桜美林大学 国際協力専攻ホームページ



2006年度 春学期

金岡飛鳥(3年)

<団体概要>

 生活クラブ生協は、1965年に「安全な食べものを手に入れたい」という200人の母親たちが集まり、牛乳の共同購入を始めたことからスタートした。現在組合員数は生活クラブ生協・東京で6万人おり、独自で企画した「消費材」と呼ばれる商品を、主に配送にて組合員に届けている。組合員活動が盛んであり、生産者見学会・交流会や料理講習会、子育てサークル、趣味のサークル活動などが行われている。また生活クラブでは、市民によるまちづくりを働きかけており、行政への政策提言などの代理人運動や新しい働き方・働く場づくりのワーカーズ・コレクティブ、環境を考えたまちづくりのNPOエコメッセ、食生活や食文化を提案する食のコンシェルジュなどの活動が行われている。

<研修期間>

 2006年9月8〜12、14〜17、20日の計10日間

<研修内容>

・     生活クラブ生協戸別業務受託ワーカーズ、轍・あいにて戸別配送の体験。(9月8日)

・     生活クラブデポーでの販売業務の体験および、ワーカーズ・コレクティブかみつれの見学。(9月9、10、11日)

・     千葉県タイヘイ醤油さんへの生産者見学会の参加。(9月12日)

・     NPO法人菜の花・まちだにて、老人給食の調理補助、配達業務の体験、およびワーカーズ・コレクティブの見学。(9月14、16、17日)

・     生活クラブ生協多摩統合センターにて班配送の体験。(9月15日)

・     NPOエコメッセ千歳船橋店にて販売業務の体験。(9月20日)

<調査結果・感想>

 私のテーマは「ワーカーズ・コレクティブにおける女性の働き方」である。轍・あい、かみつれ、NPO法人菜の花の三つのワーカーズ・コレクティブ(以下ワーカーズ)にて、ワーカーズの実態とメンバーの女性の働き方について研究した。

実際にワーカーズで働いている女性たちに話を伺うと、「ワーカーズは自由で、平等である」という声が多く聞かれた。「自由である」というのは、ワーカーズでは自らがどれくらいどのように働くかを自らで選ぶことができるという点からきている。また「平等である」というのは、ワーカーズのメンバーが「経営もし、出資もし、働きもする」からである。経営や出資に全てのメンバーが関わることで、このワーカーズをどのようにしていくかについて考え、その上で働くことが可能になる。メンバーは共通の目標に向かって働くことが可能となり、経営上困難なことが現れても共通の目標をメンバーが振り返ることで、ワーカーズを続けていくことができる。

 かみつれ、菜の花では、ワーカーズのメンバーは既婚の女性のみであった。これは、ワーカーズが一般的に言われる正社員と違う点である。なぜなら、ワーカーズの給与は一般的に言われるアルバイト、パートタイマーと同じくらいのものであるからだ。既婚の女性が多いということは、主たる家計の担い手として夫の給与があるからである。ワーカーズは女性に限った働き方ではないし、今後ワーカーズの働き方が広まるためには、それで食べていくことが可能となることが求められる。そのためには、ボランティア的な要素を含んだ業務のみではなく様々な業務においてワーカーズが作られる必要がある。またそうなることで、既婚女性のみでなく、未婚の男女、既婚の男性もメンバーとなることができるであろう。

女性の働き方をみていく上で、重要なことに出産がある。出産の後にある育児は夫婦が共同して行うべきものであるが、現状では女性に多くが任せられている。また、共働き家庭であっても家事の多くを女性が行うことが多い。こうした中で、正社員として雇われながら働くことは女性にとって厳しいことは事実である。ワーカーズでは、自らの人生の変化に応じて働き方も変化させることができる。正社員として雇われながら働くことが人生の変化に応じることが難しいままならば、女性にとっても男性にとってもワーカーズ・コレクティブが働きやすい働き方の一つとなるだろう。

ワーカーズについて全くの知識のない状態から、今回インターンを終了するまでにたくさん勉強することができた。私自身は起業に興味があり、ワークシェアリングなどを行ってみたいと考えていたので、ワーカーズ・コレクティブと出会うことができ良かった。また、生活クラブ生協さんの活動は興味深く、かつ刺激を受けることがたくさんあった。今回のインターンでは大学だけでは知り得なかったことを多く学べ、たいへん良かった。

<アドバイス>

 生活クラブ生協の成り立ちや組織のあり方について、ある程度事前に知っておくことが重要と思われる。また、ワーカーズ・コレクティブについて研究したい方は、ワーカーズの組織についてある程度知識を得ておくと良いと思う。お話を伺う時間をとっていただくことは難しいので、分からないこと、調査したいことは、あらかじめリストアップしておくと良いと思う。