開講年度 | 2011年度 |
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開講学期 | 2011年度 秋学期 |
授業コード | 29640 |
科目 | 書道研究Ⅱ |
教員氏名 | 和中 繁明 |
授業種別 | 週間授業 |
授業概要 | 書は文字の姿を借りて生命を具象化した芸術といわれ、書いた人の人間性や、書いた時の心理状況が投影され、時代によっても様相が異なる。書の学習からさまざまな学問や職業に発展することも多く、これまでの履修者の中から書の専門家を志向する人も出ている。 「書道研究Ⅰ」では基本的な古典によって楷書・行書・草書を学び、大まかな書の歴史についても学ぶが、この【書道研究Ⅱ】では学習の枠を拡げ、北魏の力強い楷書、流麗な行草書を習い、造形性豊かな隷書・篆書のついても併習し、魅力的な書法の習得、書の奥行きの深さを学ぶ。また篆刻にも挑戦し、自ずからの作品に自刻の印を捺し完成させる。 文字の成り立ちや、書体の変遷についても通史的に追い、時代の背景を踏まえた体系的な学習を行う。歴史を理解しながら実技の向上を目指す。 授業期間中、首都圏の博物館・美術館への見学を実施する。直に名品に接し、鑑賞眼を養いたい。書を習った経験の有・無は問わない。毎回学びやすい手本と資料を配布する。秋学期は「日展」の見学を予定。 |
授業計画 | 【文字と書の歴史を学び、書の実技を向上させる】 第1回(9月27日) 漢字の起源、書の流れ、書の資料とはどういうものか。中国・日本の書を概説。 第2回(10月4日) 漢の隷書について概説。漢・乙瑛碑「司徒〜言魯」、北魏・美人董氏墓誌銘「美人〜董汴」を臨書。 第3回(10月11日) 北魏の書、造像記・墓誌銘について概説。曹操の「立碑の禁」なども。乙瑛碑「前相〜勉孔」、美人董 氏墓誌銘「州恤〜涼州」を臨書。希望者には学習の制限は設けない。 第4回(10月18日) 隷書、古隷・八分について。行草書の発達。漢・張遷碑「令不〜然令」、蘇軾・黄州寒食詩巻「春江〜 屋如」を臨書。 第5回(10月25日) 始皇帝の文字の統一、許慎「説文解字」について概説。篆書・泰山刻石「斯臣去疾」、北魏・張猛龍碑 「姫中〜春秋」、蘇軾「漁舟〜菜破」を臨書。 第6回(11月1日) 秦篆を学んだ清朝の金石家について概説。泰山刻石「御史夫臣」、張猛龍碑「嘉其〜耳浮」、蘇軾 「竃焼〜見烏」を臨書。 第7回(11月8日) 北魏・龍門造像記、龍門二十品について概説。泰山刻石「昧死言臣」、孫秋生造像記「敬造〜隆三」、 蘇軾「銜帋〜在万」を臨書。 第8回(11月15日) 書聖・王羲之について、王羲之父子の存在について概説。泰山刻石「請具刻詔」、孫秋生造像記「寶 弥〜春葩」、王献之・中秋帖「中秋〜然勝」を臨書。 第9回(11月22日) 石鼓文について概説。石鼓文「吾車既工」、木簡「元康〜申左」、爨龍顔碑「也清〜而不」を臨書。 第10回(11月29日) 漢の木簡、封泥を概説。石鼓文「吾馬既同」、木簡「前侯〜卒賛」、爨龍顔碑「傾夏〜隆九」を臨書。 第11回(12月6日) 西周・金文について概説。大盂鼎「惟九〜若宗」、木簡「売衣〜取言」、蔡襄「南公〜両管」を臨書。 第12回(12月13日) 宋の四大家を概説。大盂鼎「周令盂王若曰」、鍾繇「尚書〜所報」、蔡襄「者大〜子純」を臨書。 第13回(12月20日) 日本のかな、擬似漢字、派生漢字について概説。大盂鼎「天有大令在珷」、鍾繇「以博〜方出」、懐 素・自叙帖「懐素〜禅之」を臨書。 第14回(1月10日) 現代の書について。日中書壇の現況を概説。大盂鼎「王嗣玫作邦壁闢」、鍾繇「於阿〜廟況」、懐素 「暇頗〜覩前」を臨書。 第15回(1月17日) 篆書・篆刻について概説。自分の姓名を篆書に置き換えて落款印の草稿を作成。印材を用いて篆刻 に挑む。自分の落款印を作り、自作の書作品に捺して完成させる。 |
テキスト | 相川政行『書法の美』、二玄社 |
参考書 | |
評価基準 | 書を習った経験の有・無にかかわらず、出席日数、提出物(毎回の課題、レポート、色紙)を考慮し、以下のように評価。 欠席が授業日数の3分の1をこえた場合はFとします。 ・出席 40% ・毎回の課題提出 30% ・色紙作品 10% ・レポート 20% A:90以上 B:80以上 C:70以上 D:60以上 F:60未満 |
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備考 | |
最終更新日 | 2011/07/28 |