桜美林大学 国際協力専攻ホームページ



2002年度 秋学期

 菊池美奈(2年)

1.インターンで実際に行ったこと

 私がCYRでのインターンで主に行っていた仕事は、カレンダーの発送、請求のあった資料の発送、バザーの準備で支援者から送られてきた服や食器などの値付け、寄付があったときには、寄付者への手作りのお礼状作りである。また、CYRで販売しているポストカードの注文があったときにすぐに発送ができるようにするための準備、News Letterの発送、チャリティーコンサートのパンフレットの印刷、製本、栄養健康調査のデータチェック、インドにある日本人学校(小学校六年生)からの問い合わせにあった質問への回答なども行った。日比谷公園で行われた国際協力フェスティバルや、港区民祭り、CYRバザーなどのイベントへの参加では、CYRの活動紹介やカンボジアの製品の販売をした。印象に残っている活動は、国際協力フェスティバルで、主にCYRの活動紹介やカンボジア・ラーメンを作って販売したことである。

2.学んだこと、反省点

 NGOには、ボランティア・支援者との信頼関係が大切である。NGOは、有給で働く人はほんの少数で、あとは多くのボランティアから成り立っているからである。資金の協力、物資の協力、事務局での作業やカレンダーの購入など、多くのボランティアの協力で、NGOは運営できる。そのボランティアは、20年間にわたり少しずつ増えてきた。国際関連の雑誌や新聞などを見て興味を持った人、協力したいと考えている人からの資料請求などの問い合わせ毎日のようにあり、そして今後も様々な形での協力者が増えていくだろう。この20年以上にわたる活動の実績は、多くのボランティアの協力、継続した資金援助などの支援者なしでは、難しかったと思う。その協力者、支援者への丁寧な対応、また地域での活動がCYRのボランティアが多い理由、継続してボランティアを続ける理由の一つであると感じた。信頼関係を築くための小さな心がけとして、郵便物の丁寧な取り扱いや、寄付があったときにはお礼の作成(学校や部活単位での資金協力には、カンボジアの子供の写真入お礼状を作った)や、FAX、電話、手紙などでのお礼も、その状況や協力者に合わせて対応していたことが、印象的だった。

 NGOは、多くのボランティアと支援者からの寄付、または政府や民間からの補助金によって運営することができる。学生、主婦、退職者、社会で働いている人も含め、ボランティアとして活動できる人を集めること、また寄付や補助金を得ることには、地道な努力が必要であり、そこには信頼性、透明性がなければならないことがNGOの運営で大切なことだと思った。

 反省として、日比谷で行われた国際協力フェスティバルでの活動で私は、興味を持ってくれている人に、またそうではない人にも、積極的に話しかけることができなかった。東京の事務局で研修をしていたにもかかわらず、カンボジアでの活動を実感できずにいたし、自分の目で見、肌で感じていないことを人々に説明することは私を躊躇させていたと思う。経験の伴わない中途半端な知識では人を説得し、その人の心に訴える事は出来ないと痛感した。日比谷の国際協力フェスティバルでは、多くのNGOや政府などの団体が参加し、各団体のアピールや協力者、支援者、ボランティア集めに積極的であったが、その活動をする多くがボランティアであった。ボランティアがボランティアを集める、その為には。経験を通して、自信を持って、NGOの活動目的を話す必要があると思った。ボランティアとしても、そのNGOをより深く理解し長期に渡ってNGOを支え、活動していく中で勉強していくことが大切である。

3.今後の勉学にどのように経験を活かすかつもりか

 NGOや国際的な仕事を目指す場合、それぞれの国の抱える歴史や問題点(政治的、経済的、文化的)をより深く学ぶ必要があると思う。英語は、コミュニケーションの道具であるのだから、ネイティブと同じように話せなければならない。また、NGOの活動を紹介したり、理解してもらうためには、説得力のある話し方など、日本語力も必要である。まずは、一般常識や言葉使い、英語力の向上、また、世界の歴史や現状も理解している必要がるため、それらを向上させるために勉強していきたい。

4.受け入れ組織、および大学に対して今後はこうしたほうがインターン生のために良いのでは、と思うこと

 NGOでの研修は、ボランティアになったしまうことが多いと思った。そのために、時間を設定して、勉強時間を作った方がよいのではないだろうか。また、週に1回〜2回程度の研修では、そのNGOの全体的な理解は難しいと感じたことから、短期で毎日事務局へ通うような方法も考えたら良いと思った。

5.その他、今後のインターン生への提言など・・・

 NGOの活動は、華やかな仕事であるように見えるが、実際は地道な仕事であり、支援者との信頼関係を築くために、また限られた資金を有効に使うために思考錯誤を繰り返している。国からの資金援助もあるが、十分とは言えないと思う。このような中で、カンボジアの子供のために、遠く日本から活動しているボランティアの多さと、またNGOの活動を授業で取り上げている小学校、中学校、高校生の訪問が研修中に何回もあったことから、NGOが社会のなかで一つのアクターとして認められ、また期待されている証拠であると思った。

 地元のNGOでの活動に、実績のあるCYRでの経験を活かし、またカンボジアという国との関わりを大切に自分のできるボランティアを続けていこうと考えている。また、NGOに興味を持った人は、自分がそのNGOの一員となって活動して見ると、運営方法や、活動の主旨を体験を通じて実感できると思った。

CYRの活動資金について

 NGOの運営には、活動に協力してくれる支援者、ボランティアとその活動資金が不可欠である。インターンでの活動を通してボランティアの方々の活動を見ることができたが、活動資金をどのように得ているのか、という疑問を持ったことから、CYRにおける財務面について調べてみることにした。

 まず、2000年度の総収入は、60,161,784円で、その内訳は会費:7.9% 寄付金:17.8% 事業収入:22.9% 民間(財団、公益信託等)助成金:8.7% 国際ボランティア貯金:14.5% 外務省NGO事業補助金:2.9% その他政府補助金:2.1% その他:12.5% 前年度繰越金:10.7%であった。この中で、一番大きな割合を占めているのは事業収入であり、その内容は、CYRバザー、カンボジアの織布、絵葉書、カレンダーの販売、またスタディーツアーによるものであり、私が参加した2002年度のCYRバザーでは日本中の支援者から多くの物が届き、その多くが売れたことで70万円を超える収益があった。次に大きな割合を占めているのは、寄付金である。これは、いずれのNGOにおいても収入の重要基盤である。また、補助金収入の内訳を見てみると、カンボジアでの事業に使われる目的の補助金として、郵政事業庁ボランティア貯金、外務省NGO事業補助金、外務省草の根無償資金協力、外務省「NGO専門調査員制度」、(財)日本国際協力システム、(特活)WE21ジャパン、(財)地球市民財団、(社)国際建設技術協会がある(2001年度会計報告より)。それぞれが、保育や織物などといった用途を定めている。国内事業への補助金は、外務省「NGO相談員制度」がある。また、(財)毎日新聞社大阪社会事業団から300万円の寄付などがあった。

 郵政事業庁が行っている国際ボランティア貯金について、調べて見た。国際ボランティア貯金とは、郵便局の通常貯金や通常貯蓄貯金の受取利子を、開発途上地域の人々の福祉の向上のために寄付してもらう貯金である。国際ボランティア貯金の寄付金の配分を希望する場合1団体あたりの申請事業数は1事業のみ、平成14年度以前からの継続配分団体は500万円、新規に配分する団体は200万円、新規に配分する団体のうち海外における相応の援助実績を有している期間が1年未満の団体(実績のない場合を含む)は100万円という上限がある。申請団体がスタッフや専門家を援助地域に派遣し、現地の人々と直接顔を合わせ、両者が協力して活動を展開する事業に対して配分し、平成15年度においては、日本からの派遣スタッフ等が最低でも2週間以上現地で活動することが配分事業の要件となっている。このような資金を得るために、申請しても、確実に寄付を得られるわけではない。厳しい審査と時間を要することが分かった。また、超低金利の影響で国際ボランティア貯金の配分原資は大幅に減少することが見込まれているため、援助事業への寄付金の配分はより一層厳しいものになるということであった。

このようにみてくると、資金を得るためには、多くの苦労と時間をかけることがわかり、CYRの総収入の内訳をみても分かるように、事業収入が大きな支えとなっていることから、事業は積極的に行い、さまざまなイベントに参加することも収入を支えることにつながっていた。また、外務省からの援助もこうして見ると少ないことがわかる。国際的に、実績を上げているNGOに対して、政府はもっと協力するべきである。政府ができないことをNGOができると思うからだ。政府と民間が協力することが、政府にとってもNGOにとっても、また現地の人々にとっても、意味のある協力になるのではないかと思う。