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卒業生教員研究交流会を開催 〜子どもの言葉で問いを創る授業~

2023/08/03(木)

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本学の資格・教職センターでは、卒業生教員が互いに現場の課題を共有して検討・研究する場として「桜美林大学卒業生教員研究交流会」を2014年度から実施しています。卒業生教員だけでなく、教員を志す在学生との交流・研究の場を設けることで、教員としてのさらなる向上、在学生にとっては教職への理解を深める機会となることを期待しています。昨年度に続き、今年度も対面とオンラインのハイブリッド形式での開催となり、25人の卒業生教員と5人の在学生、そして本学の教員5人の合計35人が参加しました。

第10回となる今回は、立正大学心理学部臨床心理学科教授の鹿嶋真弓先生を講師に迎え、「子どもの言葉で問いを創る授業」をテーマにワークショップを行いました。

講師を務めた鹿嶋真弓氏

今回は「子どもの言葉で問いを創る授業」をテーマに鹿嶋先生の講演をお聞きし、グループに分かれてワークショップを行いました。その手法は、先生がゴールを定める授業ではなく、「どうして?これは何?知りたい!」という子どもの疑問や興味を大切に、自ら考え、創造的に学ぶ力を育むものです。先生が「不思議の種」と呼ばれる授業で扱うテーマを提示し、それに対して子どもたちが疑問に思ったことを付箋に書き出します。それらを見比べ、その授業のゴールとなる「解決したい問い」をみんなで決めてから、授業に入ります。
今回のワークショップでは、参加者が自身の担当する教科を題材に、実際に授業で取り扱いたい問いが出てくるような「不思議の種」を設定することに挑戦しました。同じグループの人が生徒になったつもりで「不思議の種」に対する問いを考えます。この手法は、子どもたちから出てくる問いが、授業で取り扱いたいテーマになるように「不思議の種」で仕向けることがポイントです。子ども役の先生から意図せぬ問いが出てきてしまったりと苦戦しながらも、他の教科の先生方とコミュニケーションをとることで学びを深めました。

■卒業生のコメント
「色んな教科の先生と話し合えて嬉しかったです」
「学生時代に問いを創る授業のやり方は学んだ気になっていたが、実際の現場で使う難しさを痛感し参加した。教員になってから参加すると、大学生の頃よりも、現場を想像したり、生徒たちを考えながら取り組むことができていい時間になった。無気力な生徒が実際にいるので、その生徒のためにも頑張ってこの授業ができるようになりたい!」
「私は初任でまだ授業をすることに精一杯ですが、教員もトライアンドエラーが大切だと仰っていたので今回の学びを実践してみようと思いました」
「教師自ら発問をしないという授業法は私の中ではない発想でした。特に社会科では教員が話しすぎることが多く、子どもの発問力に影響を与えてしまうことも考えられますので、今後取り入れていきたいと思います」
「不思議の種をどこに置くべきなのかを考えることがあまりなかったため、反省をした。解決させたい問いの置き方を改めて考えるきっかけになったのでいい研修会だった」
「実際に理科の授業をし始め、次の授業で取り扱う分野に対して議論を行うことができた。様々な意見を交換することで、授業のブラッシュアップができたように感じる」
「主体的な学びヒントをいただくことができた。また、実際に不思議の種を考えたことで、言葉の大切さにも気付かされました。2学期からの授業に活かしていきたいと思います」
「生徒の会話の中から生まれる問いをもとにすると、生徒が本当の意味で主体的に取り組める授業が実現できるのかなというように感じました」
「遠方に住んでいるのでなかなか母校へ関わりに戻ってくることが難しいですが、やはり1人で学ぶよりもみんなで学んだ方が楽しいしためになると思いました。ぜひまた参加したいと思います」

■在学生のコメント
「教員採用試験の二次試験の直前だったため、事前に模擬授業の内容について改善できるきっかけ作りになっただけでなく、今後の授業にも活かせそうなことが多かったと感じた」
「言葉の使い方について考えているつもりで、まだまだ足りていないと実感しました。実際に学校で教えている先輩方のお話を聞くことができ、とても刺激になりモチベーションにもつながる機会になりました」
「今後の模擬授業や学習指導案を作成するために重要な視点や内容を知ることができた。これまでの模擬授業や指導案作成の際には教科書に沿った内容で行なっており、主体性を身につけることが難しい内容になっていた。しかし、今回の講演を通して「不思議の種」を考えてもらうことや生徒に対して疑問ではなく「〇〇んだよー」という肯定的な文を投げかけることで、生徒たちの思考の範囲を広くすることができることを知った。このような視点を意識して、今後の学習の改善に役立てていきたいと考えると共に自分が教育者になるということの意識をさらに高めることができた」

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