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開講年度 2011年度
開講学期 2011年度 秋学期
授業コード 32539
科目 大学理念研究
教員氏名 武村 秀雄
授業種別 隔週奇数
授業概要  日本の大学は1990年代後半以降、冬の時代を経験することとなる。当然ながら、教職員は大いなる危機感を募らせている。この危機を教育改革への機会、つまり追い風として捉え抜本的な変革作業を進めていることは朗報である。多くの教育機関で教育課程内容の見直しは着実に進んでいることも事実である。残念ながら、社会的評価を得るには更なる時間が必要となろう。
 この大学理念に関する講義及び研究は、専門科目への入門編と位置付け、高等教育・大学論を語るには「高等教育とは何か」「誰のための高等教育なのか」等の基本的概念を歴史的展開及び社会的変動などを通して考察し整理する必要がある。西欧・アジア諸国の『学問の府』としての大学教育を理念の面から総括的に比較・分析し、特にDecisive Issuesとして文化伝承の役割、教育と研究、国家機構における教育計画と管理運営等に焦点を絞り整理し、その上で日本の大学の理念的側面から整理を試みる。
*本講義科目の目的(到達目標)は今日の大学改革動向における位置付けを大学理念という見地から確認し、今後の専門分野科目における研究テーマ及び論文命題の設定の基礎的能力の構築にある。
*準備学習として学期を通して、資料(Moodle上掲載及び授業内配布)を読み込み、フォーラムに記述及び討議と通して命題を提示する。学期を通して、タームペーパーに取り組み、プレゼンテーションの準備をする。
授業計画 講義の内容 以下のようなトピックを考察する。
① 9/27
・オリエンテーション(目的確認、授業形態、課題、 評価等)
   ・大学はどうあるべきか:問題点と課題の討論・整理

② ③ 10/04
・目標・理念基礎資料(1〜4頁)
 ・ソクラテス(和文)、プラトン、アリストテレス(英文)教育論
 ・大学の起源・大学と学生の誕生(+ワークシート)
 ・Papal Bull
 課題:ヨーロッパの大学(1〜8頁)、二つのアカデミー(+ワークシート)、大学の理念(フンボルト理念+ワークシート)

④ ⑤. 10/18
 ・ヨーロッパの大学(1〜8頁)
 ・二つのアカデミー(近代科学の振興・伝統と科学の統合)、欧州のアカデミー他
 ・目標・理念基礎資料(5〜9頁)
 ・大学の理念(フンボルト大学論)〔参考文献2〕
 ・ヤスパースの大学の理念〔参考文献3〕
 課題:・ 目標・理念基礎資料(10〜19頁)、現代アメリカ高等教育論(+ワークシート)

⑥ ⑦. 11/01 
 ・目標・理念基礎資料(10〜19頁)
 ・国家と大学(日本)
 ・現代アメリカ高等教育論(+ワークシート)(ハッチンス&カー論争)(参考文献8)
  *タームペーパー中間報告
 課題:・ 目標・理念基礎資料(20〜28頁)、大学教育とは何か 
 
⑧ ⑨ 11/15
 ・目標・理念基礎資料(20〜28頁)
 ・大学教育とは何か(参考文献7)
 課題:・ 21世紀の大学像(10〜35頁)、ホワイトヘッドの理念(参考文献6)

⑩ ⑪ 11/29
 ・ホワイトヘッドの理念
 ・21世紀の大学像
 課題:・ 未来形の大学
    
⑫ ⑬ 12/13 
 ・憲法、教育法からみたミッション、目標、理念等の整理
 ・未来形の大学
 ・高等教育・大学教育の整理
 課題:・ プレゼンテーションの準備

⑭ ⑮  1/13
 ・予備時間 
 ・大学教育の理念の問題・課題の整理と総括 
 ・プレゼンテーション (大学理念に関する調査・研究について)
 (ターム・ペーパー提出締め切り:A41600字5〜10枚以内)
テキスト 特になし、補助教材は随時配布する.
桜美林Web上のMoodle上に掲載.
参考書 1) 島田雄次郎 1994, 『ヨーロッパの大学』玉川大学出版部.
2) 潮木守一 2004, 『世界の大学危機』中央公論.
3) カール・ヤスパース(福井一光訳) 1999, 『大学の理念』理想社.
4) H. G. ガダマー 1993, 『大学の理念』同上.
5) ジョセフ・ベン=デビッド 1982, 『学問の府 —原点としての英仏独米の大学』サイマル出版.
6) 寺﨑昌男 1999, 『大学教育の創造』東信堂.
7) 喜多村和之(編) 1990, 『大学教育とは何か』玉川大学出版部.
評価基準 履修者の評価:
*授業参加(出席率):10%
*Moodle上の参加・貢献 :Moodle上のフォーラム課題に対する討論・議論参加と貢献 度 20%
*授業時の参加・貢献:(20%)
*研究テーマのプレゼンテーション中間・学期末(20%)
*中間ペーパー及びターム・ペーパー(30%)

 A:90%以上 B:80% C:70% D:60% F:59%以下とする。
*個々の研究テーマにおけるプレゼンテーション及びターム・ペーパー作成はこの授業の必須条件である
URL
備考
最終更新日 2011/08/05