開講年度 | 2012年度 |
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開講学期 | 2012年度 秋学期 |
授業コード | 24682 |
科目 | 環境倫理学 |
教員氏名 | 中島 吉弘 |
授業種別 | 週間授業 |
授業概要 | 環境倫理学は、これまで不問に付されてきた自然物の権利や動物の権利、環境正義、土地倫理、世代間倫理、科学技術批判などの観点から、多様な環境問題の解決に向けて実効性ある実践原理を考察し提案しようとするものである。この環境倫理学は公害問題や地球環境問題のインパクトを受け止めるなかで、それらに誠実に応答しようとする倫理学の革新運動として確立された。 講義では、人間と自然との共生を探求する立場から、福島原発事故に象徴されるハイリスク、ハイコストな現代の科学技術文明を乗り越えるための新しい環境倫理学の取り組みについて考察する。 |
到達目標 | ・環境倫理学とはどのような知の営みであるのかをしっかりと理解できる。 ・環境倫理学のテーマや論点が現代社会の環境問題の中に生き生きと読み取れるようになる。 ・環境倫理学の視点から、将来社会のあるべき姿がイメージできるようになる。 ・環境倫理学の知見を活用・応用して自分なりの意見をつくりあげ、それを他者に説得力ある形で論理的に伝えられるようになる。 |
授業計画 | シラバスの順序や内容は、若干、変更や調整が行われる場合がある。 1.ガイダンス(自己紹介、シラバス、成績評価の基準と方法、モラル・コードなどの説明) 今、なぜ環境倫理学なのか(導入講義) 2.地球環境問題と環境倫理学(1) 3.地球環境問題と環境倫理学(2) 4.土地倫理の諸問題(1) 5.土地倫理の諸問題(2) ●レポート(1)の提出 6.動物の権利と解放(1) 7.動物の権利と解放(2) 8.世代間倫理と正義の問題(1) 9.世代間倫理と正義の問題(2) 10.環境と共生 ●レポート(2)の提出 11.エコロジーと経済(1) 12.エコロジーと経済(2) 13.原子力文明の危険性(1)-福島原発事故から学ぶ 14.原子力文明の暴力性(2)-福島原発事故から学ぶ 15.原子力文明の自滅性と救済策(3)-福島原発事故から学ぶ ●学期末筆記試験の実施 + 授業評価アンケート |
授業時間外学習 | ・配布するハンドアウトや添付資料、紹介する文献等を中心にして、個々の環境倫理学説やキーワード、歴史上の事件等について、図書館やインターネットを利用して予習・復習する。 ・授業で取り上げた環境倫理学説に関連する著作群の中で読みやすそうなものを一冊選び(推奨テキストを含む)、それを秋学期中に一人ないしグループで最後まで読み通してみる。 ・カリキュラム外の読書会(哲学・思想古典読書会)その他にも参加してみることを推奨する(任意:単位認定や成績評価とは無関係であるが、環境倫理学の理解を深めることができる)。 |
テキスト | ・小坂国継『環境倫理学ノート−比較思想的考察』(ミネルヴァ書房、2003年、2,800円)をテキストとする。 ・授業時には別途、ハンドアウトを配布する予定。 ・テキストの購入は各人の判断に委ねる。 |
参考書 | ・桜美林大学国際学研究所編『東日本大震災と知の役割』勁草書房、2012年。 ・加藤尚武『環境倫理学のすすめ』丸善ライブラリー、1991年、640円。 ・加藤尚武『新・環境倫理学のすすめ』丸善ライブラリー、2005年、780円。 ・加藤尚武編『環境と倫理−自然と人間の共生を求めて』有斐閣アルマ、1998年、1,600円。 ・高木仁三郎『原子力神話からの解放』講談社+α文庫、762円。 ・高木仁三郎『いま自然をどうみるか』白水社、1990年.1700円。 ・河宮信郎『必然の選択ー地球環境と工業社会』海鳴社、1995年、2060円。 ・原田正純『豊かさと棄民たち』岩波書店、2007年、1100円。 ・石牟礼道子『新装版 苦海浄土』講談社文庫、2004年、700円。 ・山本義隆『福島の原発事故をめぐって』みすず書房、2011年、1000円。 ・田中三彦『原発はなぜ危険か』岩波新書、1990年、700円。 ・S・アレクシエービッチ『チェルノブイリの祈り』岩波書店、1998年、2000円。 ・吉岡斉『新版 原子力の社会史』朝日新聞出版、2011年、1900円。 ・石橋克彦編『原発を終わらせる』岩波新書、2011年、800円。 ・広瀬隆・明石昇二郎『原発の闇を暴く』集英社新書、2011年、760円。 ・安富歩『原発危機と「東大話法」』明石書店、2012年、1600円。 ・広瀬隆『第二のフクシマ、日本滅亡』朝日新書、。2012年、820円。 ・その他の参考書については、授業の中で適宜提示する。 |
評価基準 | Ⅰ 成績判定基準(『履修ガイド』参照) A Excellent:特に優秀な成績(90−100点) B Good:すぐれた成績(80−89点) C Fair:一応その科目の要求を満たす成績(70−79点) D Minimal Pass: 合格と認められる最低の成績(60−69点) F Failure:不合格(0−59点) Ⅱ 成績評価の手法 ⅰ 全授業日数の2/3以上の出席がなければ、単位の認定対象から除外する。 ⅱ 学期末筆記試験は定期試験期間に一切参照不可の条件の下で受験しなければならない。 ⅲ 2つのレポートはすべて提出しなければならない。 ⅳ レポート提出の遅れは2週間以内を限度とする。 ⅴ 2つのレポート(40%)、学期末筆記試験(30%)に、小テスト+リアクションペーパーを兼ねた出席票により確認される授業への参加状況(出席数、種々の提出課題への応答状況、講義内容の理解度や学習の意欲・姿勢・マナーなど 30%)の加点減点方式による評価点を加味して、成績評価を判定する。 ⅵ 欠席届の提出に際しては、所定の欠席届用紙に理由を具体的に書くこと。また、就職活動、忌引、病欠、クラブ活動等による欠席は、公欠扱いとはならない。ただし、最終評価の際に欠席事由を考慮する場合がある。 |
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最終更新日 | 2012/08/20 |