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2004年度 春学期

国際協力課

母袋雅子(3年)

 私は、(財)かながわ国際交流財団の国際協力課で、インターンシップをやらせて頂いた。同協会は、地域に根付いた国際協力を推進する為に、多くの事業を行っている。その中で私が携わったのは、大きく分けて、NGOを支援する事業と、国際交流・協力事業である。

 まず、「かながわ民際協力基金」という、NGOへの財政的な支援に関わる仕事がある。これは、神奈川県内の個人・企業・団体などからの寄付金と、県からの補助金を合わせた基金の運用益を、NGOの活動に対して助成するというものだ。協会はこの基金の事務局を担っており、NGOから申請書を受けた後、審査委員会を実施し、ここでの議論を経て助成を決定する。審査委員会は、1年に2回行うそうだが、私は運良く参加することができた。

 

審査会に出てみると、様々なNGOが、資金面の問題を抱えていることが伝わってきた。「困っている地域や、そこに住む人たちの為に何かをやりたい」という、NGO側の善意の気持ちはあっても、「支援する為の専門的な知識や技術が欠けている」「支援が発展して継続する展望性がない」などと見なされると、助成の対象外になってしまう。さらに、県からの補助金とは、県民の税金が原資となっているということもあり、そのNGOがどれだけ県と関わりを持って活動し、県内で、どのような地域社会が作られていくかも問われるので、審査のハードルは高いようだった。

 私は、審査会の記録係を務めていて、審査委員を務める学識経験者や、NGO関係者が、議論していたことを書き留めた。また、審査会後日には、数日かけて、テープ起しをした。テープ起しとは、審査会で録音したテープを聞きながら、審査会中に取った記録を補足して使って、文書にまとめていく作業だ。初めての経験で、時間がかかってしまったが、苦心しただけにやりがいがあった。

 

次に、国際交流・協力事業に関わる仕事として、普段、事務所でやっていた主なことは事務的な仕事だった。先にも説明したように、協会は、県からの補助金も受けて事業を実施しているが、収益となる事業も行っている。例えば、国際協力課では、英会話講座、映画会、ベトナム講座、カポエラ講座などを開催して、国際理解を図り、市民から得る講座の受講料は協会運営に役立てている。

 

各種事業に参加してもらう為には、まず、広報をしなければならない。私は、ちらしを印刷し、封入して、マスコミや地域の各施設に送る作業をした。意外に思えたのは、現在57もの事業を行っている大きな協会でも、地道な作業を重ねて、地域でネットワークを広げている様子が伺えたことだった。ちらしを設置してもらえそうな飲食店をインターネットで検索することもあったし、ちらしを近隣の団地にポスティングしたり、事業を進める時に職員の知人に依頼することもあるそうだ。

 

イメージ広報活動の他にやった仕事は、開講中の英会話講座の受講者状況をファイルや表にまとめたり、パソコンで打ち込んだりすることや、会員証の作成、上映予定中の映画のチケット作成などだった。どれも、学校やアルバイトで今まで経験できなかったことなので、良い経験になった。それから、インターン中にベトナム講座が開かれたが、私は、講座の会場の準備や運営の手伝い、片付けなどをしていた。このようなイベント的な催しは、時期によって、内容も対象の国も異なり、ベトナムに限らず、世界各地の国に関する講座や料理教室を開いている。講座では、ベトナムの女性がベトナムの文化や習慣についての話や、彼女が幼少の頃難民として来日した当時の話などを話して下さって、貴重な話を伺えたと思う。

 

私は、このインターンを通して、新たにNGOを支援する組織の存在を知る事ができ、その活動内容を生で見ることができた。審査会の結果、助成金を受理できなかったNGOは、次回の申請書受付時に再申請したり、他の助成機関に申請するなどして、他の方法で資金を調達しなければならないだろう。だが、これらのNGOが助成を受けるに値するような団体に成長していき、神奈川県で、ますます活動が活発になることを期待したいと思った。今回申請したいくつかのNGO団体が注目していた問題について、私はそれまで知らなかったことが多々あったので、審査会に参加できたことは勉強になったと感じている。また、協会が過去に助成したNGOが関わっていた問題や、ベトナム講座で教わった神奈川県内の難民問題など、私がインターン中に知り得た問題も多く、興味の範囲が広がった。今後の自分の勉強や、職業の選択の幅を広げる意味でも、この経験はきっと役に立つと思う。