芸術文化学群の小西俊也ゼミの学生が、桜美林大学駅伝部のロゴ制作に取り組んでいます。今回の取り組みは、ゼミ活動の一環として実施されているもので、実際の依頼を受け、クライアントの想いを形にしていく実践的な学びの機会となっています。
桜美林大学駅伝部は、「箱根駅伝本戦出場」を目標に掲げ、選手だけでなく、マネージャーやトレーナー、ブランディングスタッフなど、多様な役割を担う学生たちが、“全員で戦うチーム”として活動しています。一方で、これまでチームを象徴する明確なロゴはなく、SNSやホームページなどを通じた発信が増える中で、「桜美林大学駅伝部」を表現するシンボルの必要性が高まっていました。
ロゴ制作のきっかけとなったのは、駅伝部ブランディングチーム内での「チームの顔となるロゴが欲しい」という声でした。芸術文化学群に所属する駅伝部スタッフが、授業「造形実技入門C(デジタル編集基礎A)」でロゴ制作を経験したことから小西准教授へ相談し、ゼミ活動として取り組むことが決定しました。
制作にあたっては、駅伝部のブランディングチームや幹部選手に対し、小西ゼミの学生がインタビューを実施。「箱根駅伝出場」という目標や、“全員で戦うチーム”としての想い、これから歴史を築いていく“挑戦者”としての姿勢などについてヒアリングを重ね、ロゴに込めたいキーワードを整理していきました。
また、小西ゼミの学生は実際に駅伝部の練習や試合を見学し、チームの雰囲気や活動への理解を深めながら制作を進めました。デザインの表面的な表現だけでなく、競技に向き合う姿勢やチームの価値観をロゴに反映させるためです。
5月14日(金)に行われた中間プレゼンテーションでは、小西ゼミの学生が3グループに分かれ、それぞれ異なるコンセプトのロゴ案を提案しました。その後、駅伝部では部員全体を対象としたヒアリングを実施。中間プレゼンで提示されたデザイン案に対する意見や要望を集約し、小西ゼミへフィードバックを行いました。
5月29日(金)に開催された最終プレゼンテーションでは、中間プレゼンで寄せられた意見を反映したロゴ案が発表されました。プレゼンテーションでは、
・駅伝部らしさが表現されているか
・チームの想いが反映されているか
・長く愛着を持てるデザインか
・ウェアやSNSなどで活用しやすいか
・「桜美林大学駅伝部らしい」と感じられるか
といった観点から各案が説明されました。
最終プレゼンを受けて、全部員による投票を実施し、桜美林大学駅伝部の新たなシンボルとなるロゴが決定される予定です。
小西ゼミの学生からは、「自分の作品制作以外で活動するのは初めてだった」「他者の要望を汲み取りながら制作する難しさを感じた」といった声が聞かれました。また、「“シンプル”という言葉一つでも人によって認識が異なるため、意識合わせの大切さに気づいた」「クライアント内でも重視するポイントが異なり、一つのデザインに落とし込むことが良い経験になっている」と、実際のクライアントワークならではの学びについて語りました。
一方、駅伝部の学生からは、「自分たちの想いを汲み取ってもらえたことに感動した」「ロゴが形になることで、より一層頑張らなければという気持ちになった」といった感想が寄せられました。また、「外部からどう見られるか、自分たちのチームを再定義する良い機会になった」「これから歴史を作っていくチームだからこそ、ロゴとともに成長していきたい」と、ロゴ制作を通じてチームの在り方を見つめ直す機会にもなっている様子がうかがえました。
今回の取り組みについて、小西准教授は「当初は私個人にロゴデザインの制作依頼がありましたが、他学群で活動する団体との協働はこれまで機会がなく、ぜひ取り組みたいと感じました。また、実際のクライアントと関わりながら制作を進める経験は、学生にとって非常に貴重な学びになると考え、ゼミ活動として実施することにしました」と振り返ります。
また、「クライアントワークの実体験はすべてが学びです。フィードバックを受けて修正を重ねたり、想定していなかった反応から他者の評価を知ったり、相手を納得させるプレゼンテーションを考えたりと、実際の依頼だからこそ経験できることがあります。学生たちは責任感を持って制作に向き合っており、そのことが作品の質の向上にもつながっていると感じています」と話しました。
さらに、「学生たちは『誰かのためにデザインする』というデザインの本質に直面し、ヒアリングの大切さや難しさ、非デザイナーとのコミュニケーションの難しさを経験しています。大変なことも多いと思いますが、それこそが社会と向き合うデザインの姿です。教育活動という環境の中でそうした経験ができることは非常に有益であり、真摯に向き合ってくれている駅伝部の皆さんにも感謝しています」と語りました。
今回の取り組みは、学生が実際の依頼を受け、対話を重ねながら制作を進めることで、実社会に近い形でデザインを学ぶ実践的な機会となっています。完成したロゴは、今後、桜美林大学駅伝部の象徴として長く活用されていく予定です。
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