開講年度 | 2012年度 |
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開講学期 | 2012年度 秋学期 |
授業コード | 29451 |
科目 | 世界史概論 |
教員氏名 | 中條 献 |
授業種別 | 週間授業 |
授業概要 | この講義では、「歴史学」という学問分野について、いくつかの角度から理論的検討を加える。「世界史概論」という講義名から、中学・高校で行われるような「歴史」の概説的講義を想像するかもしれないが、それとは全く異なるものである。具体的にいうと、過去200年ほどにわたって、「歴史学」という学問がどのように形成され変化してきたかを、様々な歴史観を考察することによって検討する。本講義でとりあげる「(近代)歴史学」はヨーロッパを中心に生まれてきたが、その背景や基盤にある大きな枠組みや考え方、影響のあった諸理論を、まずは取り上げる。つまり、本講義は「歴史学」の歴史を考える場であり、こうした「歴史学」が生み出した実際の歴史像についても検討する。講義の最後では、「歴史学」に対する批判として、最近よく論じられている「構築主義」を手がかりに、「歴史」概念の再検討について触れてみたい。 上記の講義内容はいずれも、「いつ、どこで、だれが、何をした」といった「事実」あるいは「知識」の提供と、それらを暗記することを目的としたものでは、全くない。「歴史」には、必ずその背後に、それを語る何らかの視点があるということ、その視点にはいかなるものがあるかということ。これらの点について、講義を通して確認していきたい。受講者が従来の意味で(たとえば「暗記科目は苦手です」、「中学・高校のときから、歴史は苦手でした」、etc.)歴史を「得意」としているか否かは(たとえば、「私は戦国時代が好きで得意なので、授業で扱ってください」、etc.)、この講義を履修するにあたって、とりあえずは関係ないと思われる。 |
到達目標 | 歴史学の諸理論について、それらの大枠を学び、細かい事実よりも大きな歴史的流れをみる視点を養う。 |
授業計画 | 第1回 イントロダクション 第2回 「歴史学」とは何か 第3回 歴史/時間/因果関係 第4回 「近代」と資本主義 第5回 「近代」の思想と特徴 第6回 歴史学と「近代」の思想 第7回 マルクスと史的唯物論 (1) 第8回 マルクスと史的唯物論 (2) 第9回 マルクスと史的唯物論 (3) 第10回 マルクスと史的唯物論 (4) 第11回 ロストウと近代化論 (1) 第12回 ロストウと近代化論 (2) 第13回 近代の歴史理論とその特徴 (1) 第14回 近代の歴史理論とその特徴 (2) 第15回 前半部のまとめ 第16回 「コロンブス」の歴史的意味 第17回 「大西洋世界」の形成から「世界史」へ 第18回 誰の視点から「歴史」を見るか 第19回 従属論 (1) 第20回 従属論 (2) 第21回 世界システム論 (1) 第23回 世界システム論 (2) 第24回 世界システム論 (3) 第25回 世界システム論 (4) 第26回 近代国家と「歴史学」 (1) 第27回 近代国家と「歴史学」 (2) 第28回 再び—「歴史(学)」とは何か— 第29回 全体のまとめ (1) 第30回 全体のまとめ (2) |
授業時間外学習 | 授業時に配布するプリントにおいて、適宜、参考文献を提示する。いずれも図書館等で参照可能な資料文献なので、授業後の復習、試験の準備を行うにあたり、役立ててほしい。 |
テキスト | 特になし。毎回の授業時にプリントを配布する。 |
参考書 | 授業時に配布するプリントで指示する。 |
評価基準 | 中間試験40% 期末試験40% 授業中の課題 20% (試験は、いずれも論述試験) |
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最終更新日 | 2012/09/10 |