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2004年度 春学期

大川佳織(2年)

実習期間

1.2004年6月9日〜7月14日の中の5日間(東京のTJF事務所)

2.2004年7月24日〜8月6日の14日間(中国遼寧省瀋陽の研究研修センター)

活動内容

 2004年7月25日から8月5日にかけて、「アジアでの日本語教育支援」事業の一環として中国遼寧省の瀋陽市で「第1回全中国小学校日本語教師研修会」がTJFと遼寧省基礎教育研究研修センターの主催により開催された。今回のインターンでは、この研修会開催の準備と現地での研修会事務局の仕事の手伝い、授業の補助等の活動を行った。

 具体的な活動内容は、配布教材の発送作業、参加者名簿・修了証書の作成、現地での教材作成補助、研修生に対してTJFが行ったアンケートの集計、授業見学、授業への日本人ゲストとしての参加などである。

学んだこと

イメージ 中国での日本語教育は、遼寧省や黒龍江省のような東北地方の学校で比較的多く実施されている。しかし、教材不足や、知識を十分に持つ教師を育成するような機会がほとんどないことが原因で、この地方以外での日本語教育の定着はなかなか進まず、英語教育が主流となっている。初等教育では、日本語の授業のシラバスも完成していないので、英語のシラバスを参考にしているのが現状のようである。

 今回の研修会では、小学生にとって理想的な外国語学習の方法を活動の中で多く取り入れようという実験的な授業が行われた。読み、書き、文法中心の勉強方法で自分たちが学んできているため、現地の先生方も同じ教え方で子供たちに授業を行うのが一般的である。しかし、小学生くらいの段階の学習者は、遊びなどの活動の中で聞く、話すという行為を繰り返しながら、楽しみつつ自然に言葉を覚え、異文化について興味を深めていくほうが、文法のような技術を学ぶことより重要だというのがTJFの考え方である。この考え方に基づいて、授業では、ロールプレイをして、先生が生徒の立場に立って自分で台詞を考えながら劇をしたり、小学校に帰ってから子供たちに紹介できるように日本の遊びを紹介し、実際に遊んだりする活動を行った。また、そのような活動を含む授業の教案を作成する作業もあった。

 将来の大学入試を見据えた文法中心の授業が一般的ななかで、参加した研修生の平均年齢が33.4歳で二十代の先生も多かったため、このような新しい教授法を柔軟に受け入れてくれる先生が多かった。

 私は日本の遊びを紹介する授業に参加して、初めて授業の教壇に立って「だるまさんがころんだ」を紹介した。ゲームで使う単語の説明の後に、口頭での説明とジェスチャーを交えてルールを紹介した。繰り返し説明したので段々と理解してくれて、実際に一緒に遊べるようになったときは感動した。使える日本語の表現が制限されるので、それを意識して説明するのは難しかった。

 また、ほぼ全ての体験が自分にとって初めてのことなので、学ぶこと、新鮮なことが多かった。事務作業は、たとえ単純な仕事であっても一つ一つ確認しながら責任を持って正確に速くこなしていくというのは難しいことだと知った。私は正確さに力を入れすぎて仕事が遅いことが多々あった。また、報・連・相(報告、連絡、相談)をはじめとする、どのような仕事にも通ずる基本的なことから順に教えていただけたのでとても勉強になった。

反省点

 研修生の日本語レベルに差があったため、授業中に中国語で質問されることも少なくなかった。分からないときは辞書を駆使し、周りの講師の方にも手伝っていただいて何とか対応できたが、媒介語の必要性を実感した。中国語ができる分だけ研修生の要望にもより丁寧に応えられるので、反省点としては、もっと授業で使えそうな会話を勉強しておけばよかったと思った。

 また、コンピューターは、大学で不自由なく使える程度の技術はあったが、仕事では、より効率良く使いこなすことが重要になってくるので、今のままではまだ不十分だということが分かった。

 残念だったことは、日本語教育に関する知識は事前に本やインターネットで調べたり、日本語教育学関係の授業の聴講をしたりして、自分なりに勉強してから行ったが、もう少し教授法に関する知識があったら、授業計画のミーティングや実際の授業中に講師の方たちが話すことを違う視点から見て考えることができ、より有意義なものなったと思う。

感想

  私は今回、1度のインターンを通してTJFでの仕事と日本語教師の仕事の両方を体験することができた。TJFの仕事は基本的には事務作業だったので裏方で、とても地道な作業が多かった。しかし、講師の先生方がより働きやすい環境作りを心がけて、気が付いたところから素早く対応する事務局なしでは、この研修会は成り立たなかった。  講師の先生方は、今回はチームティーチングだったので、授業計画のミーティング、教材準備、授業、課題の添削などの仕事を、1日がかりで全員で協力して行っていた。研修生に分かりやすい授業を作るために、ホテルに帰ってからもほぼ徹夜で準備をする先生も少なくなかった。どちらの仕事にも気持ちが込められていて、その気持ちはしっかり相手に伝わっていた。私もこのように働きたいと思った。  また、国際交流基金から派遣された方や、中国の大学で日本語を教えている先生、日本の日本語学校で教えている先生、青年海外協力隊やシニアの隊員の方、日本の大学で教えている先生など、多方面から日本語教育に関わっている講師の方々に出会ってお話を聞けたのもとても貴重な経験だった。

次回のインターン生へ

 今回の海外でのインターンは、TJFのスタッフの方々の協力のお陰で実習期間を研修会開催期間に合わせることができたので実現しました。次回以降またこのようなインターンがあったら、日本語教育に興味を持っている学生は、是非積極的に挑戦してほしいです。前述の通り、中国語、日本語教育に関する知識、コンピュータースキルなど、事前に自分で身につけられる事はできるだけしてから臨むことをお勧めします。