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第8回漢詩創作発表大会 結果発表
2021年01月29日(金)
- 孔子学院からのお知らせ
応募総数 29首 皆さまご応募ありがとうございました。
厳正な審査の結果、見事入選された10首を発表致します。
審査員総評

審査委員長 佐藤 保 先生
桜美林大学孔子学院の漢詩創作発表大会は今年で8回を数え、学院の行事としてすっかり定着した感がありますが、今回は昨年来のコロナウイルス禍のために集会をやめて、書面による発表会にせざるを得なくなりました。しかし、残念なことばかりではありません。今年の参加者が初めて日中ほぼ同数(日本12名、中国10名)になったことです。作品数も、日本側は投稿者それぞれ1首の12首、中国側は投稿者10名中の7名までが2首以上を投稿しています。その結果、全体で29首の作品が集まり、賑やかな発表会になりました。日中両国の漢詩愛好家が一堂に会して語り合い、創作を楽しむという絶好の機会を、今後とも大事に育てていきたいと思います。
そのためには、幾つかの問題点について、事前に話し合って解決しておかなければなりません。たとえば、用字問題(簡体字・常用字問題)、訓読・意訳の問題等々、日中両国の人がどうすれば漢詩を通じて意思の疎通が可能となるかを、検討する時期に来ているよう、わたしには思われます。
植田 渥雄 先生
今回は中国人参加者が多く、レベルも昨年までより格段に上がっている。逆に日本人ではコロナ禍のためかベテランの参加が少なく、一部を除きレベル的にも見劣りがする。この傾向が続くとすれば大会の主旨にも影響するかもしれない。一考を要する。中国人参加者の多くは、作詩の主意、目的等が書き添えられていないので、審査上多少の困難があった。
汪 先恩 先生
蔓延のコロナ禍は社会の憂鬱を増悪しました。今回の漢詩作品から作者の喜怒哀楽を感じ、特に自然を愛し、人を愛し、生命を愛し、詩の言葉で社会に希望を持ってきました。桜美林大学孔子学院が主催する第八回漢詩創作発表大会は一堂にできないが、ネット形式での開催は素晴らしい快挙だと思います。
楊 光俊 先生
29首という多数の応募に恵まれたこと、初めての投稿形式の大会開催により、中国はもちろんのこと、国内でも西日本や沖縄からの応募者もあったことを嬉しく存じます。漢詩の内容も多岐にわたり、世間を騒がせている時事もあれば、心の機微を語る詩もあり、人生の風景を描くものもあり、それぞれの想いが込められた素晴らしい作品にめぐり逢うことができました。
最優秀賞作品(1作品) 最優秀賞受賞者にはクオカード3万円分を進呈いたします。
暮秋偶感 江南瘴癘幾時休 日日行行不自由 三徑黃花朝露重 半林紅葉晚煙收 閉門只愛詩書樂 出野猶存山水幽 却好茅廬無客訪 老翁忘世事風流 江南の瘴癘 幾時か休まん 日々行々 自由ならず 三径の⻩花 朝露重く 半林の紅葉 晩煙収まる 門を閉ざし只だ愛す 詩書の楽しみ 野に出でて猶お存す 山水の幽なるを 却って好し 茅廬 客の訪う無きを 老翁 世を忘れ 風流を事とす 山梨県 髙山 一雄 |
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◆創作者より 秋の暮れ、コロナ禍の中、感じる思いを作品にしました。 可能な限り人との接触を避けることが求められています。 風雅な生活を送ることが、コロナ対策にもつながります。 七言律詩ですので対句を工夫しました。 |
優秀賞作品(3作品) 優秀賞受賞者にはクオカード1万円分を進呈いたします。
水调歌头 秋 客寄樱花岛,莫辨几春秋。 少年不再,恰似江水向东流。 知己闲来小聚,书画琴棋美酒,一醉解千愁。 玉手凝如雪,为我举金瓯。 夕阳近,心已老,霸气收。 百年弹指,荒漠尘土旧王侯。 静养乾坤正气,坐忘清风两袖,岁月任悠悠。 大道无终始,何喜又何忧? 埼玉県 醉呓 |
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◆創作者より 還暦の秋に作った詞です。 紅葉が風と共に舞い落ちている景色を眺めながら、人生短いという悲しい情感が湧き上がった。 一方、道家観点からみれば百年も一瞬過ぎない、欲がなければ人は悲喜に左右されないでしょう。 |
边城小居 居家最爱是边城,有水有山闲趣生。 疏雨浮烟看花落,斜阳返照听鸥鸣。 环湖观景庾尘远,坐地吟诗俗念轻。 如若故人来小聚,一壶一棹到三更。 中国 环湖 |
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首里城 昔日三官扶尚家 今朝多客見庭沙 紅泥獅子喉中蟻 白柱神龍尾下花 鳥畏王宮如赤鳳 ⼈歓城壁似⻑崖 暫留千古玉陵墓 再飲一杯香片茶 昔日 三官 尚家を扶け 今朝 多客 庭沙を見る 紅泥の獅子の喉中の蟻 白柱の神龍の尾下の花 鳥は畏まる 王宮 赤鳳の如し 人は歓ぶ 城壁 ⻑崖に似たり 暫く千古の玉陵墓に留まり 再び一杯の香片茶を飲む 沖縄県 ⻑嶺 勝磨 |
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◆創作者より 焼失前の首里城の美しい景観を詠んでいます。 まず三司官が尚氏王家を支えた王国時代と、多くの観光客が首里城を訪れる今を詠い、 中庭の景色や城の偉容を描写して、最後に玉陵に佇む人の姿を表現しました。 |
審査員特別賞作品(6作品) 審査員特別賞受賞者にはクオカード5千円分を進呈いたします。
北京烤鴨 肥鴨懸爐煙火芳 盤飧蜜色燎光煌 白葱葉餅包容美 嫩肉脆皮融化香 清淡骨湯侵口吻 醇醲濁酒潤枯腸 方知傳統珍羞膳 餐後膏梁滋味⻑ 肥鴨 懸炉 煙火芳し 盤飧 蜜色 燎光煌めく 白葱 葉餅 包容美し 嫩肉 脆皮 融化香ばし 清淡 骨湯 口吻侵り 醇醲 濁酒 枯腸潤す 方に知る 伝統 珍羞の膳 餐し後 膏梁 滋味の⻑きを 神奈川県 板本 健作 |
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◆創作者より 2012 年秋、北京を訪れた。北京で食べたい料理の筆頭は何と言っても北京ダック。 王府街 の北京烤鴨の老舗『全聚德烤鴨店』を訪れ、烤鴨のフルコースをいただいた。 その美味しさを七言律詩で詠んでみました。 |
镜湖秋望 影带流云雁字工,亭前举目意无穷。 苍⼭未老⻘衫客,碧⽔初怜⽩发翁。 觅得新词当把酒,听来故事莫跟风。 诸君且看湖边柳,各钓秋光各不同。 中国 太河居士 |
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鹧鸪天(雪) 莫问琼葩哪里来?瑶池阿母匠心裁。 云端仙叶频频落,尘世琼花朵朵开。 天织锦,地铺台,欲将楼阁雪中埋, 飘然且作江山客,跌落梅间韵染腮。 中国 恒慈 |
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浣溪沙-云 谁把蓝天当作家,借风随意种棉花。 空中信手乱涂鸦。 常在山头追日月,几回水里逐鱼虾。 万千变化最无邪。 中国 花雨声 |
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庚子偶感 烟雨横塘一叶舟,江风独冷对汀洲。 故人忽打心头过,回首山河已是秋。 中国 季风中的马 |
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七夕有感 牛女愁思不敢听,怕得无故惹离情。 我偕我影求神鹊,烦问伊今在哪城。 中国 凤铝视窗 |
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賞品の発送は 2月中旬頃を予定しております。日本国内に限ります。
たくさんのご応募を誠にありがとうございました。
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