桜美林大学 国際協力専攻ホームページ



2008年度 春学期

  徳永麻衣子

 今回、私は国際交流基金のトリエンナーレ準備室という部署でインターンさせていただいた。トリエンナーレ準備室とは、2008年9月13日から横浜で開催される海外から招待された70人のアーティストによる美術展、横浜トリエンナーレ2008の運営・準備を行う部署である。大半の実習は本部である四谷で行い、横浜トリエンナーレのセレモニー・日本語国際センターでの授業にも参加した。

実習日程:2008年7月28日〜8月12日(12日間)※土日含まず
実習場所:国際交流基金本部の芸術交流グループにおけるトリエンナーレ準備室(四谷)
日本語国際センター(浦和)
横浜トリエンナーレ先行公開セレモニー(横浜ランドマークタワー)
勤務時間:9:30〜17:30(セレモニーなどの参加時は10:00始まり)
実習内容;本部→・横浜トリエンナーレ関連記事のクリッピング・データ入力
・ PC入力(横浜トリエンナーレ招待者の名簿の登録・修正、アーティスト年譜の修正など)
・ その他作業(ホッチキス止め・コピーなど)
・ インターン生向けセミナーの参加
・ 日本文化研究報告会・日本人日本語教師の帰国報告会の参加
日本語国際センター→海外日本語教師の授業にビジターとして参加
横浜トリエンナーレ作品先行公開セレモニー→会場準備の手伝い・大使の方へお茶だし

国際交流基金とは(JAPAN FOUNDATION)…
世界の全地域において国際文化交流を実施する日本の専門機関である。1972年に外務省所管の特殊法人として発足。2003年10月に独立法人化した。現在は本部(四谷)と京都支部、2つの付属機関(日本語国際センター・浦和、関西国際センター・大阪)、海外に19カ国に21の海外拠点を持っている。
文化芸術交流、海外における日本語教育及び日本研究・知的交流の3つを主要活動分野としている。

文化芸術交流…
日本文化・芸術を海外に紹介するとともに、日本における異文化理解の促進や海外との共同制作を通じて互いの理解を深め、新しい創造を目指す。市民・青少年の交流支援や、文化交流に携わる人材の育成・文化遺産保存などへの協力など、文化による国際貢献にも努めている。
事業例:日本の文化人の海外派遣・海外の文化人の招へい・造形美術、舞台美術などを通じた芸術交流。

トリエンナーレ準備室…
横浜トリエンナーレ2008開催に伴い、横浜市と中心となって開催に向けて運営を行うトリエンナーレ専門の部署である。アーティストとの交渉・業者とのコンタクト・広報など全体にわたっての運営を行う。その中で私は、主に広報の事務作業をさせてもらった。部署には3人の国際交流基金の職員の方と6人の嘱託で働いている職員の方がいた。

横浜トリエンナーレ2008
会期:2008年9月13日(土)〜11月30日(日)
開場:新港ピア・日本郵船海岸通倉庫・横浜赤レンガ倉庫1号館ほか
主催:国際交流基金・横浜市・NHK・朝日新聞社・横浜トリエンナーレ・横浜トリエンナーレ組織委員会
開催概要:世界各地から焼く70人の作家が参加し、日本最大級の規模で開催される現代アートの国際展。会期中、パフォーマンスやコンサート、シンボジウムをはじめ、作家と参加者との対話が広がるようなワークショップやギャラリー・トークなどの関連プログラムも積極的に展開していく。

横浜トリエンナーレ2008作品先行公開セレモニー 
他の会場に先立って、ラウンドマークプラザにて作品公開が行われた。作品公開にあたってのセレモニー。
作品:"Catch Me Should I Fall" マイケル・エルムグリーン&インガー・ドラッグセット
当日のスケジュール→登壇者紹介・横浜市副市長等の関係者挨拶・テープカット・ノルウェー音楽の演奏

●収入(H20年予算)
交付金
運営交付金 国から(外務省)からの財源措置 128.9億円
運用益等
運用収入 運用資金を運用することによって得られる収入 22.5億円
寄付金収入 個人、企業、団体からの寄付 8.8億円
受託収入 事業を請け負うことによる収入(外務省などから) 7.1億円
その他収入 理解講座受講料、著作権収入、入場料収入など 1.8億円
総合計 169.1億円

●支出(H20年予算)

業務経費 文化芸術交流
海外日本語教育事業費
海外日本研究・知的交流事業費など
140.7億円
一般管理 人件費 36.9億円
物件費
総合計 177.6億円

【インターン内容】
インターンでは、大半の実習を本部で、パソコンを使った事務作業を行った。主に広報関係の事務作業であった。内容は、横浜トリエンナーレ関連記事(新聞・雑誌等)のクリッピング・クリッピングした資料データをexcelにまとめること、横浜トリエンナーレ招待者名簿にデータ登録・内容の修正、宅配便で送る物の準備など、様々な作業をさせてもらった。
事務作業以外にも、インターン生向けのセミナーがあり、国際交流基金の予算について講義を受けることが出来た。内容は、特殊法人から独立法人へ変わったこと・諸外国と比較した日本の国際交流の予算、年度別の予算金額の変化についてであった。
インターン生向けのセミナー以外にも、一般向けに行われているフェローセミナーにも参加させてもらった。セミナーは日本文化研究の報告会(法隆寺について)であり、報告は英語で行われ、内容はよく理解できなかったが、よい経験となった。内部向けに行われている報告会もあり、カザフスタン・ベラルーシの大学に派遣された2人の日本人日本語教師の帰国報告会にも参加させてもらった。内容は、それぞれの現地の大学で日本語を教えており、学生の学習状況・問題点などについての報告であった。
日本語国際センターでは、2ヶ月間の研修で日本に来ている、外国人日本語教師の方の授業にビジターとして授業に参加した。11人のカザフスタン・ブラジルからなどから来た日本語教師と日本人のビジター6人と先生で授業が行われた。授業内容は、後日の授業でインタビュー結果の発表を行うため、日本語教師の方が2人1組でビジターである日本人1人に対して25分間のインタビューを行う授業であった。インタビュー内容は、様々であり、理想の家族・高齢化社会・旅行であった。授業後には、職員の方に施設内を案内してもらった。教室から研修に来ている外国人の方の宿泊場所まで見ることができた。
横浜トリエンナーレ作品先行公開セレモニーでは、トリエンナーレ開催に先立って、ランドマークタワーにて "Catch Me Should I Fall"という作品の公開セレモニーが行われた。セレモニーでは、テープカット・総合ディレクターの挨拶・演奏などが行われ、その中で私は会場準備・片付けの手伝い・控え室にて、大使の方々などへのお茶だしをさせてもらった。

感想
まず始めに、横浜トリエンナーレ開催直前の忙しいなか、インターンを受け入れてくれたことに感謝したい。職員の方も、とても親切であり、質問に対して丁寧に答えてくれた。
私は今回のインターンでは、国規模での国際交流(特に芸術面)・国際交流の現場について学びたいと思っていた。インターンによって、国際交流とは・国際交流の様々な形、働くことについて学ぶことが出来た。
インターンでは、横浜トリエンナーレ開催において、様々な人・企業・各国が関係していることを知った。そして、改めてトリエンナーレの規模の大きさを実感した。職員の方々は遅くまで残業・土曜日も出勤など大変な仕事であると思った。絶えず、部署では電話が鳴り続けていたこと・私たちの仕事は体力勝負と言っていた職員の方の言葉が、とても印象的であった。インターンでの事務作業では名簿を取り扱い、ランドマークタワーでは大使の方にお茶だしをするなど緊張したが、とても貴重な体験をすることができた。名簿では、簡単にデータを消去・修正ができてしまうなど、責任をもって仕事を行わなくてはならないと思った。交流についてなどの学習面だけではなく、働くことについても学ぶことが出来た。
日本語国際センターでの授業参加・インターン生向けセミナーでは、国際交流を行うことの大切さを知った。日本語国際センターでの授業で、海外日本語教師の方が日本に来て日本のイメージが大きく変わったと言っていた。日本に来るまでは、雑誌などの情報から、日本の高校生の多くは1人暮らしをしているイメージがあったと話してくれた。あまり実際に日本人と話す機会は少なかったみたいであり、実際に話すことができて良かった・話さないと分からないことが分かって良かったと言ってもらえた。
日本人の日本語教師帰国報告会では、両国共に、現地での日本語を教える側の環境づくりの大切さ、日本語教師の仕事のみで生活を支える難しさを話していた。教える教師側の環境が整っていなく、両国の日本語教師の方も先生間のコミュニケーション不足を指摘していた。
私は、雑誌などによる文字だけの情報と実際に体感して得る情報では、内容が異なると思う。日本について知ってもらうには、日本人・海外の方が共に多くの情報を提供し、多くの人に日本に来てもらい、興味を持ってもらうことが大切である。そして、日本についての情報提供を行う場・行う側の環境づくりが大切だ。今までは、日本語を学ぶ側の環境づくりが大切であると考えていたが、教える側の環境づくりも大切であると知った。教師間で月に1度会議を開くなど、教師同士のコミュニケーション・情報交換を行うことが必要とされている。日本語教育において、生徒たちの学習環境によくするためには、教える側の環境づくりが大切である。
インターン生向けセミナーでは、日本が国際交流に使うお金は他の先進国に比べて少なく、予算が年々減ってきていることを学んだ。政治・各国とつながりを持ち、維持していくためには、国際交流は大切であり、予算が減ってほしくないと職員の方が話してくれたことが、とても印象に残った。
私は今回のインターンを通して、世界とのつながりのためには、横浜トリエンナーレ・海外での日本語の普及など、各国と交流をもつことの大切さを学ぶことが出来た。そして、日本語教師の研修・報告会などを含め、様々な交流が行われていることを知った。政治・各国との関係を維持するためには、貿易などの経済面だけではなく、文化面での交流が大切である。文化面での交流があってこそ、各国との関係が維持されると思った。横浜トリエンナーレでは、様々な国からのアーティスト・関係者の方が訪れる。このような大きな美術展が行われることは、世界各国のアーティストの作品展という意味だけではなく、各国と交流を持つ役割があると思う。
今回のインターンでは、横浜トリエンナーレの実際の現場を見る機会がなかったので、どのような展示がおこなわれているのか楽しみである。