桜美林大学 国際協力専攻ホームページ



2003年度 春学期

高梨智子(3年)

活動内容

 インターンでは、自分の研究テーマとSVAの業務手伝い両方を行なう。しかし、基本的には自分の調査研究を主に行ない、SVAの業務はその合間に手伝う、といった形であった。

 SVAの業務として私が行なった仕事は、主に事務・雑用である。データをPCに打ち込むことや、スタディーツアーで来た人たちの世話もした。また、ずっとやっていたのは、日本語で書かれている本を英語に翻訳するという仕事だった。

 また、タイやラオスといった他の事務所とは違い、プノンペン事務所の業務は現地語ではなく、全て英語で行なわれている。もちろん、事務所にいる日本人スタッフには、クメール語の堪能な方もいるが、基本的に業務に関わるスタッフは皆英語が出来る。つまり、現地語がそんなに出来なくても、インターンを進めていく上で大きな問題にはならないということだ。この点は、他の事務所と比べると、遥かに活動し易いと言える。ただ、これは活動がしやすい、コミュニケーションが取りやすい、という事であって、決して、現地語の習得が必要ない、ということではない。現地語が何も出来なかったら、村に入ったとき人々が何を話しているのか分からず、悔しい思いをするだろうし、何より日常生活において、言葉が出来なければとても困ることになる。危険や、トラブルを回避する為にも、必要最低限の語学力は、身につけてから行くべきであろう。

とは言っても、現地に行ってしまえば、自ずと必要になるので、必要とされる言葉は自然に覚えていくことだろうが。

 私は”コミュニティー開発における住民参加の度合い”というのを中心に調査研究をした。カンボジアでコミュニティー開発活動をしているインターナショナルNGO(カンボジア国外で設立されたNGO。本部は海外にある。多くは、資金を海外から受ける。SVAもここに入る。)と、ローカルNGO(カンボジア国内で設立されたNGO。インターナショナルと違い、海外に支援者がいないので、資金は自分たちで調達している。規模は小さい。)にアポイントメントを取り、コミュニティー開発のプロセス、各プロセスにおけるNGO・住民・政府関係・その他の役割や、プロジェクトの持続可能性、住民参加とは、何を持ってして住民参加というのか等、質問表を作り、インタビューをした。インタビューは全て同じ内容で、英語で行なった。しかしほとんどのローカルNGOの人たちは英語が話せる人がいなかったので、S VAの現地スタッフが、クメール語→英語の通訳として付いてくれた。このようなことは(他のNGO団体にアポイントメント取って、インタビューすることや、通訳を付けてもらうことなど。)インターンという立場でないと簡単には出来ないことなので、大いにインターンという立場を活用させて頂きました。

学んだこと・反省

 反省としては、勉強不足というのが一番あった。事前にもっと日本で学んでいれば、調査ももっとスムーズに進んだのになあ、という現実を、残念なことにカンボジアに渡ってから気付いた。特に、コミュニティー開発のプロセス等、方法論などはカンボジアに渡る前までに、きちんと頭に入れておくべきであった。また、開発の問題を考えるにあたって、その国の政治が密接に結びついている、という事についても失念しており、全く勉強していかなかったので、それらは、カンボジアに渡ってから周りの人に聞く以前に、日本にいる時に学んでおくべきだったな、と感じた。カンボジアの歴史、社会、経済についてもしかり。勉強すべきことは、数え出したら限が無い。またカンボジアに行く機会があったら、今度こそ少しはましな知識を携えて行きたいものだ。

 ただ、そうはいっても学んだことも数知れず。NGOというものがどのように運営されているのか、資金はどのように得ているのか等も知ることが出来た。また、いろいろなNGOを回ったり、いろいろな人と話したりして、新たに興味を持った問題や、事柄も多い。特に、インターナショナルNGOのローカライズという動きは興味深く、もっと学んでみたいと思った。ローカライズというのは、文字どおり現地化をする、という動きで、海外に本部があり後ろ盾のあるインターナショナルNGOという形から、独立するということだ。具体的には、スタッフも全員現地人化し、資金も自分達で調達するようになる。ただ、ローカライズも、各団体によって度合いが異なるようで、完全な独立はせず、運営のみ自分たちで行ない、資金面だけ本部に頼るという形の現地化もあるようだった。

 また、NGO間のネットワークがほとんど無かったということも、初めて知ったことで、こちらは最も衝撃を受けた事実であった。一つのNGOに出来ることには限界がある。だからこそ、一つのコミュニティー内で、NGOどうしが協力し合い、それぞれ異なった分野における活動をし、そのコミュニティーの底上げを行なう事が当たり前のように行なわれている。と考えていたのだが、現実にはどこにもそのようなネットワークは存在しなかった。それは、それぞれNGOにはポリシーがあり、一緒に活動するとなるとポリシーのぶつかり合いになってしまう恐れがあるから、という。もちろん、それだけでは無いだろうが。しかし、そのような答えが返ってくるとなると、NGOの活動というものは、一体誰の為にあるのだろうか?確かに、支援者あってのNGOだしポリシーのない活動など、援助の垂れ流しとなんら変わりは無いと思う。が、ポリシーに縛られて、目的を見失ってしまってはいけない。時に、自分たちの自己満足のためだけに活動をしてしまう、という恐れがあるのではないだろうか?私は、一ヶ月という短い間だが、カンボジアでいろいろなNGOを回り話を聞いた結果、このような疑問をもたざるを得なかった。

 しかし、結局NGOといえど運営しているのは人なので、他のNGOと協力するのは、容易なことでは無いのだろうという事も少し、理解することは出来る。何事も人の力で成り立っているのだ。人と人の関係が一筋縄ではいかないことと同じように、NGO同士の関係も、難しいところなのかもしれない。ただ、それでも、NGOだからこそ、そんな事に足を引っ張られること無く、活動をしていって欲しい。自分の研究テーマとは別に、このように周りからいろいろな話を聞き、新たな問題意識が自分の中に芽生えた。今後は今回集めた資料を基に、ゼミ論を書き、4年の卒論につなげたいと思っている。

インターンプログラムの改善提案

 インターン開始までの事前の質問・連絡は、東京事務所を通さずに直接現地事務所の担当者と取り合ったほうが、効率が良いのでは無いでしょうか?また、出来ればいろいろな決定は少なくとも一ヶ月前までにしてもらえると、色んな準備がしやすいです。

 また、大学側にはもっとインターンシップ・プログラムについて広めて欲しいと思います。インターネットだけでは、不十分だと思う。実際、履修登録をする以外で、大学のHPを見る生徒がどれほどいるのか?まずこれを調べるべきではないだろうか。ほとんどの学生は見ていないだろう。何故なら、見る必要性が無いからだ。とにかく、全ての国際学部の先生には授業の前に、インターンについて話してもらうなどして、インターン制度を広めていかないと、このインターンシップ・プログラムに対する関心が、いつまでたっても薄いままになってしまう。せっかく良い機会なのに、興味を持っている人がこのプログラムを知らなかったら意味が無い。少しでも興味のある人は、ぜひ参加すべきものだし、またそれ以上の価値があるものなので、プログラム終了後の学習意欲も格段に上がることだろう。