| 開講年度 | 2012年度 |
|---|---|
| 開講学期 | 2012年度 秋学期 |
| 授業コード | 23458 |
| 科目 | 対照言語学 |
| 教員氏名 | 大島 一 |
| 授業種別 | 週間授業 |
| 授業概要 | 対照言語学(対照分析)とは異なる言語を比較して各々の特性を明らかにする言語学的手法である。例えば日本語の「テイル」表現を考えてみると,受験合格発表の掲示板で自分の番号を確認した際に「受かった!」「受かって(い)る!」と両方言えるが,そうは言わず“受かった”という意味の表現でしか表さない言語がある。このことから,日本語では「受かった」「受かっている」を場面によって使い分けているとも言える(「受かった」「受かっている」,それぞれどのようなニュアンスがあり,どのような違いがあるのか,日本語話者は考えてみること)。 こうした言語的事実は,両形式を使い分けない言語を知ることにより初めて実感できることである。このようなアスペクト的表現の表現以外にも,興味深い言語現象に関して,授業では日本語(各地方言も含む)や英語,そして非印欧語族のハンガリー語などにおける例をもとに,通言語的に各言語間の相違・共通性を考える。 授業スタイルは基本的に講義だが,履修者には各自対象とする言語と日本語との比較・対照についてのレポートを提出,そして,授業後半ではそのレポートをもとに個別発表および全体討論を実施する(他にも数回ほど小レポートとして各言語における言語現象を調べてもらい発表してもらう)。この作業を通して,履修者はそれぞれ学習中もしくは関心のある外国語の理解を改めて深めてもらいたい。 |
| 到達目標 | 1)基礎的な一般言語学の知識とともに,研究手法の一つである「対照分析(対照言語学)」の概念・目的を知ることができる。 2)自身に興味のある(学習中の)言語における各文法現象の調査・分析作業を通して,改めて当該言語の文法を深く知ることができる。 3)上での調査結果を個別発表で発表することにより,自身の作業へのフィードバックはもとより,他履修生が発表する他言語での調査の結果を知ることで,複眼的および通言語的に言語現象の類型論的類似・相違を知ることができる。その作業は決して楽ではないが,このことは市販の語学書や通常の語学の授業では決して知り得ない知識である。 |
| 授業計画 | 第1・2回 9/26 授業に関しての導入など 第3・4回 10/3 比較言語学について:言語学の歴史 第5・6回 10/10 対照言語学について:その目的と意義 第7・8回 10/17 非印欧語族の紹介(ハンガリー語,日本語など) 第9・10回 10/24 対照研究の実例(1):受け身 第11・12回 10/31 対照研究の実例(2):形容詞 第13・14回 11/7 対照研究の実例(3):ゼロ形態素 第15・16回 11/14 対照研究の実例(4):アスペクト 第17・18回 11/21 日本語のアスペクト表現:動作持続と結果状態,その他 第19・20回 11/28 日本語の各地方言におけるアスペクト表現 第21・22回 12/5 個別発表および討論(1) 第23・24回 12/12 個別発表および討論(2) 第25・26回 12/19 個別発表および討論(3) 第27・28回 1/9 個別発表および討論(4) 第29・30回 1/16 総括,まとめ・確認 ※あくまで予定であるので,変更もあり得る。 |
| 授業時間外学習 | ・各言語における文法研究がメインであるので,履修者は自身の興味ある(勉強中の)言語の文法を(入門的な文法書で良いので)再確認しておくこと(それぞれの言語における基本的な文法用語をおさえておくこと)。 ・様々な言語での比較・対照が「対照言語学」の基本であるので,英語以外は興味が無いような態度は好ましくない。普段から英語以外の言語(日本語も含めて)にも興味を持つこと。 ・「比較・対照」する行為は「言語学」に限ったことではない。普段の生活において,我々はいつどこで「比較・対照」をしているのか,それを通して何が得られるのか,物事を複眼的に見つめる癖をつけておくこと。 |
| テキスト | 特になし。授業中に資料を配布します。 |
| 参考書 | 1) 対照言語学,アスペクトなどに関して ・井上優(2001)「現代日本語の「タ」—主文末の「タの意味についてー」つくば言語文化フォーラム編『「た」の言語学』ひつじ書房. ・生越直樹編(2002)『シリーズ言語科学4:対照言語学』東京大学出版会. ・中川正之・定延利之(2006)『シリーズ言語対照2:言語に現れる「世間」と「世界」』くろしお出版. 2) 各言語に関して ・三省堂『言語学大辞典』 ・白水社『言葉のしくみ』シリーズ ({http://www.hakusuisha.co.jp/language/shikumi.php}) 3) 言語学に関して読みやすいもの ・西江雅之(2012)『新「ことば」の課外授業』白水社. ・ヘレーネ・ウーリ(著),福井信子(訳)(1999)『金曜日のアンナ:不思議なことばの世界へ』大修館書店. ・アンナ・ヴェジビツカ(著),小原雅俊・石井哲士朗・阿部優子(訳)(2011) 『アンナ先生の言語学入門』東京外国語大学出版会. |
| 評価基準 | 1. 出席状況:10% 2. レポート:30% 3. 個別発表:10% 4. まとめ・確認:50% ※レポート提出および個別発表は単位認定にあたって必須条件 ※以上の総合結果から,90%以上をA,80%以上をB,70%以上をC,60%以上をDとして単位認定する (60%未満はFで不可) ※ただし,桜美林大学における「成績評価の適正化」に基づき,「A」「B」評価の上限をそれぞれ履修者全体の10%,30%とする。 ※出席が3分の2に満たない者は上記の基準とは関係なく,その時点で不可とする。 |
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| 最終更新日 | 2012/08/06 |