アメリカンフットボール部 豊田 健人
個人の実力と人間性がなければ、大学では通用しない
アメリカンフットボール部 ワイドレシーバー
豊田 健人 リベラルアーツ学群 2年
東京都 佼成学園高等学校出身

小柄な自分でもアメフトなら活躍できる
進路に悩んでいた中学3年生の夏、たまたま友人に誘われてアメフトの試合を観に行き、競技の世界に引き込まれました。圧倒的なスピード、観客の盛り上がり、そして何より、体格の大きな人も小柄な人も平等に試合に出ている。私はそれまで9年間野球に打ち込んできましたが、成長期が遅かったこともありレベルの面でも体格の面でも続ける自信を失っていました。「アメフトなら、自分に合ったポジションが見つかるかもしれない」。それが魅力となり、高校は佼成学園のアメフト部へと進みました。
私が入部したときの佼成学園はまだ日本一に輝く前でしたが、今や日本トップの名門校。最初は練習にすら参加させてもらえない厳しさでしたが、1年経った頃から試合に出られるようになり、初心者でもがんばれば結果が出る競技だと実感しました。3年連続日本一に輝き、トップレベルの環境で練習を積んだ自信とともに桜美林大学のアメフト部へ。ところがそこで待っていたのは、高校と大学の間にある大きなレベルの差でした。
高校日本一という肩書きなんて、意味がなかった
佼成学園から桜美林大学のアメフト部に進む人は少なく、他のメンバーはすでに大学日本一の実績を持つ関西学院大学や日本大学へ進みました。桜美林大学のアメフト部は、それらの大学に比べればまだランクが下。正直に言うと、ここなら自分でも思い通りにプレーできるだろうと思っていました。だけど実際に練習で先輩とマンツーマンで戦ってみると、自信のあるポジションにもかかわらずまったく勝てない。自分の攻撃はすべて止められ、「大学とはこういうところなのか」と思い知らされたのです。
結局それまでの自分は、周りが強かったから自信を持っていられただけでした。だけど桜美林大学は、アメフト初心者の先輩でも試合で立派に活躍している。それはその人個人が、“アスリート”としての確かな力を持っているからです。大切なのは、「高校日本一」という肩書きだけで過信するのではなく、自分で結果を出して自信につなげていくこと。入部早々に得たこの気づきは、今も練習に取り組む際の大きなモチベーションになっています。
人間性を高めることで、個人もチームも成長する
桜美林大学のアメフト部で特徴的なのは、頼りがいのある優しい先輩が多いところです。体が大きく顔のこわい人たちばかりですが、分からないことも丁寧に教えてくれます。例えば練習に必要な持ち物を教えてくれると言った些細な気遣いも、高校の部活ではなかったこと。当時は「上下関係が厳しいから」という言葉でごまかしていましたが、言い方を変えればそれは冷たさや面倒見の悪さでもあります。チームメイトに優しくする、相手の意見を尊重するといった桜美林大学らしさは、アスリートとしての人間性も育んでくれると感じています。
将来は、日本代表の選手たちにも負けないくらいプレーと人間性を磨き、応援してくださっている方々に少しでも恩返しがしたいです。そのためにも今は、自分が4年生になったときチームを引っ張れるよう、しっかりと経験を積んでいきたいと考えています。思い返せば、中3のときに初めて観たアメフトの選手たちは、プレーはもちろんチームワークが光っていました。私も後輩たちから、「この中でプレーがしたい」と思ってもらえるチームをつくり上げていきたいです。