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2007年度後期

 4年 石井丈士

< 実習団体概要>
「NPO法人まちぽっと」は「NPO法人コミュニティファンド・まち未来」と「NPO法人・東京ランポ」が、その理念、活動内容に共通性をもつことから、2007年に両団体の合併によって生まれた団体である。
NPO法人まちぽっとは、地域社会に住み、暮らす市民の視点から、市民の参加による持続可能な市民社会づくり、豊かな地域社会づくりを目指して、それに関わる政策および事業の提案を行い、その実現に向けて市民、市民団体と協働して取り組むとともに、そういった市民社会・地域社会づくりを担う市民活動を支援するために、調査研究・提案、市民活動・市民事業の支援、情報の発信などの事業を行っている団体である。

<インターンで主に従事した事業概要>
私は「NPO法人まちぽっと」が行っている様々な事業の中でも、「草の根市民基金ぐらん」という助成金事業に関する仕事に主に従事した。
「草の根市民基金ぐらん」の特徴として、財源が市民による直接寄付ですべて成り立っているということ。そして、支援する市民団体の選考は一般公開式の選考会を実施していて、寄付した市民はもちろん、会場に訪れた市民にも参加してもらい、選考を行っていることがあげられる。このユニークな選考方法により、これまでに11年間で92団体、総額3,211万円の助成実績をもつ事業である。

<実習期間>
10月22日〜2月25日の週1回(主に毎週月曜日)と3月24日

<実習内容>
前述したようにインターン中は「NPO法人まちぽっと」が行っている助成金事業、「草の根市民基金ぐらん」助成金事業に従事した。この事業の中では2008年度助成団体公開選考会のスタッフとしてタイムキーパーや会場設営、結果の集計などを行った。
選考会前には選考会の案内や応募団体の概要や助成金の対象となる事業をまとめた資料作りを、また選考会後には参加者アンケートの集計を行った。
他にも、この助成金事業の一環として過去の助成団体へのインタビューをし、それをまとめる作業を行った。このインタビューは「草の根市民基金ぐらん」10周年を記念した冊子作りの一部を担っている。

<感想>
・インタビュー内容をまとめるという作業を通して
  今回のインターンで従事した「草の根市民基金ぐらん」の助成金事業を通して3つのNGOや市民団体を訪問した。
インタビューの時間は1時間〜1時間半程度で、録音したテープのテープお越しを行い、ワードでA4、10枚程度になったものをA4、3枚程度にまとめ、さらにそれをHP掲載用にA4、1枚程度にまとめるという作業で、これが一番苦労した作業であった。
テープお越しは初めてやる作業であり、最初は全くかってがわからずに1時間半程度のインタビューのものに5時間くらいの時間を費やした。また、インタビュー内容をまとめる作業にも苦労した。あくまで自分の研究や、自分の興味から実施したインタビューではなく、助成金事業への支援者や支援者になる可能性がある人たちに助成金事業の意義を理解してもらう必要があることから、ただ個人的に興味でまとめるのではなく、その団体の社会的意義や活動をしている人たちの思いや姿が見えるように文章をまとめる作業は大変であった。

・インタビューを通して直接話を伺って
また、インタビューをまとめる作業だけではなく、もちろんインタビュー事態も市民団体で長い間活動を続けている方々から直接話を伺えたことも大きな学びとなった。団体の活動内容や、立ち上げから現在に至るまでの過程、今後の課題やそこへの取り組みかたなどを受けて、非営利組織のマネージメントという視点からも1つの学びとなった。しかし、個人的には活動をしている人たちの熱い思いを直接聞くことができたのは、より大きな学びであった。
非営利組織で活動を続けると、どんなに苦労してもお金は増えないし、活動をより活発にしていくことで逆に経済的に苦しくなることすらある。それだけではなく社会に認められず、受け入れられないこともある。それでも、自分がなんのためにその活動をやっているのか。自分がやっていることに意義を見出し、その目標に向かって少しづつでも良いからあきらめずに活動を続けることが何よりも大事と言っていた代表の方からは、強い信念を感じられた。話を伺っていて非営利組織の運営にはノウハウが必要なことも感じられたが、それだけでなく自分がやっている活動に社会的意義を見出し、ビジョンとミッションを明確にし、強い信念を持つことがなによりも大切なのだと感じた。

・インタビューをした三団体を比較して
三つという少ない団体数ではあったがその三団体を比較して学べることも多くあった。その中のひとつは非営利組織におけるファンドレイジング(資金収集)の大切さである。
三つの団体のうちひとつは複数の国(フィリピン、タイ、カンボジアなど)を活動のフィールドとしている国際NGOで活動規模も運営資金も非常に大きな団体であった。他の二つは都内で活動をしている市民団体であった。インタビューやHP、パンフレットなどを比較するとファンドレイジングへの力の入れ方の違いが明確に見えた。どんな非営利組織でも、資金源に頭を悩ませているのが現状である。
そんな中、インタビューをした国際NGOからはインタビュー中でも何度も「ファンドレイジング」という言葉を聞き、いかにそこに力を入れているか伝わって来た。はじまりが世界的に大きな団体から派生して誕生したという背景も関係があるとは思うが、誕生して10年という長さにも関わらずHPの充実ぶりは本当にすばらしい。また多くの企業からも支援金を得ており、企業に対するファンドレイジングには立ち上げ当初から力を入れているそうだ。そして、それだけではなく支援国に設置している現地事務所が経済的に日本の事務所に依存しないよう、現地のスタッフへファンドレイジングのノウハウを教えているそうだ。序々にではあるが、現地のスタッフが企業から支援金を得ることができた例もあり効果も見え初めているそうだ。
都内で活動している市民団体のひとつも今までの活動を反省し、ファンドレイジングの必要さを強く感じたということで、これからの方針としてHPの改新や新しいリーフレットの作成に力を入れていくということをインタビューで伺った。
非営利組織が活動の中でメインの活動というのは、自分がやりたいことであるが故に、魅力的な活動であるかもしれない。しかし、そこだけに力を注ぎ込むのではなく、組織の活動を長期的に持続可能なものにしていくためファンドレイジングにも人と時間を費やすことが非常に大切であることを学んだ。

・全体を通して
  今回のインターン全体を総括して感じたことは、インターンは非常に貴重な経験であり、その日に学べることはその日にしか学ぶこができないものであり、「多くのことを学ぼう」という姿勢が大事であると感じた。
特に私がしたインターンのメインの内容は他団体へのインタビューで、1時間という短いインタビュー時間の中でどれだけのことを聞きだせるか。というところが勝負だった。その中で積極的にそして、貪欲に学ぶ姿勢を出していけるかが大事だったと思う。いまになれば、もっと聞いて突っ込んで聞いておけばよかったと思うこともある。そう思うと、そういった姿勢が足りなかったと反省している。
  しかし、それでもインタビューからは本当に多くのことを学べた。忙しい中、時間を割きインタビューを受けてくれた方々、今回のインターンを支えてくれた方々には心から感謝したい。そして、これをただの学びで終わらせず、実践で生かせるようにしていきたい。