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2004年度 春学期

地球市民学習課

佐藤夏海(3年)

かながわ国際交流財団の概要

 財団法人神奈川国際交流協会は、世界に開かれた神奈川、世界と結ぶ神奈川を目指して、人と人、地域と地域の国際交流及び国際協力を推進する為、1977年に設立された。現在、市民による草の根の国際交流活動を支援する中核組織として、経営管理課・企画情報課・地球市民学習課・国際協力課の4課、及び神奈川県国際研修センター・神奈川国際学生会館の2館の体制で、哲発事業や国際交流団体育成事業・留学生支援事業などを実施している。今世紀大きくクローズアップされている開発、人権、平和そして環境問題などの地球的規模の課題の解決や、また県内において、外国籍県民が増加するなか、異なる文化を理解しあい共に暮らす地域社会づくりを、NGOや他の公的機関と連携を図りながら、国際協力・平和・多文化共生、地球市民学習をテーマとする各種事業を展開している組織である。

インターンで実際に行ったこと

 行った主な仕事は、地球市民かながわプラザにある3つの展示室「こどもファンタジー展示室」・「こどもの国際理解展示室」・「国際平和展示室」の管理運営、子どもを対象とした各種イベント実施。校外学習の対応補助、国際交流のための各種イベントの企画・実施、セミナーの記録・報告書の作成であった。その他、地球的規模の課題に関する解説シートの作成、そしてカナガワビエンナーレ国際児童画展の開催準備である。

学んだこと

 今回私がインターンを行ったのは、神奈川国際交流協会の中でも『地球市民学習課』である。断続的な15日間であったが、この課が行うイベントや、企画展示、セミナー、そして地球規模の課題に関するあらゆる事業と会議への参加を通じて学んだことは計り知れない。

イメージ なかでも、インターンの終盤に差し掛かった頃に行われた、『地球規模の課題に関するセミナー〜パレスチナ難民支援の現場から〜』というセミナーでは、国際協力、国際理解、そして開発教育という分野の重要性を知ることとなった。

 日本国際ボランティアセンター(以下JVCとする)が撮影したパレスチナ難民の写真パネルやJVC現地調整員の藤屋氏によるセミナーを通じて、昨今、難民とその支援の状況は悪化しているという事実を知った。人々の生活には多くの制限が課せられ、はたして人権という概念が存在するのかと疑ってしまう、そんな感情を持たずにはいられなかった。難民問題は今ある、地球規模の課題の中でも最も難しく、本当に多くの要因を含んでいて、解決にあたりそこには多くの壁(問題)がある。紛争、民族問題、環境・貧困・人口、そして外交的な問題など、これら全てが難民を生み出す要因である。だからこそ、一般市民には直接的には解決できない、何が出来るのかが見えてこない、そう思うのが当たり前なのかもしれない。

 あまりにも遠く、国家的規模で私たちの生活レベルでは、直接的な打開策がないということだ。これが難民を考えるとき、私が悩み続けていた問題の一つであった。しかし、藤屋氏はセミナーの最後で、一人の学生が「難民問題に携わっていく我々にとって何が必要か」という質問に対し、「この質問をしてくれること。つまり、関心をもちつづけてくれること、これがいずれ次なる行動へつながる」と応答した。確かにそうだった。彼らの存在を知り、地域を調べ、我々と違う面を探す。そして、今ある不条理を疑い、本当に必要な支援や保護を導きだし、多くの市民が動きだす。これこそ、必要な国際協力のサイクルだと思った。私自身、このセミナーに参加してから、インターンへの意識も変わり、これからどのように、難民・人権問題という分野に関わっていこうか、具体的に考えるようになった。

 そして同じ頃、スタッフの方の一人が開発教育という分野を教えてくれた。まずは『難民』の存在を知る。そしてパレスチナに限らす、必ず『人権』が存在することを学ぶ。多様性を尊重し、世界と私たちの相互依存の関係、深いかかわりに気づき、克服のための努力と試み、そして共に『参加』する能力と態度を養うこと。地球的規模の課題は私たちの問題であり、私たちが直面していると思うことが重要だと感じた。

 地球市民学習課が現在行っているイベントの一つである、『おしゃべりワールド』。世界各国から日本にきた人々をゲストとして迎え、その暮らしや文化、地球規模的課題といった様々なテーマをクイズや遊びを交えながら自由に語り合うというこのイベントもやはり、子どもにまず興味を持たせることを目的としている。そして『カナガワビエンナーレ国際児童画展』は絵画を通じて、世界の文化に触れ、想像力を育てる。現在も進行・発案中である『地球規模の課題に関する解説シート』の作成も大きな意味を持っている。『国際平和展示室』でとり上げる内容をそのまま受け入れ、それで終わらせるのでは、考える段階まで行き着くのは難しい。だからそのきっかけを与えるものとして、ワークシート的なものがあればより効果的であり、まだそれが他のテーマ別とリンクさせられる形式となれば、ゲーム感覚で幅広く課題を見つめ、関心を持てば、その問題をおのずと身近に感じられる。

 インターン中に関わったイベント、それ一つ一つが互いにリンクしていることに気づいた。全ては、地球規模的な課題を身近に感じ、自分たちの問題として受け入れるための機会であった。

 重要なのは多くの人々が互いの違いを認め、相手の文化を尊重するよう努力する。そして私たちの課題に取り組み解決の努力をするということ。そして我々市民レベルでもその活動は十分可能であるということ。とても抽象的で上手く伝えられていないかもしれないが、以上がこのインターンで私が学んだことである。