開講年度 | 2018年度 |
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開講学期 | 2018年度 秋学期 |
授業コード | 23193 |
科目 | アメリカ女性論 |
教員氏名 | 仙波 由加里 |
授業種別 | 週間授業 |
授業方法 | 講義 |
授業概要 | アメリカのフェミニズム誕生や女性解放運動の歴史をふりかえり、それを踏まえて、現在、アメリカ女性たちがどのような問題を抱え、どのように生きているかを学ぶ。それは、現代もなお男性優位で女性への抑圧が強い日本社会で、日本人女性たちがジェンダーの視点からの平等や自由を手に入れるためには、どのような行動や取り組みが必要かを考える際のヒントになるだろう。アメリカ女性論の授業では、アメリカにおけるフェミニズムの誕生やフェミニズム運動について概観し、過去から現在にかけてアメリカ社会に生きる女性たちが向き合ってきた問題について、学生たちとの討論を中心に授業をすすめる。 |
到達目標 | 授業全体を通してアメリカ社会に散見する様々なジェンダー関連の問題を理解し、日本におけるジェンダーバイアス(社会的・文化的性差あるいは性的偏見)にも問題意識を持ち、それらを解決するための思考力を養う。そして、自らの考えを理論的にレポート等で述べることができるようにする。 |
授業計画 | 9/18(火) ・授業の進め方 ・アメリカにおいてフェミニズムはどのように誕生したのか 女性の家庭の枠をこえた新しい地位をもとめる活動や運動(Woman’s Movement)を学ぶ 9/25(火) ・アメリカの婦人参政権運動 10/2(火) ・アメリカ女性 1950年代の豊かな社会の専業主婦から働く女性へ 10/9(火) ・アメリカ女性の結婚観や結婚の形の変遷 10/16(火)・アメリカにおける中絶をめぐる議論 マーガレット・サンガーと産児制限・アメリカにおける中絶をめぐる議論 (プロライフvsプロチョイス) 10/23(火) ・アメリカの子育て 10/30(火) ・女性と人種問題・性差別・年齢差別 11/6(火) ・グループワーク (4グループに分ける) テーマ: ①アメリカにおける職業とジェンダー ②アメリカにおける犯罪とジェンダー ③アメリカにおける政治とジェンダー ④アメリカにおける性的マイノリティー 11/13(火) ・グループ発表 ・差別の生まれる構造 Youtube:『青い目、茶色い目』をみて討論 11/20(火) ・アメリカの大学教育とジェンダー ・アメリカのアファーマティブ・アクションとジェンダー 11/27(火) ・多様な家族形態 (シングルマザー、同性カップル、LGBT) 12/4(火) ・アメリカにおける生殖医療と女性の身体 (社会的理由による卵子凍結、パートナーはいなくても子どもだけほしい、代理母や提供精子・ 提供精子の利用など) DVD: NNNドキュメントBS世界のドキュメンタリー 『アメリカのドナーコンセプションを見て討論 12/11(火) ・アメリカ、生殖医療で生まれた子の出自を知る権利 12/18(火) ・アメリカの高齢者とジェンダー ・アドバンス・ディレクティブズ 1/15(火) ・アメリカの貧困とジェンダー ・全体の総括 |
授業時間外学習 | 9/18(火)・授業開始前までに、ジェンダーについての自分の考えをまとめておく 9/25(火)・教科書のpp.115-138を読んでくる 10/2(火)・教科書のpp.138-152を読んでくる 10/9(火)・結婚や結婚の形に関連するニュースや雑誌の記事を収集してく。 10/16(火)・教科書のpp.158-166を読んでくる 10/23(火)・育児に関連するニュースや雑誌の記事を収集してくる 10/30(火)・教科書のpp.115-138を読んでくる 11/6(火)・グループワークに必要な情報収取と準備 11/13(火)・グループ発表のために必要なことを各自、適宜行う 11/20(火)・教科書のpp.58- 63, pp.180-191を読んでくる 11/27(火)・教科書のpp.193-227を読んでくる 12/4(火)・前の週の授業で配る生殖医療に関連する資料を授業前までに読み、生殖医療についての知識をつけてくる 12/11(火)・生殖医療に関連するニュースや雑誌の記事を収集してくる 12/18(火)・終活に関連するニュースや雑誌の記事を収集してくる 1/15(火) ・授業前までに教科書のpp.229-303を参考に、トランプ大統領を迎えて、アメリカ女性たちはどのような影響を受けているのかについて、800字を限度にレポートにまとめて、レポートを提出 |
テキスト | ホーン川嶋瑤子、2018、『アメリカの社会変革—人種・移民・ジェンダー・LGBT』、筑摩書房 ISBN:978-4-480-07110-1、940円+税 |
参考書 | カール・N・デグラー他著、立原他2名訳、『愛と性と家族の歴史、アメリカの女たち』1986、教育社、 サラ・M・エヴァンス著、小桧山ルイ他2名訳、『アメリカの女性の歴史 自由の国に生まれて』、1997、赤石書店、 有賀夏樹・小桧山ルイ編、『アメリカ・ジェンダー史研究入門』2010、青木書店、 小桧山ルイ編集、『結婚の比較文化』2001、勁草書房 荻野美保、『中絶論争とアメリカ社会—身体をめぐる戦争』2012、岩波人文書セレクション、 緒方房子、『アメリカの中絶問題—出口なき論争』2006、明石書店 森杲、『アメリカ〈主婦〉の仕事史—私的領域と市場の相互関係』2013、ミネルヴァ書房、 坂本辰朗、『アメリカ教育史の中の女性たち ジェンダー、高等教育、フェミニズム』2002、東信堂、 村田鈴子、『アメリカ女子高等教育史 —その成立と発展」2001、春風社、 舘かおる、『女性学 ジェンダー研究の創成と展開』2014、世織書房 エレン キャロル デュボイス ・リン デュメニル 著『女性の目からみたアメリカ史』2009、赤石書店 ホーン川嶋瑤子、『大学教育とジェンダー:ジェンダーはアメリカの大学をどう改革したか』2004、東信堂 佐藤千登勢、『アメリカの福祉改革とジェンダー 「福祉から就労へ」は成功したのか?』, 2014、彩流社 渋谷博史 C.ウェザーズ編、『アメリカの貧困と福祉』2006、日本経済評論社 杉本貴代栄、『女性が福祉社会で生きるということ』2008、勁草書房 青木紀、杉村宏、『現代の貧困と不平等 日本・アメリカの現実と反貧困戦略』2007、明石書店、 ルース・リスター著、松本伊智朗漢訳、立木勝訳、『貧困とはなにか 概念・言説・ポリティクス』2011明石書店、2011 その他、授業時に適宜紹介する。 |
評価基準 | 本授業の到達目的は、授業全体を通してアメリカ社会に散見する様々なジェンダー関連の問題を理解し、日本におけるジェンダーバイアス(社会的・文化的性差あるいは性的偏見)にも問題意識を持ち、自らの考えを理論的にレポート等で述べることができるようにすることにある。評価は、授業毎に課すリアクションペーパーの内容(10%)、課題レポート(30%)、グループワークでの貢献(30%)、期末テスト(30%)を総合して評価する。 A:上記の到達度合いを総合し、90%以上に到達している B:上記の到達度合いを総合し、80%以上に到達している C:上記の到達度合いを総合し、70%以上に到達している D:上記の到達度合いを総合し、60%以上に到達している F:上記の到達度合いを総合し、60%に到達していない。 |
URL | http://www2.igs.ocha.ac.jp/projects/2017/06/2017project/ |
最終更新日 | 2018/03/05 |
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