2024年度の本学教員著作寄贈図書 | 桜美林大学図書館

2024年度の本学教員著作寄贈図書

柳宗悦とウィリアム・モリス : 工藝論にみる宗教観と自然観

柳宗悦とウィリアム・モリス : 工藝論にみる宗教観と自然観

著者名:島貫 悟
出版:東北大学出版会
請求記号:750.21/Y52/S

なぜ工藝は人間にとって重要なのか?近代の産業化の渦中でこの問いを正面から取り上げた柳宗悦とウィリアム・モリスの思想は、藝術論の枠にとどまらず、ルネサンス以降の人間観や自然観を根底から問い直すものでした。民藝運動とアーツ・アンド・クラフツ運動を支えたそうした両者の思想は、その背後にいかなる奥行きをもち、また、そこにはどのような共通性と差異があったのか。本書は、近年再評価の機運高まる両者の思想に、比較思想の観点からアプローチし、その関係について新しい理解を提示しようとする試みです。民藝が好きな人も、モリスのデザインが好きな人も、似て非なるそれら二つの文化の関係について深く考えたことのある人は少ないのではないでしょうか。表紙に配した柳とモリスの真剣なまなざしに心惹かれた方は、是非手に取って中を覗いてみてください。

女舞の伝統 : 日本舞踊成立史の研究

著者名:丸茂 美惠子
出版:桜美林大学出版会
請求記号:769.1/Ma55

本書は、芸能史学の一分野としての日本舞踊の成立について、従来の様々な問題点を解明したものである。第一部では舞の源流と由来を白拍子とする〈佐渡島系伝承〉の再検証に重点を置いている。第四章からは図像分析の方法を取り入れ、図像と身体の稽古事を結びつけた画期的な内容になっている。第二部は『舞曲扇林-日本舞踊 基本と本質-』(私家版、2011)を改訂して再録したもの。歌舞伎最古の理論書『舞曲扇林』を取り上げ、著者河原崎権之助の出自と経歴、〈佐渡島系伝承〉の真意、十六番小舞を含む文章化された身体表現について考察している。本書は全編を通して、日本舞踊の身体はどのように生まれてきたのかを探り、歌舞伎とは異なる日本舞踊の独自性を論じている。著者、渾身の書である。口絵には女舞図、末尾には資料「近世初期舞踊図像一覧」を付してあるので、舞踊のみならず絵画にも興味のある方は、ぜひ手に取ってご覧ください。

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