「日本のサイエンス・フィクションのアニメやマンガにおいて、未来のヴィジョンは過去のものであるのか」
第二次世界大戦以降、日本のポピュラーカルチャーは未来の予見的なヴィジョンを物語の中で提示してきた。その物語は、技術の革新と技術進歩に伴う倫理的な副次的効果の考察の両方に影響を与えてきた。しかしながら、日本のSFにおける近年の傾向は、あり得る未来を構想し、探究することから離れている。1950年代から1990年代の戦後日本のSFは、しばしば幅広い哲学的な諸問題と関わり合い、示唆に富んだクィア的な要素を含んでいた。しかし、1990年代や2000年代の「セカイ系」や「空気系」のジャンルは、その未来的な設定にも関わらず、異性愛主義的ロマンスによる個人の救済についての小さなストーリーに集中していた。現在ではビデオ・ゲームからその構造を得ている物語が支配的な傾向にあり、そこでは未来のヴィジョンがリセット可能な円環(ループ)のなかで構造化されている。本発表は、『All You Need is Kill』『進撃の巨人』『GANTZ』そして『スカイ・クロラ』などの近年の作品を、それらが提示している私たちの現在的な不安や未来への希望(の欠如)に関するメッセージの観点から考察する。
日時 | 2015年12月7日(月)16:10~17:40 |
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場所 | 町田キャンパス 崇貞館6階 H会議室 |
講師 | シャラリン・オルバー(ブリティッシュ・コロンビア大学アジア研究学部教授) |
言語 | 英語(通訳なし)、質疑応答は日本語可 |
略歴:シャラリン・オルバー
ブリティッシュ・コロンビア大学アジア研究学部教授。専門は近代日本文学、ポピュラーカルチャー研究。主な著作にPropaganda Performed: Kamishibai in Japan’s Fifteen Year War (2015)、 “Cult Film as Affective Technology in Oshii Mamoru’s Innocence” (2015)、 “Emotional Infectivity: The Japanese Cyborg and the Limits of the Human” (2008)、 “Future City Tokyo: 1909 and 2009” (2011)がある。
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