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2006年度 春学期

高橋鮎美(2年)

イメージ日程

2006年8月1日〜8月30日までの30日間。ミャンマー難民事業の本部であるMae Sot事務所にて。

実習の具体的内容

シャンティ国際ボランティア会(SVA)のミャンマー難民事業事務所でのインターンは、あらかじめSVAスタッフの方と相談して研修テーマ設定し、全日程その研修テーマに基づき活動するというものである。

イメージ私の研修テーマは「第三国定住の実体を難民の精神面からアプローチし、検証する」であり、そこで今回のインターンではキャンプ住人が受けているストレスと第三国定住への関心・知識を調査した。

 メインで行った活動としては、難民キャンプで生活している人々のメンタルヘルスと第三国定住についての知識・関心を調べるべくアンケートで、Mae Laキャンプでは120部、Umpiumキャンプでは80部を配布した。図書館利用者を中心に配布したため回答に少々偏りがみられるが、とても参考になる貴重な資料となった。研修日程の前半はこのアンケートの作成と配布を行い、後半では回収と結果分析にあたった。

イメージ またもう一つメインで行った内容としてインタビューがある。KYOやKWOといったキャンプコミティーを中心に、組織から客観的に観たキャンプ住人のメンタルヘルスについていくつか質問した。しかしながら個人的な意見や思考がほとんどで思うような回答が得られず、そこでいくつかのNGOにもインタビューをさせていただくため足を運んだ。また、精神的に問題を抱えているひとや女性・子供を暴力から保護する施設、セーフハウスを訪れ、実際にセーフハウスの人にもコンタクトをとる機会があり、インタビューも行った。

 Mae Laキャンプには7回訪れる機会があり、Umpiumキャンプには2回訪問した。キャンプ訪問日以外は事務所で、自らの研修テーマに基づいた資料作製や調査等に時間を充てた。

イメージテーマに関する成果

 2つのキャンプで実施したアンケートにより、大まかではあるがメンタルヘルス・第三国定住に関して、また各個人のバックグラウンドに関する質問も設けていたので、それらに関する多くの人のデータを得ることが出来た。それぞれのキャンプに配布したアンケートの回収率は70%以上となかなか良く、そのデータを元にメンタルヘルスに問題がある人を私なりに分析したところ、「多文化間精神医学」でWestermayer氏が報告したものと似たような結果を得ることが出来た。およそ30%の回答者が精神的問題を抱えていると考えられるのだ。

イメージ 一方インタビューではキャンプコミティのスタッフからは上手く欲しい情報を得ることが出来なかったが、セーフハウスでは実際にメンタルディスオーダーの人とコミュニケーションをとる機会があり、また第三国定住を控えた人や拒否された人にインタビューする機会も得られた。精神的問題を抱えている人と実際に会ったのは初めてでとても衝撃的であり深く印象に残り、セーフハウススタッフの話からも、今後のメンタルヘルスに関する注目とサポートが必要なことを再確認した。それから第三国定住については各国の受け入れ条件も調査しようと試みたのだが、それを公開している国は少なく、また全ての国の申請者を集めることは不可能だったので情報を得ることが出来なかった。しかしながら定住前の精神状態をうかがうことはできた。

 それからKYOから子供の描いた絵を集めて編集した資料を頂き、その絵から子供がキャンプ生活をどのように感じているのか等分析もしようと試みている。

イメージ 今回のインターンではカレン族やビルマに関して知識がゼロの状態からのスタートだったために、主に情報と資料集めに東奔西走した。インターンの期間は終了したものの、集めたデータの整理や分析を今後続けていくつもりである。

 それからオーストラリアで定住後の難民の生活について調査しようと考えているので、オーストラリアに第三国定住が決まっている何人かの人とコンタクトをとりなんとかコネクション作りを今回のインターンで試みた。SVAスタッフも豪州に第三国定住したカレン族を知っているということなので、現地でもカレン族とコンタクトがとれそうである。

次のインターン生へのアドバイス

現地スタッフとコミュニケーションをとったりインタビューを行ったりするのに英語またはタイ語は必須です。ある程度の力がないと行動範囲が狭まってしまいますので事前に準備しておくことをお勧めします。またキャンプに行かない日は事務所で自主学習なので、研修テーマは明確に的を絞って設定しておいた方が良いと思われます。30日間は長いと思うかもしれませんが本当にあっという間です。特にキャンプ訪問日はそれだけで1日が過ぎてしまいます。ミャンマー難民事業事務所での研修は各自にかなり任されていて能動的にならなければ情報や成果もあつまりませんので、とてもよい経験になると思います。