シラバス詳細情報

開講年度 2011年度
開講学期 2011年度 秋学期
授業コード 29783
科目 倫理学概論
教員氏名 中島 吉弘
授業種別 週間授業
授業概要  倫理学は、何が〈 善く 〉、何が〈 正しい 〉のかを徹底して考えぬく哲学の営みである。
 授業では指定テキストや参考書を手がかりにして、まず倫理学説史を概観し、次いで倫理学の諸理論に関する基礎知識を深めていく。その上で、現代社会が遭遇している具体的諸問題に取り組む新たな倫理学(例えば種々の応用倫理学や応答哲学、就中、社会倫理学・社会哲学)の姿について講義していく。
授業計画 ●シラバスは授業の進捗や必要に応じて、変更や調整・圧縮、入れ替え等が行われる場合がある。

1.受講ガイダンス(自己紹介、成績評価基準と評価方法、その他に関する履修前の確認事項)
   ・導入講義:リベラルアーツという学習スタイルと倫理の意味について

Ⅰ 倫理学説史のアウトライン
2.古代と中世の倫理
3.近代の倫理
4.現代の倫理

Ⅱ 倫理学の諸理論
5.義務論
6.功利主義
7.社会主義

●中間レポート(1)の提出

8.生の哲学
9.実存主義
10.メタ倫理学
11.討議倫理学
12.正義論
13.徳倫理学
14.ポストモダニズム

● 中間レポート(2)の提出

Ⅲ 倫理学の諸課題
15.世代間倫理と責任倫理
16.動物・自然物の権利と環境倫理
17.生命の始まりと終わり(医療技術の進歩と生命倫理)
18.福祉と優生思想(ケアの倫理と淘汰の思想)
19.科学技術と倫理(サイボーグ工学と神経倫理)
20.情報と倫理
21.経済活動とビジネス・経済倫理
22.戦争・平和と世界倫理

● 中間レポート(3)の提出

Ⅳ 国家の論理と市民社会の倫理・人権思想−社会倫理学・社会哲学への途
23.ハンセン病問題と功利主義批判(1)
24.ハンセン病問題と功利主義批判(2)
25.水俣病問題と生産力ナショナリズム批判(1)
26.水俣病問題と生産力ナショナリズム批判(2)
27.ワーキングプア問題と公正な社会(1)
28.ワーキングプア問題と公正な社会(2)
29.科学技術文明の暴力と福島原発ドミノ震災の意味(1)
30.科学技術文明の暴力と福島原発ドミノ震災の意味(2)

◆ 学期末筆記試験+授業評価アンケート
テキスト テキスト 小松光彦・樽井正義編『倫理学案内—理論と課題』慶應義塾大学出版会、2006年、3,000円。
参考書 ・笠松幸一・和田和行編『21世紀の倫理』八千代出版、2004年、2,800円。
・ジェームス・レイチェルズ『現実をみつめる道徳哲学−安楽死からフェミニズムまで』晃洋書房、2003年、2800円。
・小坂国継/岡部英男編『倫理学概説』ミネルヴァ書房、2005年、3000円。
・坂井昭宏・柏葉武秀編『現代倫理学』ナカニシヤ出版、2007年、2400円。
・川本隆史『現代倫理学の冒険』創文社、1995年、3605円。
評価基準 Ⅰ 成績判定基準
  A  Excellent:特に優秀な成績(90−100点)
  B  Good:すぐれた成績(80−89点)
  C  Fair:一応その科目の要求を満たす成績(70−79点)
  D  Minimal Pass: 合格と認められる最低の成績(60−69点)
  F  Failure:不合格(0−59点)

Ⅱ 成績評価の手法
 ⅰ 欠席回数が全授業回数の1/3を超えた履修者は失格とする。
 ⅱ 欠席届の提出に際しては、所定の欠席届用紙に理由を具体的に書くこと。
 ⅲ  以上から、出席日数が全授業回数の2/3以上を満たしている者を評価対象とし、3回の中間レポート(60%)、学期末筆記試験(30%)の成績評価の合計点から、出席票を兼ねたリアクションペーパー等により毎回確認される参加姿勢・マナーの評価(10%)を加味して、成績評価を最終的に判定する。 
 ⅳ 3回の中間レポートはすべて提出しなければならない。
 ⅴ 学期末筆記試験は受験し、答案を提出しなければならない。
 ⅵ 学期末筆記試験を受験しなかった者の追試験(再試験)は、理由の如何を問わず行わない。
 ⅶ 欠席する/欠席した場合は、欠席届用紙に理由を書ける範囲で具体的に書き、提出すること。
 
URL
備考 1.中間レポート(1)(2)(3)の課題内容、提出日時、分量、書式、方法については、事前に詳しく指示する。
2.学期末筆記試験については、別途、事前に予告する。
3.質問などがある場合には、オフィスアワーを利用するなり、メールで連絡するなりして、中島のオフィス(崇貞館B509)に訪ねてみること。
4.モラル・コードを遵守して大学生として相応しい姿勢で授業に参加すること。
最終更新日 2011/08/07