『群読音楽劇 銀河鉄道の夜』台南で公演

2017/04/10(月)

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2007年から毎夏の風物詩として本学「PFCプルヌスホール」で公演されてきた市民参加企画『群読音楽劇 銀河鉄道の夜』が10年目を迎え、初めて海外に進出。3月24~26日まで台南で公演を行いました。

きっかけは2年前、PFCでの公演を見た国立台南大学の許端芳助教授が、「これを台湾の学生と市民と一緒に創りたい」と感動したことで、彼女が台南市政府文化局に働きかけて公演の実施に至りました。

井上大輔さん(右)

日本からの参加者は、脚本・演出の能祖將夫教授(芸術文化学群)、照明の金英秀准教授(同学群)、演劇専修の卒業生でもあり、初演から出演し続けているダンサー・振付の井上大輔さん、舞台美術の濱崎賢二さんの4人。昨年12月に現地で行われたオーディションには、台南大学の学生約30人と台湾全土や香港からもやってきた市民やセミプロの俳優約70人が参加。その結果、13~58才までの23人が選ばれました。

稽古は、3月16~23日までの8日間。朝から晩まで短期集中で行われ、24~26日まで「台南文化中心原生劇場」での本番(計4ステージ)に挑みました。計880席のチケットは早々に完売し、日本と同じく中心に水を張った舞台や、その周りを取り囲む特設客席、20余りの楽器が生演奏で聞かせる劇中曲が斬新だと評価されました。

(左から)能祖先生と許先生

台湾公演での使用言語は、当然「中国語」です。台湾の俳優が演じるジョバンニやカムパネルラ、ザネリはどんなものだったのでしょうか。能祖教授は、こう語りました。 「中国語は分からないのですが、分からないからこそ感情がダイレクトに伝わってくるおもしろさがありました。ジョバンニの孤独やカムパネルラの悲しさが言葉の意味を越えて伝わってくるのです。それと言葉が音楽に聞こえてくるのですね。群読音楽劇の音楽の一つに言葉がある感覚です。宮沢賢治は台湾でも人気だそうですが、もちろん日本ほどポピュラーではありません。さらに『銀河鉄道の夜』は日本語で読んでもよく分からないところがあります。正直、伝わるのだろうか?という心配もありましたが、結果、大きな拍手をいただきました。私たちが無我夢中で創った、その夢の感覚が作品の内容と重なって、お客さまに届いたのだと思います」。

この舞台は、「人の縁」が繋がって実現したものです。桜美林大学と台南大学ではこれを契機に、今後も連携を深めていく予定です。

なお、この公演の様子は、台湾の国営通信社である「中央通信社」のウェブサイトにも取り上げられています。

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