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2003年度 春学期

 宮田早霧(2年)

幼い難民を考える会の概要

 幼い難民を考える会(Caring for Young Refugees ’CYR’)は内戦によって難民となったカンボジアの子どもたちが、その困難な状況の中、少しでも人間らしい環境で過せるようにとの願いから、1980年に組織され、活動がはじまった。

 現在、カンボジアでは4つの村の保育所を地元の人々と協力しながら運営している。また農村の女性の自立を助けるために、カンボジア伝統の織物の染織指導をしている。日本国内では募金の呼びかけをはじめ、講演会、カンボジア織物の展示・販売会、バザー、書き損じはがき・未使用切手の収集、カンボジア語講座の開催などの活動を行っていて、CYRの活動紹介をするとともにカンボジアの子どもの状況や文化を伝え、日本での国際理解を進めている。

インターンで実際に行ったこと

私がこのインターンで行ったことは主にバザーにかかわる作業と事務作業である。バザーにかかわる作業では、当日の販売活動をはじめ、事前準備である支援者から募集して集まった日用品、雑貨、衣服などの品物の値段付けや仕分け、バザー後に反省会を開いてバザーで販売する品物の値段の基準、販売時における注意点などのマニュアルを作成した。

事務作業では、会員や支援者などにCYRの活動を報告するものであるニュースレターや年次報告書の発送、事務局通信(CYR東京事務所、カンボジア事務所の最新情報をEメールで配信しているもの)の記事集めと簡単な編集や配信、個人や学校から請求されたCYRの資料の発送や寄付金のお礼として送るパネルを作成した。他には資料や過去にカンボジアで撮影した写真の整理、パンフレットの印刷、名簿作りなどである。

 また、職員の打ち合わせ、6月に行われたCYRの定時総会、現在カンボジア事務所で活動している2人の職員の帰国報告会、懇談会に参加した。

学んだこと

 研修を通して私は援助が多くの人が支え合い協力してできるものであり、一人の力だけではできないし、援助を供与する側だけが努力してもよい成果は現れないのだとあらためて実感した。援助は途上国の自立を促がすものであると私は思うので現地の人のやる気、協力があってこそ成り立つものだと思う。でも自立や現地化に向けて援助をすることはとても難しいこともわかった。日本と援助先である途上国とでは生活、価値観が違うというのが一つの理由だと思う。私は日本のNGOネットワークをさらにいかし、他のNGO団体や途上国現地のNGOとの協力、連携を大切にし、自立や現地化に向けて共に協力できたらと思う。

 CYRは多くの会員やボランティアに支えられて成り立っている。自分たちの活動、支援金・寄付金の使い道、事業内容を支援者や寄付者にはっきりと伝え、社内・組織内の透明性を出すことや信頼関係を築くことも大切な仕事であり、仕事や援助をしていくにあたっても大切なことであると気付いた。

 インターンをして、打ち合わせ、定時総会や報告会に参加することで、NGOを内側から見ることができたのはよかった。また、実際に仕事をしている人に仕事の楽しさ、うれしさ、難しさなどの話が聞けたこともよかった。以前から国際協力やNGOの活動に興味があり、情報を得ていたつもりであったがそれらは与えられたものであり、私の一方的な価値判断で理解していたところがあった。しかしインターンをすることで実際の現場を見て、自ら行動し、職員さんの話を聞いたりするとそれまでとは違ったところから勉強ができてよかったし、自分の目で見て体験することが一番の勉強方法だと思った。

 将来、国際協力に携わる仕事をやるなら途上国へ自ら行って、という思いがインターンをする前の私は大きかったが、インターンをしていくうちに日本で国際協力に携わることができることに気付いた。例えば国内で支援者、寄付、募金を集めるなどまだ他にも国内でも誰でもできることだと思い、日本の市民社会に国際協力を広めていくことも、国際協力に携わっていくにあたって大切なことであると思った。他には学校の総合学習の授業を利用して国際理解教育をより充実したものとし、その授業内での活動だけに終わらせず、学んだことが後の行動へとつながるように学び考える機会、場所を提供できたらと思う。そして援助が大人だけでなく子どもに対しても身近に感じやすく簡単に参加できる環境をより作れたらとインターンを通して私は思った。

今後の勉強にどのように生かすつもりか

 インターンでは普段では体験できないことを体験し、得たものが多いがその分今の自分に足りない面もはっきりとわかった。3年後は私も社会人として働いているわけだから、しっかりとした言葉づかいや知識などを身に付け、今からでもできることはどんどん挑戦していこうと思う。

次のインターン生に対して

 自分の目で見て体で体験することで多くのものを得ると思うので、積極的に参加して欲しいと思う。

付録 学生の国際理解教育について

 「総合的な学習の時間」が導入され、その中の一つに国際理解教育があげられる。その授業の一環として学生(主に中学生)のNGO事務所への訪問や職員が学校へ行き、講演会を開くことが多くなり、去年CYRでは25校がCYR事務所を訪問し、7校へ講演会を行った。訪問希望の理由は「総合学習の時間で国際理解について学んでいて、視野を広げ世界で起きている戦争、紛争、飢餓などについて調べ世界に目を向けることで自分たちにできることは何かを考え、今後の生活にいかしたいから。」や「訪問後に資料や聞いたことを集録にまとめ、各訪問先で学習した貴重な体験を全校生徒や保護者の前で発表してなお一層理解を深め、将来の職業選択や進路選択に生かしていきたいと考えているから。」などである。CYRに訪問する学生の多い質問は、難民とはなにか? 難民はどんな生活をし、現状はどんなかんじか? 自分たちにできることはなにか? どんなボランティアをしているのか? などである。職員はその質問に答えながらNGOについての説明やカンボジアの子どもたちの生活、カンボジアの歴史や戦争などの話をしている。CYRではカンボジアを通して世界の平和や戦争の起きる背景を知る機会を与え現実を知った後、学生自身に考える部分を作り、未来を担う学生に対して人材教育の機会、場として取り組んでいる。

 訪問の結果、学生は今の自分たちの生活を見直すようになり、戦争について考えやはり戦争はよくないと思うようになり、募金や写真展の開催とつながり、学生が大きな理解者や支援者になっている。CYRだけでなく他の受け入れる側のNGO団体としても総合学習の導入や学生の訪問が長い目で見てよりよい地球市民社会の実現につながると考えていて、理解者や共感者の拡大、関心層の広がりや開発教育機会の増加、団体の広報機会の増加など利点がある。しかし事務所訪問や問い合わせ対応により時間と労力がかかって本来の業務へ支障や財政的負担、「メッセージの伝え方」の技術的問題などNGOが抱えている問題もある。しかし実際に事務所に訪問して話を聞き、事前事後の活動を通して学生が得るものは多いし、とてもよい教育の場だと私は思う。もちろん事務所訪問だけでなくいろんな取り組み方があるので担当の先生やNGOの負担や問題はあるがよい解決策が出て、みんなで積極的に参加し学生の将来の進路決定へつなげられたらと思うし、自分にそのようなお手伝いができたら、と思うようになった。

 国際理解教育といっても分野は多岐にわたる。世界には多くの国、民族、文化、人がいることを知り、今の世界の現状を知ることは大切なことだし、そこから日本や自分たちのできることを考えることも大切であると私は思う。これからは多くの人と出会い、異文化や異民族との交流が盛んになりさらに国際理解教育が重要視されると思う。しかし私は日本についても勉強することも国際理解教育では大切だと思う。日本は古い歴史・文化・伝統をもった国である。とくに日本は戦争に対して加害者でもあり、被害者でもある。日本は原爆を落とされた唯一の国であるがそのことを知らない人は世界にまだいるだろう。戦争の恐ろしさ、平和の尊さを日本は自身の体験から日本の子どもたちだけでなく世界に伝えなくてはならないと私は思う。途上国支援の中で教育は重要な柱であるし、これからの世代を担うすべての子どもたちへの教育が全世界で大切だと私は思う。