桜美林大学、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターおよび株式会社明治の共同研究グループは、地域在住の高齢者を対象とした疫学研究により、チーズ全般の摂取が認知機能を評価する指標の一つであるMMSE(ミニメンタルステート検査・認知症の簡易検査)のスコアの高さと関連することを明らかにしました。
乳製品と認知機能の関連性を示す論文は国内外で数多く報告されていますが、その対象者、地域、測定方法の違いに伴い一貫した結果は得られていません。この研究は日本人高齢者のチーズの摂取と認知機能についてその関連性を示した新たな研究成果となります。当研究成果は、2023年7月18日に、栄養学分野で評価の高い国際学術誌Nutrientsに掲載されました。
当研究に携わった本学大学院国際学術研究科の鈴木隆雄特任教授は、「以前の共同研究からカマンベールチーズなどのカビによる発酵チーズは脳内の神経細胞に効果的な成分(BDNF)が増加することを明らかにしましたが、今回の共同研究でも乳・乳製品、中でもチーズの摂取が脳の働き、すなわち認知機能全体に良い効果をもたらす可能性が明らかにされました。日本人の高齢者は欧米人に比べチーズの摂取が少ないことから、日常的にもう少し多く取り入れることが望ましいと思います。」と、話しています。
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