シラバス詳細情報

開講年度 2014年度
開講学期 2014年度 春学期
授業コード 33603
科目 大学アドミッション
教員氏名 出光 直樹
授業種別 集中講義
授業方法
授業概要  高等教育ユニバーサル化の時代を迎え、入試広報を担当するスタッフは、単に入学試験とそれに付帯する広報活動を事務的に処理するスタンスから、アドミッションズ・オフィサーとして、各大学のミッションと学生の実態を理解し、適切な入学者選抜・学生募集の仕組みを戦略的に構想し、実行していく役割が求められている。

 本講義ではまず、我が国の入学者選抜と高大接続をめぐる課題を国際的な視点も踏まえて概観した上で、(1)入試制度運用の実際、(2)データ処理と活用、(3)学生の視点からの入試広報と大学選びについて焦点をあて、課題報告や演習も取り入れた授業展開を行い、各受講者の固有の文脈における課題の発見と具体的な解決の道筋を探る。
到達目標 ●我が国の入学者選抜制度の現状と課題を、国際的な比較も含めて理解する。

●入学者選抜や高大接続の多様な現状と課題を理解する。

●ケーススタディー、インタビュー等の具体的な事例や、データの活用分析に基づく課題発見、企画立案が出来るようになる。

●アドミッションに関わるスタッフの専門性と課題を自覚する。
授業計画 1回3ないし4コマ×4日間の集中講義で行う。

第1回 入学者選抜と高大接続をめぐる課題  4/20(日)9:00~16:00
 我が国の入学者選抜制度の現状と課題を、歴史的経緯をふまえつつ理解・整理するとともに、高等教育ユニバーサル化とともにクローズアップされてきた高大接続の課題について、国際的な動向も視野に入れて検討する。
(1) 制度と法令 - 学校教育法、大学入学者選抜要項、諸外国の高大接続
(2) 一般選抜と特別選抜(推薦・AO・帰国生・社会人・留学生)
(3) 入学者選抜のインフラ - 大学入試センター試験、TOEFL、SAT、国際バカロレア、日本留学試験
(4) 高大接続に関わる新たな課題 - 初年次教育、リメディアル教育、入学前教育
★初回の授業には、各自の自己紹介レジュメ(A4版1枚に、略歴・職務内容・本科目での問題関心等をまとめたもの)を持参してください。

第2回 入学者選抜制度運用の実際 5/25(日)9:00~16:00
 課題①として、各受講者において具体的な入学者選抜制度を取り上げて報告を行なってもらう。続いてこれらの報告やその他の具体的な事例を材料に、運用に関わる実務上の課題について以下のポイントを交えながら検討を行う。
(1) アドミッションポリシーや制度上の位置づけ
(2) 当該大学のミッションやカリキュラムとの適合性
(3) 教職員の役割

第3回 入試広報に関わるデータ処理と活用分析 6/22(日)9:00~16:00
 表計算(エクセル)、リレーショナルデータベース(アクセス)、テキストエディター等の具体的な演習を取り入れながら、入試や広報活動における具体的なデータ処理について理解するとともに、効果的な収集方法や活用に関わる課題について検討を行う。
(1) データの収集と正規化、数値と文字列
(2) Lookup関数によるデータ結合、Pivot Table による集計
(3) 基礎的な統計分析

第4回 学生の目から見る入試広報と大学選び 7/13(日)9:00~16:00
 課題②として、学生に対してインタビュー調査を行い、入学前の大学選びに関する意識や行動、受験のプロセス、大学入学後の適応について報告を行ってもらう。これらを材料にして入試広報施策や高大接続の課題について検討を行う。
(1) 入試広報制作物の位置づけ
(2) 進学相談会とオープンキャンパス
(3) 担当職員の教育的役割とSD
授業時間外学習 第1回目の授業には、各自の自己紹介レジュメ(A4版1枚に、略歴・職務内容・本科目での問題関心等をまとめたもの)を持参する。また、教科書(1)の第4章を通読しておくこと。

第2回目の授業では、各受講者が関係する大学やその他の大学における具体的な入学者選抜制度を取り上げてまとめ、各15分~20分程度の報告を行ってもらう。

第4回目の授業では、事前に3名以上の学生に対してインタビュー調査を行い、入学前の大学選びに関する意識や行動、受験のプロセス、大学入学後の適応などについてまとめ、各15分~20分程度の報告を行ってもらう。

全ての授業終了後、授業全体を通しての気づきを最終レポートにまとめる。
テキスト 下記に示すものの他、必要に応じてプリント等を配付する。

(1) 渡邊一雄 編(2010) 『大学の制度と機能』 (特に第4章「高等学校と大学の接続」) 玉川大学出版部 ISBN-13: 978-4472404047

(2) 荒井 克弘, 橋本 昭彦 編(2005) 『高校と大学の接続 入試選抜から教育接続へ』 玉川大学出版部 <オンデマンド版> ISBN-13: 978-4472403194
参考書 (3) 中井 浩一(2007) 『大学入試の戦後史 受験地獄から全入時代へ』 中公新書ラクレ ISBN-13: 978-4121502438

(4) 山本 繁(2013) 『つまずかない大学選びのルール』 ディスカヴァー・トゥエンティーワン ISBN-13: 978-4799312759

(5) 倉部 史記(2011) 『文学部がなくなる日』 主婦の友新書 ISBN-13: 978-4072758953

(6) 東北大学高等教育開発推進センター 編(2013) 『大学入試と高校現場: 進学指導の教育的意義』 東北大学出版会 ISBN-13: 978-4861632228

(7) 中村 高康 編(2010) 『大学への進学 選抜と接続 (リーディングス 日本の高等教育 第1巻)』 玉川大学出版部 ISBN-13: 978-4472404108

(8) 佐々木 隆生(2012) 『大学入試の終焉—高大接続テストによる再生』 北海道大学出版会 ISBN-13: 978-4832933798
評価基準 講義参加と討議60% 2回の課題報告30% 最終レポート10% により、以下の基準で評価します。

A(特に優秀):90%以上  B(優秀):80%以上  C(良好):70%以上  D(合格最低ライン):60%以上  F(不合格):60%未満
URL http://www.idemitsu.info/
最終更新日 2014/03/09