桜美林大学 国際協力専攻ホームページ



2005年度 秋学期

菊池美菜(4年)

<団体概要>

2006年SVA(シャンティ国際ボランティア会)は、活動開始してから26年目となる。カンボジアの難民支援を契機に活動を開始し、その後もアジアの教育・文化の支援に関わり、支援の国や地域も拡大してきた。特に図書館活動を中心としたSVAの支援の形は他のNGOにあまり類をみない活動である。一方日本国内においては、日本の文化や社会に合った日本型のNGOとして形成していくことを目指している。 ミャンマー(ビルマ)難民事業は、2000年より開始され、カレン難民が生活する計7つの難民キャンプに21館の図書館を建設し、図書館員、SVA図書館スタッフへの研修、伝統文化・高齢者活動などを行っている。

<研修期間> 

2006年2月、約1ヶ月間(実際にメソートに入ったのは2週目)。

<研修内容>

UNHCRバンコクオフィスへのインタビューやメソート事務所長の都合もあり、SVAバンコク事務所で簡単なミーティングを行い、その後、日本の支援者の方々とカンチャナブリに程近いタムヒン難民キャンプへ同行させていただいた。また、自分の実習は、2週目よりメソートにて開始した。

 研修は、実習テーマに基づく調査と事務所の手伝いであり、具体的に次の3つである。

@「ビルマから越境してきた人々@難民 A政治難民 B移民労働者に対する保護と支援の実態を調べ、さらなる支援の必要な側面を考察するために、国際機関、国際NGO、タイ労働省などを訪問し、インタビューによるアンケート調査や資料集めを行った。

A本の翻訳(日本語⇒英語)

B絵本の翻訳作業を日本の支援者に頼むための、翻訳シールの編集作業

@実習テーマに基づく調査

1)訪問インタビュー:以下4つの異なる機関で実施。   

・国際NGO:  ZOA, TBBC, Dr.Cynthia Clinic, APEBC(Assistance Program for Education of Burmese Children)

・国際機関:  UNHCR, IOM

・タイ政府機関:MOL (Ministry of Labor)

・その他:   Migrant school in Mae Sot and Pho Phra

2)ミーティングへの参加:MOIの月例ミーティングへオブザーバーとして参加。

3)資料の入手: Handicap International, COERR, IRC, TBBC, ZOA, 

4)アンケートの実施:対象者を難民・政治難民・移民労働者とした。

私は、調査対象者に関する情報を得るために、国際機関やNGO、タイ政府に関わる機関へ資料を集めに訪問し、また、インタビューを行い、毎日のようにあちらこちらの団体へ出かけ回っていた。各機関への訪問は、まず面会予約を所長や事務所のスタッフにお願いし時には自分で約束を取り付けてから訪問した。

また、アンケートを英語で準備し、それを事務所のスタッフに翻訳してもらい、難民キャンプ(3ヶ所)と出稼ぎ労働者の工場などで配布し、アンケート回収後に翻訳が必要な場合には更に翻訳をお願いした。出稼ぎ労働者に関しては、MOLとクリニック(出稼労働者のための診療所)以外の出稼ぎ労働者に関するインタビューやアンケート調査をほぼ私自身で面会予約を取り、土日や業務時間後に調査へ出かけた。

AとB翻訳作業や編集の手伝

事務所での翻訳や編集の手伝いは、実習テーマの調査中は忙しくてあまりできなかったが、インターン終了後、更に事務所に残ったので、この時多少お手伝いができた。

<調査結果・感想>

 1ヶ月とても早かったが、充実していた。スタッフは、とてもフレンドリーで調査に協力的であり、お互い助け合うこともあり良い関係が築けたと思う。

 自分の調査においては、細かいところで問題が解け、タイ・ビルマ国境における状況をタイ政府・国際機関・NGOそれぞれの立場から理解できたところが大きな収穫である。日本で集まる情報・資料は、古く現場の声も聞こえない。しかし、状況は日々変化しており、越境した人々を取り巻く環境は私が過去(2004年)に滞在していたときと比べて、激変している。例えば、世界の難民の流れやビルマ国内の状況が影響し、今年からビルマ難民に対する第三国定住が始まったり、移民労働者に関しては、突然労働許可証の更新料が大きく値上がりしたり、新規に申請する場合も雇用主が払えないほどの料金を請求し、雇用主から苦情があがっていた。タイ政府・国際機関・NGOそれぞれの活動と越境してきた人々の声を直接聞いて、現場の状況を見ていくことは、支援を続けて行っていく上で重要であり新たな支援の方法を考えることができると思う。

 私は、これまで2年近く関わってきたビルマから越境してきた人々に関する卒論を書き、そこから生じた疑問を解決するために、今回のSVAメソート事務所での研修を通して疑問点を調査する機会を得た。それは私にとって大変大きなことであり、2年間の総まとめでもある。盛りだくさんの調査に快く協力していただいたSVA現地事務所の中原亜紀さんや同年齢の事務所のスタッフたち、以前からの知り合いでもあった移民労働者の友人たちには大変感謝している。

<アドバイス>

言葉

事務所で行われるミーティングはタイ語である。またスタッフ同士の会話はカレン語が多いが英語やビルマ語が出来るスタッフもいる。インターン生は、タイ語と英語が話せれば、スタッフとのコミュニケーションは問題ない。私自身、英語もタイ語も中途半端ではあるが、コミュニケーションには困らなかった。

調査内容

調査内容について事前にしっかり準備をして、調査計画書、インタビュー内容、アンケート用紙の英語版をあらかじめ準備しておくと調査が円滑に進む。所長だけでなくスタッフにも理解してもらうために、また限られた時間を有効に使うためにも、日本で出来ることは日本で準備していくのが懸命である。