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開講年度 2012年度
開講学期 2012年度 秋学期
授業コード 29611
科目 数学概論
教員氏名 芳沢 光雄
授業種別 週間授業
授業概要 数学を大きく分けると、整数や方程式を研究する代数学、時間的な変化をとらえる解析学、図形的な性質を研究する幾何学のほか、確率論、統計学、離散数学などがある。本講義ではそれらの考え方の理解を目標とするが、リベラルアーツ学群における「数学概論」であること、さらに高校数学(主に1、2年の内容)の復習授業であることを留意して進める。とくに、デジタル化の社会に呼応するかのように、世界的に整数や離散数学の学習を強化していることにも配慮するが、一方で、高校数学をほとんど学んでいない学生でも、多項式の微分積分程度を少しの授業時間で理解させる要望にも配慮して授業を行う。
 
到達目標 高校数学の考え方や応用をしっかり身に付けること。
授業計画 1回(代数学の考え方):整数。最初に「鳩の巣原理」を学ぶ。次に、素数の意義を説明する。最後に、整数を整数で割った結果が整数になる「整数条件」は、いかに強力であるかをいくつかの例を用いて学ぶ。
2回(代数学の考え方):方程式。最初に、中学生の頃に学習した連立方程式などを復習する。次に、整数の不定方程式を、楽しい実用例を用いて学ぶ。
3回(代数学の考え方):簡単な線形計画法。平面における直線と領域を復習し、その応用として簡単な線形計画法を学ぶ。線形計画法は、コストを最小にする仕入れ方法や、利益を最大にする商品の生産などに用いるものである。
4回(解析学の考え方):2次関数。物体の落下や制動距離の話題を交えて、2次関数を復習する。そして、平均変化率の話から微分の概念を簡単に説明する。
5回(解析学の考え方):対数。対数は大きな数を扱う道具として大切なものであり、その発見によって天文学は飛躍的に発展した。対数の基礎的事項をまとめた後に、応用例を紹介する。
6回(解析学の考え方):数列。最初に、数列に関するいくつかの公式を、証明を与えながら復習する。次に、等差数列の和および等比数列の和の応用を学ぶ。
7回(幾何学の考え方):円。中学校から学んできた円の基本的な性質を復習し、座標平面上の円の方程式などを学ぶ。さらに、円周率の評価法も解説する予定である。
8回(幾何学の考え方):三角比。最初に中学校での相似、高校での三角比を復習し、それらの応用としていろいろな測定法を学ぶ。次に、一般角の三角関数を導入する。
9回(幾何学の考え方):2次曲線。放物線、楕円、双曲線などの2次曲線を定義から学ぶ。円錐の切断面にそれらが現れることも学ぶ予定である。
10回(離散数学の考え方):数えること。最初に順列・組合せを復習する。次に、離散数学の原点である重複することなく一つずつ数えることを学ぶ。さらに、離散数学の強力な手法である2通りに数えることを学ぶ。
11回(確率論の考え方):確率に関する言葉。確率の基礎的用語を復習し、次に「条件付き確率」および「過去を見る確率」について、いくつかの例を用いて説明する。
12回(統計学の考え方):統計に関する言葉、とくに有意水準の考え方を学ぶ。
13回(微分の考え方):微分の概念と計算。微分の概念を学ぶ。さらに多項式の微分を演習問題形式で学ぶ。
14回(積分の考え方):積分の概念と計算。積分の概念を学ぶ。さらに多項式の積分を演習問題形式で学ぶ。
15回 (微分積分学の基本定理):微分積分学の基本定理を学び、それの応用問題を演習形式で学ぶ。 
授業時間外学習 図書館等で、幅広い数学書を積極的に学ぶことを期待する。
テキスト 「新体系・高校数学の教科書」(上・下)(講談社ブルーバックス) 
参考書 「中学校数学教科書」1年用、2年用、3年用。
「高校数学教科書」数学I、II、III、A、B、C。
評価基準 成績は、授業への積極性(2割)、課題への取り組み方(2割)、基本的な記述式小テストの成績(6割)などを勘案しながら、総合的に評価する。一応の目途として、Aは総合点が90以上、Bは総合点が80以上、Cは総合点が70以上、Dは総合点が60以上とするが、学習意欲も積極的に評価したい。とくに、授業を聞かないでお喋りをしたり、授業を聞かないで別のことをしている者に対しては、厳しく対応する。
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最終更新日 2012/08/13