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開講年度 2012年度
開講学期 2012年度 秋学期
授業コード 29231
科目 日本の民俗
教員氏名 鈴木 通大
授業種別 週間授業
授業概要 本授業では、最初に日本民俗学の研究目的・方法、民俗学史、民俗学の成果を概説し、各地域社会の具体的な民俗事例を通して、日本民俗文化の特質を講義形式で解説していく。たとえば、身近な日常生活にみられるような、正月になぜ餅をたべるのか、節分にはなぜ豆を撒くのか、道祖神はどんな神様か、妖怪やお化けはどのようなものか、人が生まれて死ぬまでの間、なぜさまざまな儀礼が行われるのか、むかしの農村・漁村の仕事はどのようなものだったのか、むかしの洗濯・化粧・入浴などはどのようにしていたのか、というような疑問を解明していく。
また同時に、日本民俗学を創設した柳田國男をはじめ、折口信夫、澁澤敬三、南方熊楠、宮本常一などの民俗学者のエピソードや研究成果を紹介する。さらに、大学周辺地域になる町田市域の民俗についても触れる。
到達目標 グローバル化社会の中、日本の伝統文化を正しく理解し、自らの考えを踏まえて、民俗文化の重要性を発信することができる。具体的には、(1)民俗学の一般的な理論を身につけることによって民俗文化の意義を指摘できる、(2)各地の民俗事象を知ることによって、身近な民俗文化を具体的に説明できる、(3)民俗文化を理解することによって、日常生活の中に生かすことができる、(4)ふだん気が付かなかった庶民文化の重要性を知ることができる、などである。
授業計画 第1回(9月20日)  民俗学とは何か?~その対象・方法・課題について
第2回(9月27日)  民俗調査論(民俗採集)について
第3回(10月4日)  比較論的研究法と民俗誌的研究法について
第4回(10月11日) 日本民俗学史について
第5回(10月18日) 柳田國男をめぐる折口信夫・澁澤敬三・南方熊楠について
第6回(10月25日) 常民論、ハレ・ケ・ケガレ論について
第7回(11月8日)  農村・漁村・山村の衣・食・重生活について~神奈川県域を中心に~
第8回(11月15日) ムラの機能と構造について~川崎市域を中心に~
第9回(11月22日) 農耕と年中行事の持続と変化について~東京都世田谷区域を中心に~
第10回(11月29日)人の一生(通貨儀礼)の持続と変化について~大和市域を中心に
第11回(12月6日) 祭りと信仰の持続と変化について~大磯町域を中心に~
第12回(12日13日)つき合いと贈答慣行について
第13回(12月20日)妖怪研究の原点について~井上圓了・柳田國男から水木しげるまで~
第14回(1月10日) おじいちゃん・おばあちゃんから何を学んだか?~生活の知恵~
第15回(1月17日) 今後の民俗学~まとめに代えて~
授業時間外学習 ・民俗学のある程度基礎知識を前提として授業を進めるので、民俗学の概論をについてあらかじめ理解しておくことがのぞましい。
・参考書や配布資料を活用し、体系的に把握することに務めること。
・なるべく関連図書を事前・事後学習として読むこと。
・祖父母や老人から、むかしの話しを訊くことこと。
テキスト ・谷口 貢 松崎憲三編著 『民俗学講義-生活文化へのアプローチ-』
その他、授業時に適宜指示する。
参考書 ・新谷 尚紀編著 『民俗学がわかる事典』 日本実業出版
・新谷 尚紀著 『民俗学とは-柳田・折口・渋沢に学び直す-』 吉川弘文館
・福田アジオ・古家信平他編 『図説 日本民俗学』 吉川弘文館
・倉石 忠彦編 『日本民俗学の形成と展開』 岩田書院
・柳田 國男著 『木綿以前の事』 岩波文庫(岩波書店)
その他、授業時に適宜紹介する。
評価基準 期末試験(60%)、小レポート(20%)、授業態度(20%)による総合点での評価。
 A:特に優秀な成績(90点以上)
 B:すぐれた成績(80点~89点)
 C:一応その科目の要求を満たす成績(65点以上79点)
 D:合格と認められる最低の成績(60点以上64点)
 F:不合格(59点以下)
※欠席時間数が授業時間数の3分の1を超えた場合は、試験を受けられません。
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最終更新日 2012/03/17