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【プログラム紹介】「究極の問い」を問い続けるために:ビッグヒストリープログラム

2022/11/08(火)

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宇宙に想いを馳せるビッグヒストリーゼミのゼミ生たち(作成:和田山雄平さん・青木海渡さん)

みなさんは、子どものころ、宇宙や恐竜や人体の図鑑を読んで、ワクワクしたことはありませんか? 宇宙の無限の大きさにめまいがしたり、ユニークでバラエティに富んだ恐竜にシビレたり、人体の精巧な仕組みに驚いたり・・・でも、だんだんと大人になるにつれて、世界を楽しむ気持ちを失いがちです。ビッグヒストリーの原点は、そうしたワクワク感にあります。

ビッグヒストリーとは、138億年の宇宙地球史です。ビッグバンから太陽系と地球の形成、生命の発生と進化、人類の起源と文明の発生、近現代を概観し、近未来の人類を展望します。宇宙や地球、生命、人間についての科学的知識はこれまで大きく進歩し、いまなお新しい発見が次々と行われています。ビッグヒストリーは、私たちに利用可能なこうした科学的知識を取り込みながら、それらを一つの統合された歴史にまとめあげたものです。ビッグヒストリーは宇宙に存在するあらゆるものを対象としますので、自然科学・社会科学・人文学を統合する超学際的な「究極のリベラルアーツ」ということができます。

ビッグヒストリーの授業では、計算問題を解いたり、化学記号や歴史の年号を覚えたり、といったことは行いません。むしろそうした科学的知識・歴史的知識に基づきながら、「宇宙とは何か」「生命とは何か」「人間とは何か」「私たちはどこから来てどこへ行くのか」という、人間にとっての「究極の問い」を自由に考え議論します。また、ビッグヒストリーを気候変動や戦争など現代の地球規模の問題にどう適用するかを考えます。ですので、計算や化学記号は苦手だけど宇宙や生物の話は大好きだ、という文系の学生も、自然科学が専門だが人間や社会のことも考えたい、という理系の学生も、ともに学ぶことができます。

ものごとを「宇宙的視点」から見るビッグヒストリーは、私たちの視野を大きく広げてくれます。ビッグヒストリーのゼミ生で4年生の澤田馨樹さんは「ビッグヒストリーの魅力は、宇宙誕生から現在の自分までの膨大な時間を、具体的に教授・学生が同じ土俵で驚き・楽しみ・学びあえるところです。私たちはつい自分だけの人生設計しか考えない『短期的思考』に陥ります。これを乗り越えるために、学生の私達で出来ることを日々探究しています」と話しています。

片山博文教授:妖怪もビッグヒストリーです。境港・水木しげるロードにて

もちろん、「究極の問い」は簡単に答えが出るものではなく、また「正解」があるわけでもありません。私たちが一生を通じて考え、自分なりの答えを出していくものです。しかし、大学におけるビッグヒストリーの学びの経験は、私たちがそうした問いを問い続けていく上での確固としたよすがになってくれるでしょう。

みなさんもぜひ、宇宙的視点から世界を見る「ビッグヒストリアン」として、宇宙、生命、人間、そして<わたし>に思いを馳せてみませんか?

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