浅井教授が、日本質的心理学会学会賞を受賞

2019/09/25(水)

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写真左から浅井亜紀子教授、ヤーン・ヴァルシナー教授(特別賞)、張暁紅さん(国際フロンティア賞)

本学リベラルアーツ学群浅井亜紀子教授(コミュニケーション学専攻)が執筆した論文「職業アイデンティティ・ショックと対処方略-来日インドネシア人看護師候補者の自己をめぐる意味の再編過程」が、第11回日本質的心理学会の学会賞(優秀タイムリー論文賞)を受賞しました。今回の学会賞は『質的心理学研究』16号、17号に掲載された論文(昨年の受賞論文を除く)の中から、3論文が選ばれました。

浅井教授は、経済連携協定(EPA)で来日したインドネシア人看護師候補者9人を5年間かけて面接調査。母国で「正看護師」であった候補者たちは日本で「看護助手」として扱われて受けたショックを、「看護助手」から「国家試験受験者としての私」へと変化させることで対処していきます。その心理的過程を浮き彫りにし、「私についての意味の再編」として描き出しました。これは、質的研究の成果として独創性が見られるだけでなく、今まさに困難を抱えている者を救う有用な知見を提示している点が高く評価され、この度の受賞となりました。

受賞に際して、浅井教授は「このような名誉な賞を頂き、大変光栄に感じております。論文執筆にあたり、インドネシア人看護師の方々と何度も面接を重ねました。研究者として信頼して頂き、正直に語って頂いたことに心から感謝しております。インドネシアやフィリピンから来られている看護師の日本での受け入れ体制が、少しでも改善し、共生のあり方を探るために、日本人の関係者の理解を深める一助となれば幸いと思っています」と、話しました。

※経済連携協定(EPA)とは、関税をなくして貿易を活発にするなど、経済の連携を強化する2国間の協定。インドネシア、フィリピンとの協定で、本来は外国人が就労できない介護福祉士を受け入れている。看護師の枠組みもある。インドネシア人看護師候補者の日本への受け入れは、2008年から開始された。

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