開講年度 | 2016年度 |
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開講学期 | 2016年度 秋学期 |
授業コード | 23145 |
科目 | 人間理解(仮説と検証の考え方と私たち) |
教員氏名 | 森 厚 |
授業種別 | 週間授業 |
授業方法 | 講義 |
授業概要 | 人間がかかえる様々な困難をどのように解決していくか。これは、人間に課せられた生きた課題です。ガリレオ・ガリレイは、問題解決の方法として、仮説を立て、その仮説を実験によって検証するという方法を(仮説と検証の考え方)を開発しました。この方法は、私たちが日常的に行っている方法でもあります。しかし、多くの場合、無意識に行われています。 この講義では、私たちが日常的に行っていることを確認し、さらに積極的に応用することを練習します。また、様々な学問分野で行われている思考法であることを、具体的な事例をあげながら示します。 ところが、こうした実験科学的な方法には限界があることも学びます。 さらに、こうした方法を積極的に用いて発達した現代社会について考えていきます。 |
到達目標 | ・仮説検証の方法について説明できる。 ・仮説検証の考え方を用いて身近な問題を解決できる。 ・様々な学問内容や、これまでの学習内容を、仮説検証の考え方と結びつけることができる。 ・仮説検証の考え方を用いて発達した科学技術について意見を述べることができる。 |
授業計画 | 01. (09/22) イントロダクション: この講義の受講方法・評価について話します。また、シラバスを読み合わせ、講義内容について共通認識を持つようにします。 02. (09/29) 思い込みから自由になること: 私たちは、いつの間にか、思い込みに囚われてしまうことが多いです。例えばこんな思い込みは無いでしょうか。「重いものほど速く落ちる。」 古代ギリシャの哲学の巨人といえるアリストテレスもそれを信じて疑いませんでした。ガリレオは、この固定概念を打ち破りました。どのように打ち破ったのか、そのプロセスをたどります。 03. (10/06) 日常的な仮説と検証の考え方: 「何かがわかるようになる」ためには、どんな方法があるでしょうか。日常生活を例に、例えば「早起きできるようになるためにどうすればいいか」がわかるようになるためにはどうすればいいでしょうか。それは、こうすれば結果が「伴うに違いない」と考え、実際に実行し、そうしてその結果を検討してみることをするでしょう。日常生活をもとにして、仮説検証の考え方について理解を深めます。 04. (10/13) 無意識に行っている仮説検証の考え方: 仮説と検証の考え方は、高度な考え方ではありません。むしろ、人間が本能的に行っていると言ってもいいでしょう。例えば、運動能力の獲得、言語の獲得は、無意識に仮説と検証を繰り返し獲得したものです。 05. (10/20) 実験科学とその方法: 実験に基づく科学は、仮説と検証の考え方が典型的に行われている例です。その方法と研究例を紹介します。 06. (10/27) 仮説と検証の実践例: 受講生の皆さんに考えてもらった例を紹介します。 07. (11/10) 生物学の研究例: 自然科学の歴史は、仮説と検証の宝庫です。ブラウン運動など、生物学の実験例について紹介し、その思考プロセスをたどります。 08. (11/17) 社会学の研究例: マックスウェーバーが著した「プロテスタンティズムと資本主義の精神」は、社会学の分野の古典的な名著です。その中に仮説検証の考え方を発見していきます。 09. (11/24) 行動経済学の例: 行動経済学と呼ばれる比較的新しい分野の学者であるアリエリーは、興味深い実験を行っています。仮説検証の考え方の観点から、そうした実験例を考えます。 10. (12/01) 波と粒子: 現在では「あらゆる物質は波でもある。」と認識されています。それは、具体的にどのような意味があるのでしょうか。具体的な実験例に基づいて、その意味を考えます。 11. (12/08) 熱とエネルギー: 熱とは何でしょうか。エネルギーとは何でしょうか。歴史的に興味深い議論が実験にもとづいて展開されています。 12. (12/15) 組み合わせ爆発: 友だちの友だちの友だちは何人いるでしょうか。連鎖的なつながりについて考えます。 13. (12/22) 原子のエネルギー: 実験科学的な考え方は科学や技術を大いに進歩させました。特に原子力は、エネルギーの大きさの観点から、その一つの成果であると考えられます。 14. (01/12) 科学の功罪: このように発達した自然科学について、その功罪を考えます。 15. (01/19) まとめ: 講義全体を振り返ります。 |
授業時間外学習 | ・テキスト(ウェブに掲載)を用いた予習と復習 ・レポート課題への取り組み |
テキスト | テキストの多くは、講義のページからたどれる本講義のホームページに掲載する。 |
参考書 | 講義の中で随時紹介する。 |
評価基準 | 講義参加度30% 課題(レポート)20% 期末試験50% A: きわめて高いレベルで目標が達成された B: 高いレベルで目標が達成された C: 一応のレベルで目標が達成された D: 最低レベルで目標が達成された F: 目標が達成されなかった ※ 出席確認のために学生証を持参することとします。 ※ 30分以上の遅刻は基本的に出席として認めません。 ※ 複数回の遅刻は欠席と計算します。 ※ 1/3 以上の欠席は自動的に不可となります。基本的に欠席理由は関係ありません。 ※ 過去には毎回出席でも単位を取得できなかった学生がいます。学生の皆さんの積極的な参加を求めます。 ※ 出席やテストなどについての不正行為を行った者(関与した者)はFとします。また、別途本学の規定に基づく処罰があります。 |
URL | http://robo.mydns.jp/Lecture/ |
最終更新日 | 2016/08/09 |