理科4専攻合同ゼミ発表会を行いました②

2023/09/02(土)

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12月21日(水)に行われた理科4専攻の合同ゼミ発表会に関するニュースです。前半では天文学の宮脇ゼミの活動内容を紹介しましたが、今回は生物学の木場ゼミについてお伝えします。

専攻演習での一コマ:キャンパス内を散策

植物学の講義では、なかなか個々の種について解説する時間を取れないですが、ひとつひとつの種は個性的で独特な生き方をしているので、ぜひ学生に知ってもらいたいと思っています。専攻演習では、なるべく多くの種について、野外で実物に触れながら観察をします。ゼミ生は、小さな花をルーペで覗くと、思いのほか細かい構造があることをみつけたり、野外で生きて行くことの大変さを知ったり、巧妙な生き方に関心したりします。

雨が降らないかぎり、なるべく野外を歩きます。桜美林大学の周辺には市街地、農耕地、雑木林などがあり、野生の植物の観察ができます。「路傍三百」という言葉があり、身近なところには300種くらいの野生植物が生えていると言われます。専攻演習の期間内に、300種を軽く超す種数の植物を観察します。

年に2回ぐらいは週末を使って遠出をして、近所にない植物の観察をします。雨の日には植物形態学の勉強会をします。正しく植物学用語を知ることによって、図鑑を使うことができるようになります。

桜美林大学の標本庫には現在、9千点を超える植物標本があります。学生は先輩の学生や教員が作成した標本を使って形態の勉強をします。そして、ゼミ生も植物採集をしたり、標本を台紙に貼ったりして、標本庫の充実に貢献します。

こうして多くの植物に触れるうちに、各学生の興味に響くような生命現象に出会い、卒業研究へとつながって行きます。

ゼミに参加した、3年生の学生(心理学メジャー)は、ゼミでの体験について次のように語ってくれました。

一番勉強になったこと、面白かったこと、印象深かったこととしては、「植物標本を作るのが私は好きでした。単純に作業が楽しかったのもありますが、後輩たちの勉強に繋がるのかもしれないと思うとこうした作業の重要さを知れたこと、そしてそれに携われることに嬉しさを感じました。あと、どんぐりを食べたことは欠かせません。マテバシイはやはり工程が多いので2回分の授業を利用しての大掛かりの作業で大変でしたが、ゼミ生と共に何か作るのは楽しかったです。個人的にはスダジイの方が美味しかったなと思います。」

そして、一番難しいと思ったこと、困ったことについて教えて下さいという問いに対しては、「フィールドワークの時、私よりも先生の方が元気なので、先生について行くことに精一杯なところがあったといえば大袈裟ですが、フィールドワーク熟練者の前に自分は軟弱な存在過ぎると思い知りました。 それと、植物の名前を覚えるのが私は苦手でした。聞けば、あー!となりますが、閃くことがあまりなかったのが今となっては悔しいです。もっと勉強しておくべきでした。 でも、誰よりも早くヌルデを答えられるのは自慢です。」

 最後に、このゼミを後輩たちに勧めたいと思いますか?と聞いたところ、「おすすめします。実際の植物を観察でき、生態なども学べ、他にも植物標本の制作も出来ます。植物が好きであるならより深い学びを得られると思います。」と、苦労しながらも様々なことを学んだ様子を伺わせてくれました。

学生たちから花束を受け取る木場先生

残念ながら木場先生は2022年度で退職されましたが、自然領域生物学プログラムでは他にも特色ある専攻演習が開講されています。これらの活動については日を改めて紹介していきます。

2023年1月25日に行われた理科系合同卒研発表会の最後では、退職される木場先生に向けて花束が贈られ、卒研生・ゼミ生の皆さんから感謝の言葉が述べられました。

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