桜美林大学 国際協力専攻ホームページ



2003年度 秋学期

中川由香(2年)

幼い難民を考える会

 幼い難民を考える会(Caring for Young Refugees = CYR)は、内戦によって難民となったカンボジアの子供たちを支援するため1980年に活動が始まった。

 現在はカンボジアの村人たちと協力して保育所を経営している。また、女性の自立を助け伝統文化を守りたいという願いから、農村の女性たちを対象に織物の染色技術を指導している。国内では講演会、織物展示販売会、バザー、募金活動などを行い、その収益は全てカンボジアの子供と女性たちの支援事業に使われる。

インターンシップで行ったこと

 私は主にバザーや展示会などのイベントに関わる作業を行った。その事前準備として、品物の仕分けや値段付け、当日は販売を担当し、その後の反省会にも参加した。

 それ以外には、支援者へCYRの活動を伝えるニュースレターや請求された資料、オリジナルのカレンダーの発送を行った。また資料のコピーやニュースレターの編集などの事務作業もあった。

インターンシップを通して考えたこと

私は、将来雑貨店を経営し、商品の一部としてチャリティーの製品を扱うのが夢だ。今回インターンシップを行った目的は、そのためにNGOとどう関わっていったらいいかを考えるためだった。そこで自分なりに今後の織物事業について考えてみた。

CYRの織物事業の概要

 CYRはカンボジアで女性たちを対象にした織物研修センターを開き、染色技術指導を行っている。短期あるいは1年の研修を終えた女性たちは村に帰って織りを続ける。CYRは買い取ったその織物や、布を使った織物をカンボジアと日本で販売している。日本では各種イベントに参加したり、バザーを開いて製品を販売するほか、委託販売も行っている。

気づいたこと

 織物事業について調べ、実際に製品を販売してみて気づいたことがあった。よく売れるのは手頃な値段の小物類だった。それは、スカーフなどは一般の店の物に比べると高いからだと思う。けれどCYRの製品は上質な材料を使い、手作りしているため手間隙がかかっている。そして、その収益が支援のために使われていることを考えたら、適正な価格だと思う。購入側にはチャリティーの製品だということを強調する必要がある。

 ところが、日本ではチャリティーの製品を買うという感覚があまりないように思う。特に不況が続く近年では、価格破壊が進み100円ショップが現れ、以前よりも価格の安さを重視する傾向にあるため、チャリティーの製品を買うことも少ないのではないか。

 そんな中、販売側に求められることは何か。適正な価格は維持したままで売り上げを上げるには、今まで以上に購入側のニーズに応えていかなければならない。具体的には、日本人好みの色合いやデザイン、モダンなスタイルへの改良が求められている。販売のときに購入者から、布1枚ではなく小物などの製品のほうがいいという意見や、普段も使えるような製品を増やして欲しいという声があった。そういった購入側の意見をもっと取り入れ、製品の改良に役立てて行くことが必要だと思う。展示会でアンケートを行ったり、その場で率直な意見を聞いてみるのもいい。

これからの販売の在り方

 現在は、展示会やバザーなどでの販売、委託販売の方法がある。今後販売の機会を増やすためには、今以上にCYRの活動と共に委託販売を広く宣伝する。          また、新たな方法として、個人だけではなく一般の商店での委託販売、通信販売がある。通信販売のカタログを作るにあたっては、定番商品を作り、その商品数の確保が必要だ。独自での通信販売が難しい場合は、通信販売を行っている企業に製品を扱ってもらうこともできる。販売のノウハウを熟知している企業と販売促進に取り組めば、収益向上に期待が持てる。

 ただいずれの場合にも、CYRの活動の主旨を十分に理解した上で協力してもらうことが大切だ。販売側には適正価格を守り、購入側にもそれがカンボジアの子供と女性たちの支援のための製品であると分かって買ってもらいたい。

 CYRでは、将来的にカンボジアの女性たちがCYRを通さずに、複数の販売側と直接結びつくことが望まれている。そうなれば製品に要求されることや問題も増えるだろう。たとえば、製品は手作りのため、一つ一つに色柄の違いがある。また、大量生産はできないので、注文数に応じられるかという問題も起きるだろう。しかし、カンボジアの女性たちも、自分たちの製品が高く評価され、企業と直接交渉できるようになれば、それが大きな自信となり自立にも繋がるだろう。

実際の委託販売

 CYRの活動を通して、実際に委託販売をしている方に出会えた。その方は織物製品を扱う会社を営み、自宅の一室をショールームにして、CYRやその他のNPOの製品を販売している。

 私が特に興味を持ったのは、それらの布を用いてイタリア仕立ての洋服やバックなどに変えて販売していることだ。布そのままだと使いにくいという点を改善し、普段から身につけられる物に変えるという発想。商品開発にはこのような改良が必要だ。

 寄付をするのもボランティアの一つだが、チャリティーの製品を買うことで支援をより身近に感じてもらえると思う。物を通して、カンボジアの人々との関わりを意識できるし、またそれは作り手である女性たちにとっても嬉しいことではないか。

学んだこと 

 インターンシップを通して、CYRには実にさまざまな方の助けがあると知った。イベントのときはもちろん、毎回事務所を手伝ってくれるボランティアの方や、会費や募金以外にも他の組織から助成金を受けていることも分かった。

 しかし、会員数の減少などによる資金不足の問題、またカンボジアの子供や女性たちの現状を知れば知るほど、ボランティア活動の大変さや難しさを実感した。子供たちの中途退学の問題や、織物研修後の女性たちが収入を得ることの困難さは、どちらも貧しさと結びついている。この貧困という大きな問題を解決することは容易なことではない。けれど、NGOにとって、このような多くの協力はとても心強いだろう。そしてその関係を維持していくためには、何よりもまず支援者との信頼関係が欠かせない。

今後の課題

 NGOの活動を目の当たりにして支援の在り方を考えてきたが、今後は「支援」が「共に歩む生き方」へと形が変わっていくと思う。これからもCYRに関わり、カンボジアの人々と共に生きていきたい。

今後のインターン生へ

 学びたいテーマを決めて、それに関して知りたいことを職員の方に伝え、自分で調べることが必要です。実際の活動に関わり、多くのボランティアの人たちと出会うことができるいい機会なので、ぜひ積極的に参加してほしいです。