開講年度 | 2012年度 |
---|---|
開講学期 | 2012年度 秋学期 |
授業コード | 26273 |
科目 | 中等数学科教育法IV |
教員氏名 | 芳沢 光雄 |
授業種別 | 週間授業 |
授業概要 | 様々な分野の問題解決を目的としたG.ポリアの発見的教授法の視点から、中学生や高校生に対する数学の指導法を考察する。アルゴリズム化していない数学の問題を解くとき無意識に用いるストラテジーがいくつかあり、本講義では13個に分類したものを第3回から第15回に渡って紹介する。第2回で述べる「問題解決4つのステップ」は様々な分野の問題解決の方法を統括したものである。 |
到達目標 | まず、生徒に数学の問題を解決させる状況を念頭に置いて、第2回で述べる「問題解決4つのステップ」を無意識に用いられるようにする指導法を学ぶ。第3回から第15回の各項目に挙げたストラテジーについては、数学の教科書における題材ばかりでなく、日常の話題やビジネスから大学入試問題に至る広範な領域も含めて、それぞれの用法を学ぶ。 |
授業計画 | 第1回:発見的教授法とストラテジー 第2回:問題解決4つのステップ(問題の理解、計画を立てること、計画の実行、振り返ってみること) 第3回:帰納的な発想を用いる(漸化式などの学び) 第4回:定義に帰る(三角関数のラジアンや代数の群の公理などの学び) 第5回:背理法を用いる(有限数学にとって背理法は本質か) 第6回: 条件を使いこなしているか(見えない条件を生みだす努力) 第7回:図を描いて考える(図を描いて考えるときの4つの型) 第8回:逆向きに考える(問題解決の目標と天下り式教授法) 第9回: 一般化して考える(数学の歴史的な発展と一般化) 第10回:特殊化して考える (問題の形式と特殊化による解法) 第11回:類推する(一般化あっての類推) 第12回:兆候から見通す(統計的データの見方) 第13回: 効果的な記号を使う(記号論) 第14回:対称性を利用する(抽象的な対称性の利用) 第15回:見直しの勧め(誤りを見抜くための様々な方法) |
授業時間外学習 | 図書館等を利用して、数学教育問題について自ら積極的に学んでもらいたい。 |
テキスト | 高等学校学習指要領解説(数学科、文部科学省) 中学校学習指導要領解説(数学科、文部科学省) 「いかにして問題をとくか」(G.ポリア著、丸善出版) 「いかにして問題をとくか実践活用編」(芳沢光雄著、丸善出版) 「高校数学による発見的問題解決法」(塚原成夫著、東洋館出版) |
参考書 | 高等学校 数学活用、数学I、数学II、数学III、数学A、数学B、教科書(文部科学省検定済教科書) (新課程の教科書で発行されていないものは、対応する旧教科書を使用) 中学校 数学1年用、2年用、3年用教科書(文部科学省検定済教科書) 「算数・数学が得意になる本」(つまずきの解説書)(芳沢光雄著、講談社現代新書) 「算数・数学つまずきの分類」(芳沢光雄著、日本数学教育学会誌、88巻第3号、2006年) 「新体系・高校数学の教科書(上・下)」(芳沢光雄著、講談社ブルーバックス) 「新体系・中学数学の教科書(上・下)」(芳沢光雄著、講談社ブルーバックス) 「初等科数学科教育学序説」(杉山吉茂著、東洋館出版) 「中等科数学科教育学序説」(杉山吉茂著、東洋館出版) |
評価基準 | 成績は、授業への積極性(3割)、課題への取り組み方(2割)、指導案作成と模擬授業(5割)などを勘案しながら、総合的に評価する。一応の目途として、Aは総合点が90以上、Bは総合点が80以上、Cは総合点が70以上、Dは総合点が60以上とする。学習意欲をなるべく評価したい。 |
URL | |
最終更新日 | 2012/08/13 |