容について、概ね整理されている。 
URL http://n-idemitsu.seesaa.net/article/456340347.html
最終更新日 2018/04/02

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