開講年度 | 2011年度 |
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開講学期 | 2011年度 秋学期 |
授業コード | 35019 |
科目 | 国際人権法 |
教員氏名 | 東 史彦 |
授業種別 | 週間授業 |
授業概要 | 「国際人権法」は、人権に関する条約や宣言、それを実施するための国際的・国内的な制度や手続の体系である。人権は、その重要性に異議を唱えられることは少ないが、実際には、経済的・政治的利益や、国家・集団の秩序、伝統的・歴史的価値観などが優先されて、人権の保障が不十分になっている場合が多い。人権は、第一義的には憲法によって保障されているが、憲法だけでは社会の制度や意識の変革を果たす上で必ずしも十分でないとき、国内社会に「人権」の価値と内容を伝える普遍的なルールとしての役割を果たすのが「国際人権法」である。本講義では、そうした外からの客観的基準に照らして国内社会のあり方を再考するための考え方の醸成を目指すため、海外のテキストを教材に、豊富な具体的事例に触れることにより、隠れた人権侵害をも見通し人権を実現するための想像力を養う。「国際人権法」は、人権に関する条約や宣言、それを実施するための国際的・国内的な制度や手続の体系である。人権は、その重要性に異議を唱えられることは少ないが、実際には、経済的・政治的利益や、国家・集団の秩序、伝統的・歴史的価値観などが優先されて、人権の保障が不十分になっている場合が多い。人権は、第一義的には憲法によって保障されているが、憲法だけでは社会の制度や意識の変革を果たす上で必ずしも十分でないとき、国内社会に「人権」の価値と内容を伝える普遍的なルールとしての役割を果たすのが「国際人権法」である。本講義では、そうした外からの客観的基準に照らして国内社会のあり方を再考するための考え方の醸成を目指すため、海外のテキストを教材に、豊富な具体的事例に触れることにより、隠れた人権侵害をも見通し人権を実現するための想像力を養う。 |
授業計画 | 1 総論 国際人権法の基礎的な事項について講義を通して確認を行う。 2 拷問の禁止 人間の尊厳と完全性、非人道的および品位を傷つける取扱い、拷問について事例研究を行う。 3 貧困からの自由 不公平の削減、持続可能な生活、資源へのアクセス、意思決定プロセスへの参加、人間らしい生活水準について事例研究を行う。 4 無差別 無差別についての権利、人種主義と排外主義、不寛容と偏見について事例研究を行う。 5 健康に対する権利 健康の社会的な意味合い、科学の進歩、健康に対する権利を評価する為の基準等について事例研究を行う。 6 女性の人権 女性の能力の向上等、性別の視点から人権について事例研究を行う。 7 法の支配と公正な裁判 民主主義社会における法の支配、法の支配の中核をなす公正な裁判と、その要素について事例研究を行う。 8 宗教の自由 思想、良心および宗教の自由、宗教的表明をする自由、信仰またはその変更の自由について事例研究を行う。 9 教育についての権利 教育の利用可能性と平等のアクセス、教育についての権利を通じた権利の強化について事例研究を行う。 10 子供の人権 子供の能力の向上と保護、子供の差別禁止、子供の最善の利益等について事例研究を行う。 11 武力紛争における人権 戦争に限界を設定する国際人道法と、その人権との関係について事例研究を行う。 12 労働の権利 労働の世界における人権、労働の権利と労働に関連する人権について事例研究を行う。 13 表現の自由とメディアの自由 表現の自由の内容とそれに対する脅威、民主的社会のための自由なメディアの役割について事例研究を行う。 14 民主主義に対する権利 民主主義の向上と人権侵害の関連性、人間の安全保障、異文化間的見地について事例研究を行う。 15 総括 |
テキスト | Wolfgang Benedek編、中坂恵美子・德川信治編訳、板倉美奈子・建石真公子・西片聡哉翻訳『ワークアウト国際人権法』東信堂、2010年 六法、および条約集 |
参考書 | 芹田健太郎・薬師寺公夫・坂本茂樹 『ブリッジブック 国際人権法』 信山社、2008年 |
評価基準 | 期末試験(70%)、授業態度(30%)による総合点での評価。 A: 特に優秀な成績 B: 優秀な成績 C: 一応その科目の要求を満たす成績 D: 合格と認められる最低の成績 F: 不合格 ※欠席時間数が授業時間数の3分の1を越えた場合は、試験を受けられません。 |
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備考 | |
最終更新日 | 2011/03/09 |