野球部 中野 航太
仲間の期待に応えたい、だから全力でバットを振り続ける
野球部 外野手/DH
中野 航太 健康福祉学群 4年
東京都 明治大学付属中野高等学校出身

チャンスは平等、自立して練習に取り組める環境もある
高校時代はバッティングに自信があり、一般入試でも野球が続けられる大学を探していました。そんなとき、「桜美林はチャンスが平等」と聞き、努力すれば試合に出られるかもと進学を決意しました。でも、実際に入部すると周りの選手のレベルはとても高くて……。いきなり壁にぶつかりましたが、「試合に出るには打つしかない」と奮起するきっかけになりました。先輩後輩の垣根が低かったことも、野球に打ち込めた要因のひとつです。
全体練習は1日2~3時間、午前中だけのときもあります。他の大学よりは短く、自主性を求められる環境でした。そのため自立することが重要で、人としても成長できたと思います。時間を見つけては室内練習場でバッティングに励み、チャンスで結果を残すと少しずつ試合に出られるようになりました。4年生となった今は、松江京主将を筆頭に上級生が率先してグラウンドに集まって練習準備をしています。下級生に余裕を持たせることで、チームの雰囲気も良くなり、チーム力も向上できていると感じています。
自粛生活の取り組みが花開く。スタメンをつかんだ打撃フォームの改良
今でこそ1軍の試合に出ていますが、昨春はまだ2軍の選手でした。今年こそはと意気込んだものの、足の肉離れで戦線離脱。追い打ちをかけるように新型コロナウイルスの影響で春季リーグの中止、そして自粛生活。部内にも重い空気が漂いましたし、私自身も「結果を残せないまま大学野球が終わってしまう」と焦りを感じていました。
そんな中、意識をプラスに変えようと取り組んだのが打撃フォームの改良です。参考にしたのはメジャーリーガーのハビエル・バエズ。自分の持っている力以上のものをボールに伝える打ち方をする選手です。その一方で、長距離打者として不足しているパワーを補うため、フィジカルトレーニングにも時間を割き、体重を5~6kg増やしました。その結果自粛明けの練習では打球の飛距離が伸び、打率も向上。実戦でも結果を残せるようになり、1軍の試合に出場する機会も増えました。秋季リーグで念願のスタメンを告げられたときには、自分の取り組みが間違いではなかったと確信できました。
打者として、人として、仲間の思いを託される選手になりたい
「お前の調子のバロメーターは、初球からバットを振れるかどうかだ」。これは、昨年の主将・濱野大空さんからのアドバイスです。昔から結果が出ないとすぐにネガティブに考えてしまう性格で、それが打席にも表れていたようです。怖がって腕が縮こまっているのを即座に見抜かれました。今でもこの言葉をかみしめ、練習でも「ここ一番」の場面を想定して、初球から強くバットを振れるように心がけています。
今年の首都大学野球1部春季リーグでは優勝を勝ち取ることができました。リーグ初戦の帝京大学、終盤の日本体育大学との第1戦を落としたとき、みんな落ち込むことなく明るく次戦に挑んで勝利できたのは、今年の桜美林らしさだと思います。この先に続く全日本大学野球選手権大会で日本一を目指します。ひとりの打者としては当然ヒットを打ちたいですしホームランも狙いたい。でもそれ以上に、私が打席に立ったとき、チームメイトから「中野なら何とかしてくれる」と頼られる選手になりたいという思いの方が強いですね。これからも全力でバットを振り続け、皆の信頼を勝ち取っていきたいと思います。